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山河令のエンディング曲「天涯客」を、うたえる日本語に訳してみました

天涯客

晴天に 努めを終え 寒江かわを越え
夜には さかづきに月が笑い 独り酒
江湖ならば 渡り歩けても
酔から醒めると 天涯に故郷はない

西陵の秋には 氷雨がくちづけて
口さがないそしりに 心が荒さんでも
江南の春風は 心を温めてはくれず
そのとき不意に 我らに光が

四季の花は短く でも遅くはない
木枯らしに突き進み 小さな家へと
万里の河山を家とし しがらみ忘れて
余生はお前と 酒を温めたい

草がなびき 夕陽に雲がかかり
どこの仙郷か 胡蝶の骨、玉の梁
かかえ込んだ愁いを 分けてはくれないのか
ともに酔えば さよならは言わない

四季の花は短く でも遅くはない
木枯らしに突き進み 小さな家へと
万里の河山を家とし しがらみ忘れて
余生はお前と 酒を温めたい

落ち葉も 荒波も 風雪も
なにも怖くない 君とふたりなら
高らかに歌い 寛ろぎ過ごそう
どんな苦難も 知己得れば

人生お前と 二人ならば

音声で聴いてみる
(簡易的ボカロで拙品です)


直訳

素人翻訳なので訳が間違っていたらすいません。
お気づきの点がございましたら、ご教授いただけましたら幸いです。

天涯客(=世界中何処にも落ち着ける先がない)

空は澄み渡り 仕事を完了し 寒江を無事渡ったが
夜のしじまには 杯中の月(李白の『月下独酌』=ひとり酒の比喩)が笑う
馬を駆り 江湖を渡り歩くことは許されても
天涯を酔いさすらい 夢から覚めると故郷は見当たらない

西陵では秋の氷雨が わが窓(=瞳のこと。詩的慣用句)に口吻けて来て
口さがない中傷に 傷ついて狂おしくとも(後半の句は文字通りの意味では「わかってはいても狂おしい」になりますが、実はこの句は「叶わぬ恋でもこの想いはやまない」という意味に使われる慣用句でもあります。しかしながら慣用的解釈では、次のパートへ意味が続かないだけではなく、ここのパートは阿絮に出会う以前の温客行の過去を歌っているのに、ここで叶わぬ恋をしていると過去の恋ということになるか、または詩が構成している時系列をひっくり返してしまうことになるので、ここでは前半の句をうけて文字通り「狂おしい」という意味に解釈してみました。しかし山河令の脚本家が書かれた歌詞ですので大いに含蓄があると思われます)
江南のみどりの春風は 凍てついた心を温めてはくれず
その時ふいに われらに希望の光が(=二人が出会ったこと)

四季の花(=阿絮の命)は永くないが まだ手遅れではなくて良かった
秋風の古道に痩馬を進めると、流水の小橋の下に家があり(苦境にも小さな幸せをめざそう)
万里の山河に万家の灯りがある(=天涯のどんな場所でも棲家とし) 過去の事は砂煙に巻き上げ
一生涯辛い時も 君と酒を温め、お茶を沸かしたい

草が香り、風になびき 流れる雲が、夕日にかかる
いずれの仙郷か 胡蝶を骨と為し、玉を梁と為す(中国の古典文学などで、仙境の美しい大理石の柱を用いた楼閣をあらわす慣用句。ここでは楼閣のことではなく老温からみた阿絮の美しさだと思われる)
君(温客行)が背負ったすべての愁いを なぜ少しでも分けてくれないのか
ともに3万回酔えば もうさよならとは言わないだろう

四季の花は永くないが まだ手遅れではなくて良かった
秋風の古道に痩馬を進めると、流水の小橋の下に家があり
万里の山河に万家の灯りがある 昔の事は砂煙に巻き上げ
一生涯辛い時も 君と酒を温め、お茶を沸かしたい

たくさんの落葉がもの悲しく落ち 長江の波が打ち寄せて来ても
きつい風も鋭い霜もなにも怖くない だだ君とともに在るなら
高らかに歌いつづけ くつろいで過ごそう
一人の知己を得れば 風塵を尽くしても仕方がないが慰められる

山は高く、水は遠いが(=人生) お前が居て俺が居れば


原詩

天涯客 作詞:小初(山河令脚本家)

天苍苍事了功成渡寒江
夜茫茫杯中月影笑荒唐
谁许我策马江湖闯四方
谁醉遍天涯 梦醒不见故乡

西陵下凄秋凉雨吻我窗
任人憎任人谤 未妨惆怅是清狂
春风吹得绿江南水岸 吹不暖人心霜
猝不及防 那是不是我们的光

相见恨晚幸未晚 不再辜负四季花
将古道西风瘦马 换小桥流水人家
万里河山万家灯 往事如烟浪淘沙
将平生霜雪 与君煮酒烹茶

芳草长烟波流云映斜阳
问何处仙乡 蝴蝶为骨玉为梁
你一肩担不尽万古愁 不如分我几两
陪君醉 三万场 从此不言离殇

相见恨晚幸未晚 再不辜负四季花
将古道西风瘦马 换小桥流水人家
万里河山万家灯 往事如烟浪淘沙
将平生霜雪 与君煮酒烹茶

无边落木萧萧下 不尽长江滚滚来
风刀霜剑皆不惧只要 你我还在
得既高歌失既休 无拘无束亦无碍
但得一知己 慰尽风尘无奈

任山高水远 你在我也在

天涯客
作曲:金若晨
作詞:小初

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