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私と彼女

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私は彼女と出会う。その後平和な日々を過ごしていたのも束の間、ある日突然彼女が消え……
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#創作大賞2023

私と彼女 -一体-

私と彼女 -一体-

彼女が捕まったあの日からずっと、私は彼女のお守りを見つめコロコロとしたり、その存在を確かめるように手で握っては開いたりを繰り返していた。

このお守りまで消えてしまったら私はどうしたらいいんだろう?
とても不安だったのだ。

泣いても泣いても、涙は流れ続け決して枯れることはなかった。
(身体の水分は全部出し切ってるはずなのに不思議だな……。)

この間ずっと、最後に一緒に居たあの日が頭の中で何度も

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私と彼女 -裏- #10

私と彼女 -裏- #10

嫌な予感は的中した。
家に急いで帰ったかと思えば彼女は少しルンルンで帰ってきたからだ。
そして無理やり着替えさせられた。

「……やっぱり、綺麗だね。」
私を見て彼女が言った。

白のワンピースに黒髪ロングのウィッグ。
ロングなんて小学生ぶりで襟足や背中が痒かったし、女の子に戻ったと言うよりは女装してる気分だった。
素よりスカートがスースーして気持ち悪い。

「ねぇ、絶対嘘だよね?」
こんな変装似

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私と彼女 -裏- #9

私と彼女 -裏- #9

もう会わないと決めていた。
会ってはいけないのも重々承知だった。

でも――。

あれからすぐに、警察が被害者家族の通報を受け捜査を開始。
事情聴取や現場検証の結果、通報の通り他殺だと予想された。

恨みを抱いていたであろう人物、事件当時近くに居た怪しい人物、事件関係者など、利害関係の疑われる人物が重要参考人としてリストアップされ、そして被害者家族や目撃者の供述に基づき、容疑者として一番に名前が上

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私と彼女 -裏- #8

私と彼女 -裏- #8

私は馬乗りになりそいつの首を絞めた。

「うっ……!うぐっ……!!」

抵抗するそいつは私の腕に血が出るほど爪を食い込ませてきた。
兄貴が死んで、兄貴を苦しめたこいつが生きているのが本当に許せなかった。

「なんで……なんでてめぇが生きてて兄貴が死ななきゃいけなかったんだよ!!ふざけんな!」

気づいた時にはそいつは気絶していた。
私は頭に血が上っていた為、そんなことお構い無しに割れた窓ガラスの破

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私と彼女 -裏- #7(+0.5)

私と彼女 -裏- #7(+0.5)

一一季節は夏が終わりかけ、秋に差しかかろうとしていた。
涼しい風が頬を撫でる、少し胸がきゅっとなる。そんな頃。

とある人から少しだけだが兄貴について分かったことがある、と言われ嘘でも何でもいいからと私はすぐにその人物と会うことにした。

「カランコロン。」
昔ながらの純喫茶に呼ばれた私はその人物を探す。
私に気づいたその人は「あっ」と手招きをした。

「ごめん、遅くなったわ!」
息を切らして謝罪

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私と彼女 -裏- #6

私と彼女 -裏- #6

その日はいつもと違う場所で待ち合わせした。
彼女が珍しく買い物に付き合って欲しいと言うので、普段より少しオシャレをして待ち合わせ場所へ向かった。

少し早かったかなと約束の時間15分前の時計を見ながら待ち合わせ場所へ行くと、彼女はもう既に到着しており、ベンチに座って本を読んでいた。

私の存在に気づかなかったので、「わっ!」と脅かしてみる。
声を上げる事もなく、びっくりして動かなくなったハムスター

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私と彼女 -裏- #5

私と彼女 -裏- #5

彼女はオムライスが好きだと言った。
じゃあ作ってあげるよと言って休みの日に彼女の家で作ってあげた。
洋食店で働いてて良かったなとこのとき初めて思った。

「はいどうぞ!」
とろふわオムライスがあまり好きじゃない彼女の為に少し多く火を通したのを作った。

「わぁ!美味しそう!」
すんごく嬉しそうで作ってよかったと思った。

「ん!うまい!!」

彼女が、口一杯に食べ物を入れてうまい!って言うタイプの

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私と彼女 -裏- #4(+0.5)

私と彼女 -裏- #4(+0.5)

兄貴は声を出したいけど、出し方を忘れた様だった。
ただ私の事は覚えているらしく、涙がツーっと流れた。
「あに…!お、お兄ちゃん私のこと分かる?!」
微かだが頷いてくれた。
その後兄貴は目で部屋を見渡しここが何処か把握しているようだった。
私は慌てて外にいた女性へ話しかけた。
「…兄さん、起きた。」
えっ!と驚いた表情の彼女は先生呼んでくる!と言い慌ててナースステーションへ向かった。

兄貴はやっと

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私と彼女 -裏- #3

私と彼女 -裏- #3

兄貴のことを調べるのは簡単ではなかった。
誰も知らない兄貴の顔を二十数年会っていない私がどう調べたらいいものか、全く検討つかなかった。
「どうしよっかなー…」
頭を抱えて悩んでいるといつもの如く後輩が私に突っかかってきた。
「どうしたんすか先輩、めずらしいっすね、女にでも振られたんすか?」
とニヤニヤとしながら聞いてきた。
「お前いつかぜってぇぶっ殺す。」
私が後輩に何度目かの殺意を向けていると、

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私と彼女 -裏- #2

私と彼女 -裏- #2

「もしかして兄貴のこと知ってるんすか?」
その女性の返事を聞く間も無く店から店長がお怒りモードで出てきた。
「次遅刻したら許さねぇって言ったよなぁ?!?!」
私は慌ててその女性に謝罪し店長の元へ走って行った、引っぱたかれた。
慌てて後ろを振り返るとその女性はもう居なかった。
幻だったのか、その女性とはそれきり会うことはなかった。

「んあー!!」と店で叫んでいると後輩から「いつも以上にやばいっすね

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私と彼女 -裏- #1

私と彼女 -裏- #1

 自分はいつ死んでもいい。
人生は孤独で、冷たくて暗い、煩くて痛くて価値などない。

 そう思っていた、彼女に出会うまでは一一。

 「早く死にたい」が口癖の私は人生という神様からの贈り物が歪な形でしかなかった。
 ちなみに神も仏も信じていない。

 「よぉし、これからキラキラでピカピカな素晴らしい人生を過ごすんだもんっ!」と意気込んだ生まれて2年目の春、電車の脱線事故で両親が死んだ。
 ばあちゃ

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