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夢三夜

私は、眠るのが得意だ。
寝つくのも深く眠るのも得意だ。

「おやすみ3秒」を実行してしまうので、目をつむって考えようと思っていた課題は翌朝まで持ち越されるし、夜中に大雨や雷があったことを朝のニュースで知ることも多い。

そんな私がここ数日は、深く眠れていないらしく、3日連続で夢をみた。


第一夜 

姉が水中を漕いでいた。
背中には姪をおぶっている。私が見ている目の前で、水中をグングンと進んでいく。自転車を漕ぐがごとく、水の中を漕いでいく。
姪はひゃっひゃひゃっひゃ!と喜びの声を上げていた。

現実の姪もおんぶが好きだ。
奮発して買い与えたおもちゃよりも、道中苦労して、たどりついたアミューズメントパークよりも、姉の背中で一番テンションがあがっているように思う。

夢の中で水からあがった姉は、ずいぶんと厚底のサンダルを履いていた。
「やっぱり、ウェッジソールだと、水分含んじゃって、だめだ。重いわ」
と涼しい顔で言っていた。


第二夜 

届いた葉書の切手が巨峰だった。
一体どうやってポストに入れたのか、どうやって運ばれたのか、そういった現実問題の一切をスルーできるのが夢のいいところ。
夢の中で私は、そういった疑問は抱かず、ただひたすらに、届いた葉書の切手が巨峰だった幸運を喜んだ。

巨峰は、長年、私の好きな果物ランキング1位に君臨し続けている。
幼い頃、お墓に供えられた果物を見て、「私のお墓には巨峰にしてね」と母に言ったものである。
あのとき母はどう思ったのだろう。


第三夜 

使い捨てのコンタクトレンズのストックが少なくなったので、買い足しに行くところから始まった。やけに現実的な設定だ。

目の検査をして、なぜか別室に通される。ふかふかのソファで待っていると、シュワシュワのシャンパンをを提供され、しばし寛ぐ。
そのあと、日当たりのいいプールサイドへ案内される。
ここのあたりから、少し疑問を持ち始める。コンタクトはいつ、受け取れるのだろうか。

やっと請求書とコンタクトを持ったスタッフが現れた。
びっくりするくらい高額だった。やはり、一方的にいい思いは出来ないもんだ。現実でなくてよかった。


とまあ、こんな具合の夢をみること3日間。
さて、今夜はどんな夢をみるだろうか。

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