うさみみ

Short Noteからやってきました。 他愛もないおしゃべりの感覚で、思ったこと感じ…

うさみみ

Short Noteからやってきました。 他愛もないおしゃべりの感覚で、思ったこと感じたことをつづります。 Instagramに、ミニエッセイを書いています。 https://www.instagram.com/usamimi_gram_/

マガジン

  • おしゃべりが足りない

    日々のこと。思ったこと、感じたこと。ひとりでいるのが好きなのに、口下手なのに。それでも、時々、おしゃべりが足りない!と思う私の、オチも教訓もないハナシ。2022.6月~

  • 夫婦2人暮らし

    子なし夫婦の2人暮らし。草花や月や空の美しさに心動かされがちな「花鳥風月大好きおじさん」な夫との暮らしを、妻の目線で語ります。母になりたかったけど、なれなかった私のことも少し。

  • 私の本棚

    読んだ本、本をきっかけにめぐる記憶や思いをつづります。海外文学、児童文学、エッセイが好きです。

  • 旅の記憶

    旅行記。そこで見たもの感じたもの。記憶に残るのは、なんてことのない断片だったり。私が旅行が好きなのは、非日常を味わって好奇心や憧れが満たされる、というのも、もちろんあるけれど、自分が「よそ者」であれるから、という気もしている。馴染んでいなくても、いいんだという安心感がそこにはある。 行った時期と投稿のタイミングはランダムです。

  • Short Noteより

    エッセイ投稿サイトShortNoteに投稿(2019年12月~2022年6月)したエッセイたちです。ShortNote終了に伴い、こちらに移行します。

最近の記事

あの日

出先から戻り、家まであと数十メートルの場所まで来たときに 「すみません、すみません」という声が聞こえた。 あたりに歩いている人はいない。 ついに妖精の声が聞こえるようになったか、と期待したが、残念ながらそうではなかった。 向かいから減速しながらやってきた車が停止して、運転席の窓からご婦人が顔を見せた。 どうやらご婦人は、正面を向いた状態で車を動かしつつ私に話しかけていたようなのだが、私が気づかないものだから、停車して顔を見せたのだった。 「〇〇斎場はどちらですか?」

    • 救急車に乗った話

      先日、救急車に乗ることになった。救急車に乗るのはこれで2回目。いずれも、付き添いとして乗ったのだった。 仕事から帰ってきた夫が、目の調子が悪いという。視野が曇って見えると。 コンタクトが汚れているのかな、と言いながら外したが、見え方は変わらないようだった。しばらくすると、左目から痛みが出始め、開けられないという。目を開こうとすると、涙が止まらなくなる。 次第に、じっとしていられない痛みになり、部屋の中をウロウロと歩き回る夫。 これは、明日まで待てそうにもないと、夜間救急

      • 急に話したくなったので

        ときどき、思い出す猿がいる。 といっても、私はその猿には触れたこともなければ、彼の視野に私が入ったこともないんですけどね。 随分と前にテレビ越しに見たその猿は、高崎山にいるタクマと名付けられた雄猿で、まだ赤ん坊だというのに母猿とはぐれてしまい、冬を越せるか心配されていた。 エサにもうまくありつけていないし、本来なら母親の背中か腹にくっついているはずの赤ん坊が、単独で冬の寒さを乗り切れるのか。 日中は広場にあるストーブ(のようなもの、確か)のそばで、他の猿とともに、暖をとっ

        • 踊るカーテン

          アレとコレは、このバタバタを乗り切ったあとに手をつけても間に合うから大丈夫、と自分を励まし、このバタバタを乗り切ったら、アレもコレもやりたいよね、と自分を慰めつつ、バタバタを乗り切って迎えた今日。 どういうわけか、今日になったらアレもコレもみんな、どこかに行ってしまったようだ。 いつもよりも長く眠って、体の疲れも取れたはずなのに、何かをやるエンジンがかからない。 すっぴんで部屋着でいるから、エンジンがかからないのでは?という仮説のもと、メイクをして、髪の毛を整えて、服を着

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        • おしゃべりが足りない
          62本
        • 夫婦2人暮らし
          23本
        • 私の本棚
          9本
        • 旅の記憶
          9本
        • バンコク暮らし
          11本
        • Short Noteより
          34本

        記事

          市井の人々の物語

          GW中に著名人の訃報が続いた。 一方的にこちらが知っているだけの有名人。当然ながら会ったこともないわけで、亡くなったことへの実感がわかないことが、たいていのことだったのだけれども。 自分も歳を重ねていくにつれ、亡くなる方の年齢と親の年齢が徐々に近づいていき、時には、親よりも自分の方が亡くなった方と年齢が近かったりして、「人って、若い頃に病気や事故から逃れて生き延びたとしても、結局は亡くなっていくんだな」という実感がだんだん強くなってきた。 今回、とりわけ、「ああ、この方も

          市井の人々の物語

          ふるまい

          美人もおばちゃんも、ふるまいである、と思っている。 容姿や年齢の問題ではない。ふるまいというのは、自分次第でどうにでも変えられるものなのだ。 美人のようにふるまえば、ワタシは美人になれるし、 おばちゃんのようにふるまわなければ、ワタシは決しておばちゃんではないのであーる! そんなことを思って、美人のおねえさんでいようとしたある日、トイレの手洗い場で、子どもを2人連れた母親に遭遇した。上の子が3、4歳くらいの女の子、下の子は母親の抱っ紐の中にいる赤ちゃんだった。 上の子が

          ビューティフォーだったから

          ”英会話とダイエットに、一生励み続けているのが女である” というようなことが書かれていたのは、山田詠美さんの小説だっただろうか…。違う人の言葉かもしれない。それどころか、フレーズもニュアンスも違うかもしれない。 とにかく、私の姉は英会話とダイエットに一生励み続けている女に当てはまる。 体質が似ているはずの姉だが、太ったり痩せたりの振り幅が私よりも大きく(それがダイエットの成果や反動なのかもしれないが)、大人になってからも、結構な費用をかけて色々な類の英会話レッスンを受け続

          ビューティフォーだったから

          手ぶらでいきます

          朝起きてリビングに行ったら、私がいつも使うデスクの上に正方形の黄色い付箋が貼ってあるのが目についた。 そこには 「手ぶらでいきます」 とマジックペンで書かれていた。 いつもの夫なら、書くスペースに対してやや小さすぎると思われるサイズの字を、これまた細い芯のボールペンで書くのだが、マジックペンで大きく書かれたその文字に、なにやら強い意志のようなものを感じたのだった。 デスクの下には、夫が通勤用に使っている黒い鞄がおいてあった。 彼は、手ぶらで会社に行ったのである。 「手ぶ

          手ぶらでいきます

          温かいスープがあってよかった

          今日は、前回がいつだったか思い出せないくらい久しぶりに、スープストックトーキョーでご飯を食べた。 ここ数年の私の状況でいえば、基本は在宅で仕事をしているから、普段は自分のタイミングで食事をとれる。 1人で外食をするときというのは、たまたま外出したときに、うっかりお腹の具合が限界か、限界を超えようとしているくらいの空腹に達してしまったときだから、スープストックを選ぶとことはない。 だって、スープとパンでペッコペコのお腹が満足するとは思えないから。 でも、実際に食べてみたら

          温かいスープがあってよかった

          はがき

          郵便受けに1枚の年賀状を見つけたのは、1週間前のことだった。年賀はがきではなかったから、正確には年賀状ではなくて寒中見舞いかもしれないけれど。 はがきは大学生のときにお世話になった教授からだ。 1月の間が抜けたタイミングで届く年賀状というのは、 相手から届いたのを見て慌てて出したことを白状するものであり、 でも、届いたからにはお返しをする律義さを証明するものでもあり、 まあ、つまりは若干の気まずさなんかもまといながら、やってくるものだ。 その気まずさを乗り越えた律義さに

          あと3時間!

          わりと順調に仕事納めができた今年。 時間にゆとりがあろうとも、おせちを準備するほどマメでもない私であるから、今日はデパ地下に買い出しにいくのであった。 デパ地下のなんと誘惑の多いことよ!  いつもだったら、いいものはいいのはわかるけど…と結局買わずに家で自炊しちゃったりするけれど、今日くらいは!と色々手が伸びる。 大晦日ぐらいはちょっと贅沢してもいいんじゃないか、という価値観はいつからこの身に刻まれたのだろうか。 しかし、人気店の前を3往復したあとに、ローストビーフを

          あと3時間!

          ご指名

          地下鉄の車両の、真ん中あたりの席に腰掛けたとき、私をめがけてやってくるおじさんがいた。 「すみません、この電車、初台に行きますか?」と彼は言った。 「初台に行くなら、反対側の電車ですね」と私はこたえた。 まるで、それが私の役目であるかのように、自然に展開したこの会話。しかしながら、振り返ってみると、なぜ私だったのか?ということが気になる。 その車両には、私が座っている側に3人くらい、向かい側に4人くらいの乗客がいた。 ドアに近い席の人に聞けばよさそうなものの、初台に行きた

          おしゃべりスイッチ

          玄関のインターフォンが鳴ったので、いつもの通り「お願いします~」と応えて開錠した。よそ行きの声で明るく言ったものの、「今日は、ハズレが来たな」と思う。いつも来てくれる宅配業者のドライバーのうち、1人はとっても愛想が良くて親切、もう1人はいつも不機嫌なのだ。 今日は、その不機嫌男の方が来た。部屋のインターフォンが鳴ってドアを開けると「ここでいいスか?」と言われた。ビールや水など重い荷物のときはいつもそういうのだ。 チャイムを鳴らすために一度ドアの前に置いた荷物を、もう一度持ち

          おしゃべりスイッチ

          最短で見積もる人

          どうやら私には、物事にかかる時間を最短で見積もってしまうクセがあるようである。それは、楽観主義からくるものかもしれないし、相手へのちょっとしたサービス精神がそうさせるのかもしれないし、単なる思慮不足なだけかもしれない。 とにかく私は、その困ったクセを先月の後半くらいから連続して発動してしまったものだから、つい先日まで本当に余裕のない日々を過ごすハメとなった。 起きてから寝る直前まで机にかじりつき、夫が夕食を食べる姿を眺めながら「早く食べ終わってくれないかなあ」と心の中で思

          最短で見積もる人

          ピーマンの中から現れた小さな小さな侵入者の話

          おとといの夜のことです。チンジャオロースを作るために、ピーマンをカットしようとしたとき、急に心臓がバクバクし始めました。バクバクしたままピーマンをカットすると、中から虫が出てきたのです。 私、こういうことって結構あるのです。なんか、急に心臓がバクバクし出してふと見たら部屋の中にゴキブリがいたり、ヤモリがいたり。ふと、カーテンの下に何かいる!と感じて束ねたカーテンのそばに直行したら、ネズミがいたりとか。 虫とか小動物が同じ空間にいることを察知する能力があるみたいなんですよー。

          ピーマンの中から現れた小さな小さな侵入者の話

          スペアじゃないのよ、私は 『クララとお日さま』

          貸出期限が昨日までだったことに気づいて、今日、あわてて図書館に本を返しに行きました。 その本について、思うところがあったので、ここに記しておきたいと思います。 この物語の設定は、子どもがAF(Artificial Friend)つまり人工の友達をもつことが当たり前とされている世の中だ。AFには、旧モデルと最新モデルと存在して、その「機能性」は比較対象になる。 人間も遺伝子操作ができるようになっていて、遺伝子操作済みの者とそうでない者の格差が広がっている世界でもある。

          スペアじゃないのよ、私は 『クララとお日さま』