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🌾 ヒンメリが生まれ、育まれる場所 vol.1


等身大のフィンランドプロジェクト
発足のきっかけ


普段着の日常に静かに息づく生活者の声。

テレビ番組制作に携わっていた頃、どんなに面白いインタビューが収録できたとしても、限られた放送尺に収めるためには、わかりやすさを追求せざるを得ない場面がありました。

ひょっとしたら、「フィンランド人は」を主語にしてメディアで紹介されるフィンランドにも、編集の過程でやむなく淘汰されてしまった情報があるかもしれない。そんな風に考え、昨年の冬に「等身大のフィンランドプロジェクト」を立ち上げました。フィンランドで暮らす人々の物語を記録することが目的です。



エイヤ・コスキさんとの出会い



その活動の一環で、昨夏、フィンランド在住のヒンメリスト、エイヤ・コスキさんを取材させていただきました。ヒンメリとの出会いや日本での活動はもちろんのこと、わたしが特にお伺いしたかったのは、なぜそれほどまでにヒンメリに夢中になっているのかということでした。経済学の博士号を取得し、大学で研究者として働いていた彼女がなぜ、その道を手放したのか。人口50人の小さな村で暮らしている理由も気になりました。

互いに話が盛り上がり、気がつけば120分のロングインタビューになってしまいましたが、エイヤさんにとってヒンメリと同じくらい、パートナーのカリさんが育てるライ麦に魅了されていることがわかりました。そして、カリさんとの出会いがエイヤさんにとって、人生の転機だったのです。


日本各地で芽吹く
ヒンメリ愛



このインタビュー記事を公開後、国内でヒンメリを制作していらっしゃる方々からコメントやメッセージで感想を頂戴しました。わたしはとても驚いたのですが、ご自分で0から畑を耕して、ライ麦を育てるところからヒンメリ制作をスタートさせている方がお一人ではなく、何人もいらっしゃいました。

オリジナルのデザインを考案なさっておられたり、ワークショップを開いてご自身の学びを仲間たちにシェアしておられたり、それぞれのやり方でフィンランドのヒンメリ文化を昇華なさっている方々が大勢いらっしゃることにも感動しました。

昨年12月、ザ・フィンランドデザイン展の最後を飾ったエイヤさんのヒンメリ


ヒンメリが生まれ、育まれる場所プロジェクト



日本でも、装飾品としてのヒンメリの認知は広がりつつあるように感じます。しかしながら、その文化的側面についてはあまり知られていません。それは、日本ではまだ、「ヒンメリ」が主語になっているからではないかと考えました。わたし自身もまだまだ勉強が足りません。


ヒンメリを作っている人、ヒンメリに魅了されている人の声を紹介することで、ヒンメリの文化的な側面に一歩近づくことができないかなと考え、「ヒンメリが生まれ、育まれる場所プロジェクト」を立ち上げてみようと思います。

この活動の成果は、今年11月に北欧文化協会さんの定例会で発表します。

わたしは講師という立場で参加しますが、何者でもありませんので、何らかの研究成果を報告するというよりは、情報を交通整理して参加者に共有するという役割を目指します。

この話をエイヤさんに相談したところ、快く相談役を引き受けてくださいました。日本とフィンランドのヒンメリ文化について、わたし自身、エイヤさんや皆さんと一緒に理解を深めてみたいです。

当面の活動について


(1)ヒンメリに関するフィンランド語の記事を日本語訳して紹介します

わたしのフィンランド語のトレーニングもかねて、このnoteには、フィンランドでフィンランド語で公開されている、ヒンメリに関する記事をいくつか翻訳してご紹介しようと思います。


(2)アンケートフォームを作成し、リンクを設置します

googleフォームでご回答いただけるように、のちほど、簡単なアンケートをご用意します。このプロジェクトにご関心を持ってくださった皆さまで、ご協力いただける方はどなたでもご参加いただけます。
是非、皆さんのお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。


我が家のヒンメリ。ライ麦ストローにも挑戦したい!

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