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パズルゲームが完成しました

約3年間作ってたパズルゲーム「スライムパズルストーリー」。
ついに11月27日にリリースできるので、このゲームが出来るまでのアレコレをまとめてみました。

バラバラなテーマでアレコレ書いてますので、気になる見出しの所だけでも詰まんで読んでもらえればと思います。


ゲーム紹介

『スライムパズルストーリー / Slime Puzzle Story』
↓紹介動画です。

公式サイト (PC版とスマホ版の比較表あり)
Steam
Google Play
App Store

パズルまみれの村を冒険するパズルゲームです。
ゲームのこだわりポイントをいくつか紹介します。

スライムを転がすパズルゲーム

このゲームは「スライムを転がす」ということを楽しさの軸にしています。なので、登場するパズルギミックの多くはスライムをどう転がすかを考えさせるものになっています。例えばスライムの移動方向を変えるギミックや、スライムに反応して岩の配置が変化するギミック等々。

操作が簡単

  • PC版:矢印キー

  • スマホ版:スワイプ操作

上記の操作でキャラクターを操作するだけエンディングまで進められるようになっています。シンプル!
(アンドゥ、リセット、メニュー表示はキー/ボタン割り当てがあります。)

冒険感にこだわった

基本的にはリラックスしてプレイできるパズルが多いですが、時には危険な洞窟でのパズルや、敵キャラとバトルするパズル等もあります。
最後にはエンディングを見ながら「冒険ゲームだったなー」というような余韻を味わえるんじゃないかと思います。

危険な洞窟

いろんなバトルパズル

敵キャラクター等とのバトルパズルを数か所で用意しています。それぞれのバトルパズルで仕組みが異なっていて、なんと音楽もそれぞれのバトルパズル専用に作られてます!

後、バトルといっても急いで操作する必要はないので、じっくり考えてプレイできます。

自己紹介

イタチラボの usami です。
イタチラボは僕1人でやっている屋号です。

普段は自営業で、Unityを使った受託のお仕事をしています。
Unityの前は、Flashや Adobe AIR を使うお仕事をしていました。

今年になってからは「スライムパズルストーリー」リリースに向けたラストスパートの制作に専念しています。

過去に4本ゲームアプリをリリースしていて、今回で5本目になります。

前作までは、いろんなジャンルのゲームを作っていましたが、
今作の「スライムパズルストーリー」からはパズルゲームを作り続けていきたいと思っています。
(きっかけは前回の記事で少し書いてます)

面白いパズルゲームを作り続けることで、パズルゲーム好きな方達に少しづつ認識してもらい、新作を出した時に、「前にやったパズルゲームの作者の新作だ!」と興味をもってもらえるような世界があるんだなーと少し分かってきました。

その先に、僕が目標にしている「パズルゲームを作って生活できるようになる」の達成が見えてくるんじゃないかと思っています。(遠い目)

3年かかったこと

今回の「スライムパズルストーリー」は、当初は1年ちょいくらいで作る予定でしたが、結局3年かかりました。

僕がゲームを作ると、なぜかいつも当初の予定から2~3倍の時間がかかります。当初は年単位で制作期間が延びることはさすがにないだろうと思ってましたが、終わってみればいつもどおり、予定の2倍ちょっとかかってしまいました。

なので、次回からは1年以上かかる計画を立てることは控えようと思いました。今回はどうしても冒険感のあるパズルゲームが作りたかったので、少し仕方ないです。(次から気を付けようね!)

収益を伸ばすために

ゲームを作る上で面白いゲームにするのは大前提ですが、それとは別に収益面のことも考える必要があります。

まず、Steam版とスマホ版の両方で出して、よりたくさんの人にプレイしてもらえるようにしようと思いました。

しかし僕はSteamゲームのリリース経験はなく、スマホゲームのリリース経験はあったので、今回はスマホゲームでの収益計画から考えることにしました。

これまでゲームアプリをリリースしてきて、「継続率」が収益を伸ばすのに大事だなーと感じていました。

継続率を上げるとこんなメリットがあります

  • アプリストア検索結果で上に表示されやすくなる(多分)

  • ゲームプレイする時間が長くなるのでゲーム内の広告を見てもらえる機会が増える

  • ゲームを続けたいと思われることで、初めてゲーム内課金(広告削除など)が検討される

  • 課金されるとアプリストア検索結果で上に表示されやすくなる(多分)し、ゲームをさらに続ける動機になる。

収益の伸ばすのにいいことのスパイラルです!
なので継続率を意識したゲーム設計にすることが収益を伸ばすカギだと思いました。

前回作った「止まるなコロッコ」(ステージ制脱出ゲーム)は1時間くらいでクリアできてしまうアプリなので、よく使われる7日継続率でいうとゼロに近かったです。

ですが、「止まるなコロッコ」を起動した人の内、56%の人が30ステージ全てクリアしているようでした。それを初めて知った時はかなり驚いたのを覚えています。

なぜ驚いたかというと、さらに前に出していた「サッカーピープル」というサッカーゲームのアプリでは、ゲーム起動した人の内、チュートリアルを終えて1試合目終了までプレイしてくれる人が43%、1試合目に勝って2試合目終了までプレイしてくれる人が27%だったので、「止まるなコロッコ」ではそんな多くの人が30ステージも続けてくれるのか!と驚いたのでした。

この2つのアプリはどこが違うのかというと、「サッカーピープル」の方は操作方法が独特で思い通りに動かすにはコツを理解する必要があるため、コツを覚える前に楽しめなくてやめていく方が多いんだと推測しています。(でも慣れると面白いんですよ!)

一方「止まるなコロッコ」の方は脱出ゲームでよく見る操作方法で、操作はとても簡単です。この違いが大きかったのだと思います。

後は、「止まるなコロッコ」は、1つ1つのステージを楽しんでもらえるように、めちゃくちゃ時間をかけてアイデアをしぼり出して各ステージを作ったので、それでプレイしてくれた方が、どんどんステージを進めて行きたいと思ってくれたんじゃないかと希望的観測をしております。

前置きが長くなりましたが、この希望的観測を信じて、ステージを1つ1つ楽しめるように作りこんだゲームの大ボリューム版を作れば、継続率が高くて数日~2週間くらい楽しめるゲームを目指せるんじゃないかと考えました。

それと同時にパズルゲームを作りたい願望があったので、それをパズルゲームとして作ればいいんじゃないかと思ったことが、「スライムパズルストーリー」を作るきっかけになりました。

ボリュームについて

スライムパズルストーリー」はパズルの量がたっぷりあります。(全部解かなくてもクリア可能ですよ)

ですが、Steamでプレイする方は積みゲーも溜まったりしていて、そんなに時間をかけていられない人も多いんじゃないかと思ったので、Steam版(有料)ではゲーム開始時にショートモードも選べるようにしました。

ショートモードは、ノーマルモードのパズルの問題数を程よくカットしたモードです。ショートモードでもノーマルモードでもストーリーは変わりません。

後、ハードモードもありますが、これは2周目にやりたい人向けなので、最初の選択肢には出てきません。

スマホ版(基本無料)では最初はノーマルモードで開始されます。
そしてスマホ版ではショートとハードモードは有料となっていますので、ご了承くださいませ。

制作パートナーについて

スライムパズルストーリー」を制作する過程で、僕には難しい分野については専門の方にお願いしました。

音楽

「スライムパズルストーリー」の音楽は全曲、HaL_Bitsさんが担当くださっています。

以前、Twitterで ↓ この投稿を見かけて、

このアルバムにハマって毎日聞いていた経緯があり、「スライムパズルストーリー」の目指す雰囲気にも合っているので、思い切って音楽を担当いただけないかDMで尋ねてみたところ、快諾いただけました。

HaL_Bitsさんは意外にもゲームの音楽を担当するのは初めてだったようですが、全く初めてとは思えない、めちゃくちゃ素晴らしいゲームBGMが完成しました!

元々、HaL_Bitsさんの曲終盤でたたみかけるようなメロディーがのってくるのがとても好きだったのですが、今回のバトルパズルの曲などでもそれは健在ですのでお楽しみに!

メインビジュアル

メインビジュアルは、Nelnalさんが担当してくださいました。

メインビジュアルは ↓こちらです。

Nelnalさんは、「DELTARUNE」のスイート・キャップ・ケーキやタスクマネージャーのキャラデザイン等でも活躍されていて、Nelnalさんが描くイラストのファンでした。

「スライムパズルストーリー」のメインビジュアルをお願いできると、目指す雰囲気にも合うんじゃないかと思ったので、思い切って連絡してみたら快諾いただけました。

制作過程では、いただいた提案全てがこちらの予想を上回っていて、僕は驚きっぱなしでした。
結果、素晴らしいメインビジュアルが完成しました!

英語翻訳

英語翻訳は、npckcさんが担当してくださいました。

npckcさんは、ご自身でも個人ゲーム開発をされていて、年内にSteamで発売予定の「マロンの日」は僕も楽しみにしています。なんとこのゲームはゲームボーイで実際に遊べるパッケージ版もあります!すごい!

「スライムパズルストーリー」の英語翻訳についても、素晴らしい翻訳をしていただけました。

当初、キャラ名は英語版でもそのままになるものだと思っていたのですが、
いただいた翻訳データを確認するとローカライズされていたので、嬉しい驚きがありました。

例えば、猪の子供のキャラ名は日本語版では「ウリーボ」というのですが、英語版では「Oinklet」になっていて、英語圏の人でもなんとなく猪の子供のキャラなんだとイメージしやすい感じで、とてもいいと思います。

デバッグ

デバッグのテストプレイは、ノアさんが担当してくださいました。

たまに起きてた原因不明だったバグの原因が、キーを特定の組み合わせで同時押しした時に起きることをつきとめていただいたり、他にも自分だけじゃ気づけなかったまずいバグ等も見つけていただき、とても助かりました。

全て動画付きで不具合の報告をしてくれるので、対処しやすかったです。

全ステージをプレイした動画もいただけたので、それがパズルの想定外に簡単な解き方をしてないかチェックできる貴重なプレイ動画になりました。

おかげでゲームの完成度が高まりました。

制作に使ったツール

【Unity】

ゲームエンジンはUnityを使っています。2Dと3D両方に対応している万能なゲームエンジンです。
過去にリリースしたゲームも全てUnityで作ったので、使い慣れています。

ゲームリリース後もUnityのバージョンをアップデートしていく必要がありそうなので(スマホアプリの定め!)、アップデート時の不具合のことを考えてなるべくUnity公式以外の便利アセットは使わないようにしています。
それでも下記のアセットは便利すぎるので使いました。

  • Easy Save : データのセーブが簡単にできるし、暗号化にも対応

  • Odin Inspector and Serializer : インスペクターの表示を改造できる。特に便利なのがインスペクターに簡単にボタンが設置できる機能

  • Auto Importer for Aseprite PRO : Asepriteの編集データをUnityのAnimationデータに自動変換。Aseprite側で書き出しする手間もなくなって便利

  • DOTween : 移動アニメーションさせる時の王道ライブラリ。便利!

セリフを表示する機能は自前で作りましたが、セリフの直後に選択肢を表示したり等、準備することがメチャクチャあって大変でした!
でもそれでオリジナリティのあるセリフ表示になったので良かったです。

【Aseprite】

ドット絵を描くためのソフトで、コマアニメがすごく作りやすいです。
ドット絵ゲームは作ったことがなかったのですが、今回の「スライムパズルストーリー」を作るために購入しました。

Photoshopでもドット絵を試してみましたが、Asepriteの方がコマアニメが作りやすかったので、以降はずっとAsepriteを使っています。

【Adobe Fireworks】

画像編集やUI作成などができます。
もうAdobeのサポートは終了しているのですが、使い慣れているのでずっと使っています。サポート終了しているのでPCを買い替えた場合、新しいPCには多分インストールできません。

使い続けている一番の理由は、Asepriteでコピーした画像を透過状態を保ったままペーストできるのが便利過ぎるからです。
Photoshopにペーストすると透過部分が黒くなってしまいます。
Fireworksでは、Asepriteで描いたドット絵をペーストして画面に並べてレイアウトできるので使いやすいんです!

(Adobeさん、Fireworksのサポート復活を待っているユーザーがここにいます!)

【Adobe Illustrator】

本来はイラストやデザインのツールなのですが、今回のゲーム制作ではパズルステージの配置を考えるのに、↓の投稿のような使い方をしていました。

終わりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

年単位のゲーム開発となると、どこかで開発中止になる可能性も高くなる中、ゲームを完成させることが出来ました。

完成出来たのは、ゲーム開発が続けられる環境があったおかげで、とても恵まれていたのだと思います。

ゲームが作り続けられた環境に感謝して、この記事を終わりたいと思います。

リリース日:2024年11月27日

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