迷ったらあの種を思い出せ!

バンクーバーに住んでいた頃、シュタイナー関連の本を読んでみんなで話をする勉強会に参加していました。ある時、シュタイナーの教員育成コースを取っていたお友達が、コースの中で素敵なお話を聞いたからシェアしたいと、目をキラキラさせて話し出しました。

まず、その時いたメンバー一人一人が彼女が用意した植物の種を一つ選びます。(子供の人数分だったかも)そしてお話が始まりました。

「この種が育つのには、何が必要でしょうか?

きっと、水、土、太陽があれば、この種は自ら根を生やし、芽を出し、大きくなっていくよね?種に必要なのは、環境です、それ以外の必要なものは既に種の中に揃ってるでしょ?それは子育てにも言えることじゃないかな。私たち大人のできることは、子供たちが自らの力でしっかり育つように環境を整えることに尽きるよね。」(数年前のことで正確ではないかもしれませんが、このような内容でした)

もしかして、いわゆる早期教育や小さい頃からの習い事は、種の元々ある育つ力を活かせずプログラムを書き換えてしまうことじゃないかという話にもなりました。


その時もらった種はなぜか捨てられず今でも大事に持っています。

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親の思う通りにいかないことは多々あります。息子が人と比べて遅いとか、出来ないとか、問題行動があったり、それで息子にキツく当たったりイライラしたり落ち込んだり。

それから、教育方針、機会、物質的なモノ、言葉、、、親として子供に与えるものの選択に悩むことがたくさんあります。

そういう時は、この種のお話を思い出します。種を取り出して眺めたり、ツルツルしてるので手の中でコロコロ触りながら考えたりすることもあります。

この種が自身の力で逞しく育つにはどうしたらいい?豊かな環境となり、この種が育つことの助けになる選択はどれ?

と自分に問いかけてみます。すると心にふわっと降りてきて、しっかり着地するような感じで答えが見つかることがあります。そうやって決めると、その種の力つまり子供に備わってる力を信じる気持ちも強くなり、私の決断にも自信が持て揺らぎにくくなるのです。

そうやって出てくる答えは大抵とてもシンプルで、ああなんだそうかと拍子抜けすることもあります。悩んでもやもやしてる時間というのは、きっと種に必要な土、水、太陽を豊かにすることを置き去りにして、どの肥料を使おうか悩むというような迷路に迷い込んでるんでしょうね。この種は迷路に迷いこんだ私をふっと原点に連れ戻してくれるようです。

子育てはまだまだ続きます、これからも迷うことはきっと沢山あります、今からの方が悩みも大きく深くなるかもしれません。まだまだこの種は失くさないように大事に持っておきたいです。


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