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おまけの珈琲と青味のラムネ

良いお天気だったので、息子とちょっと離れた公園にお散歩。
帰りしな通りがかりのパン屋さんでパンを買ったら、
「サービスです。」
と、珈琲をいただいた。
「息子さんにはラムネね。」
息子の小さな手には、青いセロハンで包んだラムネを1つ。
ラムネが大好きな息子は大喜びして、ぶんぶん店員さんに手を振った。
「ありがとうごじゃましたっ」

お店を出て、息子がラムネを私に手渡してきた。
開けてくれ、ということらしい。

「パン屋さんでお利口にしてたもんねぇ。いーよー。何味かなぁ。」
「あおあじよ!」
息子は自信満々で答える。
私は、というと、青鯵?と変換に困っていた。
ラムネは、セロハンをはずすとごく普通の白色だった。
「あーしろあじやった。まちがえちゃった。」
息子の言葉で、やっと青味、白味という意味だと気づいた私は、あまりの単純さに笑ってしまった。
「ねぇ、白味はどんな味?」
「らむねのあじ」
「じゃあ、青味は?」
「おそらのあじよ」

それはだいぶ雲泥の差だなぁと思ったが
当の息子本人はさして落胆はしてないみたいだ。
あっという間に食べ終えて、買ったパンを食べたそうにしている。

「帰ってパン、食べようか」
「うん!」

片手に珈琲を持って手をつなぐ。
パンは息子が持ってくれている。

前にこのパン屋さんに来たときは
息子はまだ歩くのも危なっかしくて
荷物になるからと珈琲は断ったんだった。

ほんの半年くらいなのになぁ。

あっという間に大人になっちゃう寂しさを噛み締めて
口をつけた珈琲はまだだいぶ熱かった。

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