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猫団子と腸内細菌

「今日は寒いから、マスオとチビがひっついて寝るかもしんないね。」

今朝起きるなり娘が言った。
実は私も布団を出て冷たい空気を感じるなりすぐ考えてしまったことだった。

マスオをお迎えしたのは5月。
2匹は割と順調に仲良くなったが、同時にどんどん暑くなった。
チビは暑いと飼い主にすらあまりひっついてくれない。

だから、今日みたいな気温は待ちわびた寒さだった。

猫を2匹以上飼って、猫団子を夢見ない人はいないと思う。
しかし猫の論文を死ぬほど読んできてる私は、動画や写真などは山程あるそれが条件が整わないと発動しない貴重なものだと知っている。

猫が猫と仲良くなるには、少なくとも一方の猫がフレンドリーな性格でなければならない。
猫のフレンドリーさは腸内細菌で「うつる」ことが可能らしいので、一匹フレンドリーな個体がいればいつか仲良くなるはずである。

しかし、うちの2匹はというと、正直2匹ともビビリであまり猫同士の関わり合いを好まないタイプ。

だから、べったり仲良くなることはないけど逆に激しくケンカしたりもないでしょう、と保護猫団体さんにも言われていたし、私もそう思っていた。

にも関わらず意外にも2匹の距離が縮まるのは早かった。
トライアル中に鼻チューを済まし、そのうち毎朝お互いのおしりを嗅ごうとドーナツみたいにぐるぐる回るようになった。
ケンカに発展しない程度のじゃれあいもよくする。
餌のときなんかはくっついても全然気にならないようだった。

もしかしたらこの子達の先天的な性格を、私がわかってなかっただけなのかもしれない。

チビは物心ついたときからひとりだった。他の猫との関わりを知る機会がなかった。
マスオは4年キャリーに閉じ込められていた。他の猫との触れ合い方を忘れてしまうには十分の期間だと思う。
マスオは飼い主にもべったりの甘えん坊だ。
野良猫時代は他の猫とも仲良くできるタイプだったんじゃないだろうか。

そんな風に期待しながら、夏が過ぎ、秋が来た。
そして真冬並みの気温になった、今日の夕方。

「おかあさん、チビとマスオがくっついて寝てる!」

娘の声にかけよってみると、

おしりとおしりを少しくっつけた、2匹の猫。

とてもかわいい。
でもそうかぁ。寒くてもこんなもんかぁ。

猫団子への道はなかなか遠い。
でも少しずつ確実に2匹の距離は縮まっていると思う。

2匹の猫団子が見れる日を、腸内細菌に期待……





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