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ライターだけは5年間一度も「やめよう」って思わずに済んだ理由

自他ともに認める、飽きっぽい人間である。
大学時代にいろんなバイトをしたが、1年以上続けたものは0。
博士課程に進むと豪語して院に進んだが、本当に優秀な研究者たちと出会って日和り、就活をするもジャンルがころころ変わり、かろうじて取れた内定も結局蹴って夫と結婚した。
夫と結婚したときやってた薬局事務のパートはずるずると2年間続けたが
「赤ちゃん生まれても帰っておいでよ」という社長さんの有難い申し出はあっさり断った。

そんな私が、ライター業を5年も続けてるって結構すごいことだ。
習い事も趣味も含めても、5年同じ熱量を保てているものはない。
ライター業への情熱はというと、5年経った今も同じ熱量を保つどころか
メラメラと日々勢いを増して燃え盛っている。すごい。

でももっとずっと続けたいので、改めて私が5年もライターの仕事を続けられた理由を考えてみようと思う。


①最初から「稼ぐ」を目標にしなかった

私は、息子が1歳のときにライターを始めた。
もともと私は「子どもたちが全員小学生になったらパートに出る」というライフプランをたてていたのだけれど、持病を持って生まれた息子があまりにも病気がちで、とても外に働きにでるなんて想像ができなかった。
とはいえ、在宅で稼げるスキルなんて当然持ち合わせていなかったので、相当な準備期間がいるな、と思った。ただ、稼ぐ算段もつかないうちから先行投資する勇気もなかったから低単価の仕事をいきなり始めてやりながら学んでいくことにした。
そんなわけで私は、息子が小学生に上がる6歳までの5年間で、
パートしてた頃の同じくらいのお金(月5~6万)を稼げるようになる
という低い低い目標からスタートしたのである。
自分の生活も大事にしながらしっかり稼ぐキラキラフリーランスママなんて最初から目指してもいなかった。
ちなみにこの低い目標はライターを始めて半年くらいで達成したのだけれど
「まだ準備期間」という気持ちがあったので、収入を考えず
より短時間で稼ぐ、とか、よりネームバリューを上げるとかいう方向に舵を切ることができた。
もし「稼ぐ」が目的だったら、私はいろんな仕事にしがみついてしまって成長できなかっただろう。
最初の(金額的な)目標達成の時点では自分をすり減らして仕事をしていたので、早々にやめてしまっていたかもしれない。

②小さい目標を段階的に立てた

こないだこんな投稿をした。一段だけでも「登っていく」感覚があると人はやる気がでるものらしい。

詳しくはここに書いたが、「具体的な目標を掲げ段階的に引き上げていく」ことで、タスクに対する集中力が長く持続できるという論文がある。
この論文がでる前からスモールステップで物事を進めていくと良いというのは自己啓発本なんかでよく言われていることだが、この論文の新規性はそのスモールステップの目標の定め方を書いたことだ。
つまり、『具体的』かつ『(その時点では)簡単にできる』目標を『段階的に』引き上げていくという点が大事。
振り返ると私のライター業への目標の定め方はまさにこれなのである。

1.何でもいいから文章を書いてお金を得る
→楽天Roomや低単価案件で月1万くらい稼ぐ
2.名前を出す記事を書く
→記事冒頭で「ライターの○○です!」と名乗らせてもらう
3.何でもいいから記名記事を書く
→2を引っ提げて同ジャンルの記名記事の仕事をとる
4.得意なジャンルで書く
→記名記事で書いているところで書きたいジャンルに近い記事を企画執筆
5.得意なジャンルを専門メディアで書く
→4を引っ提げて書きたいジャンルの専門メディアに打診

もちろん最初からこんな細かいキャリアプランを立ててたわけじゃない。
ただ新しい仕事は1つでも新しい何かを得られることというのだけ決めて進んでいった。新しい何か、というのは収入の増加だけじゃなく、スキルやネームバリューも。なんせ前述の通り私は「準備期間」であるので、一つでも「できます!」と言えるスキルや「ここで書きました!」という実績を増やしておく必要があった。
ライティング以外も比較的ひょいひょい引き受けて「KW選定」「記事の企画立案」「他の人の記事のチェック」「ワードプレス入稿」「先方とのMTG、提案」「執筆のスケジュールを立てる」「取材」「写真撮影」などの経験を身につけて
書けるジャンルも最初書いてた「生活」から「節約」「レシピ」「育児」「医療」「科学」「動物」とどんどん広がっていった。
正直、ライティングの業界で多分収入だけを軸としてずっと「駆け上がっていく」のは無理だと思う。
収入というのは、つまりクライアントの予算であり、私たちライターの仕事ぶりとは全く関係ない要素もたくさん絡んでいるからだ。
だから収入だけでなくスキルや書けるジャンル、書く場所などを総合的に評価して、自分なりにライターのレベルを上げていくしかない。
私がライターを始めて一度も「落ちていく」感覚に陥ったことがないのは
いろいろ総合的に考えて「停滞」してると思った時点でその仕事を手放し、
次の仕事を探しに行くからだ。

③リソースを1/3空けておいた

はじめに言っておくがこれは「最初から」はできなかった。
最初は仕事がとにかく楽しくて眠る時間とかも平気で削ってしまってたし
リソースはパンパンになってしまって家族に迷惑をかけたことも
1回だけある。
そのときの失敗の痛みがあるから、今、リソースを空けられている。

フリーランスにとって、リソースを空けておくのは、
リソースに空きがあるのに仕事を断るのは、本当に怖い。

でもやっぱりここでも「準備期間」だったことが活きた。
家族に迷惑をかけず、楽しい仕事をして、そこそこ稼ぎ続ける
というとこに向けての「準備期間」である。だから最初から家族を犠牲に
したり、体を壊したり、楽しめない仕事のペースを前提にしてはいけない。
週休二日は絶対死守。基本的に子どもがいるときは仕事しない。
このスタンスを守ってきたから、自分の体にも無理なく仕事を続けられたと思う。

「稼ぐ」は二の次だけどお金は大事

ここまで読んで、そこまで「収入」を重要視しなかったら
誰でも続けられるよ、って思った人もいたかもしれない。
でも私の「楽しく仕事をする」には、「自分に見合う収入をもらう」も含まれている。
だから、私の仕事を軽んじるような価格の仕事は断ってきたし
どうしてもやりたい内容で価格が安ければいっそタダでやる。
(タダでやったら恩が売れる。無論、恩をないがしろにしないとわかった相手にだけ使える手だけど、後々大きな仕事の芽になることが多い。)
結果的に、今ちょうど私は「準備期間」を終えて少し経つけど
概ねライフプランで予定していた2~4倍くらいの月収は稼いでいる。
たぶん「収入」は二の次で考えて、経験をステップアップさせていけば
勝手に収入はついてくるものだ。

以上、今すぐどかっと稼ぎたい人にはあんまり参考にならないかもしれないけど、長い目でライターを続けていきたいなら頭の片隅においておくといいんじゃないかなと思うことを書きだしてみました。
ご参考まで。

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