宇佐川 龍之介

“What's the roast level?”

宇佐川 龍之介

“What's the roast level?”

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vol.0 抽出傾向

【成分移動の特徴】 ・酸味成分の移動は早いため湯温、時間、挽き目の影響をあまり受けず、短時間で抽出しきる。 ・苦味成分の移動は早いものと遅いものがあるが遅いものほど渋みを伴い重たい口当たりになり、遅いもの湯温、時間、挽き目の影響を受けやすい。 【粉から液体への成分移動量】 ・抽出温度が上がるほど成分移動量は増加する。 ・抽出時間が上がるほど成分移動量は増加する。 ・挽き目が細かくなるほど成分移動量が増加する。 ・撹拌が大きいほど成分移動量が増加する。 【粉から液体への成分

    • vol.7 WDTの効果

      WDT(ワイス・ディストリビューション・テクニック)は2005年にジョン・ワイス氏によって発案された手法です。 これまで主にエスプレッソ抽出時に用いられるテクニックと考えられていました(細かく挽くほど静電気が発生しやすく粉同士が引っ付くため)が、ドリップにも応用出来る技術として今後目にする機会が増えるのではないかと考えられます。 ディストリビューション(分配の意)とは、細い針を用いてグラインド後のコーヒー粉の主に静電気によるダマを崩すことでチャネリング(お湯がコーヒー粉の

      • vol.6 RDTの効果

        ロス・ドロップレット・テクニック(Ross Droplet Technique)は、David Rossさんが考案された一滴の水を豆に落としてから挽くというテクニックです。水滴を落とすと言いましたが、実際には霧吹きを使用して吹きかけています。RDTにより得られる効果を考えていきたいと思います。 早速ですが、RDTを行うことで、豆を挽く際の静電気が抑えられ、粉の飛散とグラインダー内への付着を防ぐ、静電気により粉がダマになるのを防ぐことが出来ると考えます。 飛散、付着による影

        • vol.5 蒸らしの湯量

          何のために蒸らすのか →効率的に抽出できる環境を作るためとすると… 適切な湯量は →粉量の2倍の湯を吸うことが出来るとされているが挽き目によっても異なる 蒸らし中サーバーに落ちてもいいのか →抽出に適した環境を作る目的であるとするならばここで落ちてしまうコーヒー液落ちなかった場合と比べて出来上がり量の液体を薄くする可能性がある 結論 粉全体を蒸らすために粉の2倍の湯量で全体に満遍なく注ぎ(ドリッパー、ペーパーの形状によっては中心部に多く注ぐ)、蒸らし中のサーバーへの抽出は少

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          vol.4 粒度と抽出収率

          0.5mmを超える粒度ではどんなに長くお湯に浸けても成分を19%くらいまでしか引き出せない 逆に0.25mmくらいまで細かくすれば前半の30秒くらいで23-24%引き出せる(理論上30%以上は引き出せない) 細かく挽いて素早く抽出すること!攪拌なし、長時間抽出なしによってネガティブな成分を出さずに抽出を終えられるのでいいフレーバーだけ得られるんじゃない? この時の早く落とす為にシバリストみたいな高速透過ペーパーが役立つわけだ!

          vol.4 粒度と抽出収率

          vol.3 コーヒーを平す

          ドリップ前にコーヒー粉を平すこと。 どうやったら確実に全部の粉にお湯をかけて蒸らすことができるか。 当たり前を少し深く考える。 平すことでコーヒー粉と粉の間の空間をなくす(空気を抜く)ことで水の通り抜けを防ぐ(チャネリング防止)効果がある。 チャネリングが減ることでコーヒー粉の層の中でお湯が停滞する時間が延びるので粉全体をしっかりと蒸らすことができる。 ちなみにコーヒー粉がお湯を吸える量は粉量の2倍と言われている。つまり15gの粉には30gのお湯が吸水される。 コーヒ

          vol.3 コーヒーを平す

          vol.2 香気成分の揮発

          近年、抽出した液体からの香気成分の揮発に着目するバリスタが増えていますね。 2022年9月に発表されたparagon(パラゴン)。 ステンレスのアイスボールに液体を当てて抽出を行うことで液体を急速冷却し香気成分を閉じ込めるというありそうでなかった発想。 --- さらには、ドリッパーの底面からサーバーの底面の高さに注目するバリスタもいます。 ドリッパーから落ちた液体がサーバーに落ちる瞬間に飛沫が起こることで香気成分が揮発するというのです。(ここまで来るとかなりの変態で

          vol.2 香気成分の揮発

          vol.1 コーヒー新時代

          コーヒー業界はどんどんミニマル化している 小さいロットで買い付け、少量を焙煎して、鮮度にこだわり一杯ずつ丁寧に抽出する。 何年も前から言われていた事だが、最近になってその流れを強く感じる。 使う道具も家庭用と業務用の境目がなくなってきた。抽出技術についても一般に広く公開され、誰でも美味しいコーヒーが淹れられるようになった。(もしかすると、大手チェーンのバリスタよりも一部のホームバリスタの方がレベルが高いのではないか?) 当然、注目の的はバリスタからロースターへと移り変わ

          vol.1 コーヒー新時代