見出し画像

vol.7 WDTの効果

WDT(ワイス・ディストリビューション・テクニック)は2005年にジョン・ワイス氏によって発案された手法です。

これまで主にエスプレッソ抽出時に用いられるテクニックと考えられていました(細かく挽くほど静電気が発生しやすく粉同士が引っ付くため)が、ドリップにも応用出来る技術として今後目にする機会が増えるのではないかと考えられます。

ディストリビューション(分配の意)とは、細い針を用いてグラインド後のコーヒー粉の主に静電気によるダマを崩すことでチャネリング(お湯がコーヒー粉の隙間を通って不十分な状態で透過すること)を防ぐことを言います。これにより未抽出を防ぎ、コーヒーを安定したクオリティに仕上げることが出来るとされています。

正しくディストリビューションが行えているかについては、味わいの変化はもちろんですが、抽出速度をみることで確認できます。効果的にディストリビューションが行えている場合には粉全体にお湯が行き届くことで、お湯が多く粉に留まり、蒸らしの段階からサーバーに落ちる湯量が少なく、1投目以降の抽出時間も遅くなります。これがチャネリングを防止できている証拠となります。

実際に味わいへの影響はどうかというと、バランスが改善し甘さや余韻の長さを強く感じるといった印象でした。ただ、抽出速度が遅くなるため抽出時間が伸びる傾向にあり、粒度や湯温、注ぎ方等の調整が必要だと感じました。

補足)
粉のダマを減らす方法として以前紹介したRDT(ロス・ドロップレット・テクニック)や粉を容器に入れて振るといった方法も有効と考えます。

安いもので数百円から購入できるため誰でも簡単にできるテクニックですね!RDTのようグラインダー故障なんかの心配もありませんのでぜひお試しください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?