雨の奥[十二]


「その言葉を聞き、澄子さんと目を合わせた瞬間、私の目から涙が溢れ出しました。

あのときなんで泣いたのかは、自分のことなのに今でもわかりません。嬉しかったのか、不安だったのか、驚いたのか、情けなかったのか―。

うれし涙やくやし涙、なんて言葉がありますけど、本当に心が震えて涙が出るときって、その涙の種類を区別することなんかできないと思うんです。

澄子さんも私も、ただ涙腺を緩め、心の奥底の振動に合わせて、静かに涙を流し続けました。」



今ならあなたがよもやまサポーター第1号です!このご恩は忘れません…!