【国際女性デー】福井県鯖江市でSDGs推進、地域おこしに取り組む 川口サマンサさん
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3月8日は国際女性デー
皆さま国際女性デーはご存知でしょうか。3月8日は国際社会が一丸となって、女性に対する差別や不平等、偏見をなくすことを目指す日です。この日は多くの国々で記念行事が行われます。
国際女性デーといえば…?
福井県鯖江市でSDGs推進、ジェンダー平等の活動を行っている「川口サマンサ」さんに、今回はお話を伺いました。
この記事では、いま注目したい、多様な女性の生き様に女性執行役員 藤井が本音で迫ります。本音で生き様・生き方について迫り、新たな考えを知るきっかけを提供したいと思います。
今回の案内人
2024/3/8の記事です。
この道を選んだ生き様にフォーカス!
小学生:ゲームで日本に憧れを抱く
川口さんはカナダのご出身。
人口3万人ほどの自然豊かな田舎町で育ちました。
川口さん:幼いころからゲームが好きでした。物心がついた頃に、日本がこの作品を作っていることに気が付いて「私の大好物を作っている国って、どんなところなんだろう?」と気になりました。日本を調べてみると、ゲームだけでなく、自国とは全く違う歴史や文化を魅力的に感じました。そんな憧れを持ち続け、できれば住んでみたいと小学生の頃から思っていました。
ーー好きな作品はありますか?
川口さん:NINTENDO64の『がんばれゴエモン』ってわかりますか?日本らしい音楽や風景がゲーム内で多く出てきます。その中で富士山に登るシーンがあり、小学生の頃は「大人なったら富士山の上に住みます」と作文を提出するくらい、この作品と日本が好きでした。
18歳:周りが進学する中、故郷カナダから東京へ大冒険
川口さん:高校を卒業してすぐに日本(東京)に来ました。カナダでは卒業後大学または就職、ギャップイヤーをとる人が多い中、最初から日本へ移住を決めていたのは私ぐらいでした。自分のお金で日本に行くことを決めていたので、高校3年生にはアルバイトをして貯金をしていました。
ーー18歳で故郷を出ると決断した時には、周りから言われたことや、川口さんの中での葛藤はありましたか?
川口さん:
周りの友達には、ずっと日本に移住すると言ってあったので「本当にやるんだね。いいじゃん」という反応でした。
親からは心配されましたね。ちょうど東日本大震災の数ヶ月後だったので「このタイミングで行くのはやめた方がいいんじゃない」「もしどうしても行くっていうなら、東京じゃなくてもっと西の方に行けば」とか。私は反対されようが、行くことは決めていたので「みんなで仲良くお別れするか、絶縁寸前状況で別れるか。あなたたち次第ですよ」と伝えて、親も納得をしてくれました。
川口さん:また、高校生の頃から社会問題・人類平等に関心があり、男女の格差や社会の不平等に気づくようになりました。居ても立ってもいられない、もどかしい思いがありました。
ーー東京に決めた理由
川口さん:都市に昔から憧れていました。私の故郷は少し田舎で、少し行けばトロントというカナダで一番栄えている都があるんですよ。東京はトロントの何倍も大きい。どうせ日本に行くなら日本一の場所!と思い東京に行くことを決断しました。
最初はワーキングホリデーとして仕事をしていましたが、親から学校に行くように勧められていたので学校にも一度通いました。
20歳:知人の紹介で国連の友 Asia-Pacificへ
川口さん:10年近く東京に住んでいて、ご縁があり、国連の友 Asia-PacificというNPO法人に関わることになりました。国連の友と出会って、社会問題に感じていたモヤモヤに対して、どのような活動をすべきなのか自覚をしました。
国連の友 Asia-Pacificとは
川口さん:活動内容は様々です。東京ガールズコレクション(TGC)と連携して国連ステージでSDGsをPRしたり。また東日本の震災地で岩手県の仮設の住宅に行き、住民の心のケアに繋がる活動をするなどがありました。
27歳:鯖江への移住、今しかない
川口さん:鯖江市の取り組みが評価されて、2020年9月にめがね会館の最上階に新設された「さばえSDGs推進センター」が開設されることになり、オープンに合わせて、地域おこし協力隊として移住をしました。
実は、国連の友と鯖江市が連携協定を結んでいて、その活動を通じて鯖江市を知りました。地方都市の取り組む前向きな姿勢が、自分に合いそうで素敵だと思い、現地で何かできたらという思いを持つようになったんです。
鯖江の地域おこし協力隊としてお声かけいただいたのは、ちょうどコロナが流行り出した頃でした。東京は正直怖いと思っていましたし、鯖江には良い印象を持っていたので、今飛び込むしかないと!まさか、そんなきっかけが来るとは思っていませんでしたね。
パートナーも即答で「行くしかないでしょ、絶対後悔するよ」と後押しをしてくれて、一緒に鯖江に移住をしました。
ーー現地で取り組まれたことはありますか?
川口さん:SDGs推進センターに行くことは分かっていたけど、具体的にどのような仕事になるのか、全く想像できませんでした。最初の1年は全然慣れないので、アドバイスもらったり。 今では自由にやりたいことを、やりたいようにさせてもらっています。
ある時、人前で喋る機会をいただきました。自分のことを人前で喋るのは苦手だと思っていましたが、やってみると意外に楽しくて。県外からも依頼が来るようになり、講師活動の取り組みを継続して行っています。
また元々イラストを描くことやデザインが得意で、SDGsをPRするためにデザインをしてみたところ、周りから嬉しい言葉をいただきました。それから本格的にデザインの勉強を始め、現在はグラフィックデザイナーとしても活動しています。
できると思っていなかったことも周りのサポートがあったおかげで、手探りながらも、徐々にできるようになっていきました。
センターを拠点に多様な人たちと繋がることが、めちゃめちゃ面白くて。地方都市では人の繋がりやネットワークが大事だと思うようになりました。
31歳:起業に向けて準備中
川口さん:私は鯖江市から地域おこし協力隊という形で業務委託を受けています。毎日9時-17時でSDGs推進センターに常駐しているのではなく、決まりの中であれば、比較的自由に働くことができます。
地域おこし協力隊は任期があり、2025年の4月で終わりなんです。今は個人として活動をしていますが、起業をして会社をつくり業務の幅を広げていきたいです。
拠点は鯖江。やることは変わらずさらに拡大する予定です。要望があればどこへでも!福井県内や鯖江市内の繋がりだけじゃなく、他府県とのつながりなどをつくり、お互いウィンウィンになるような関係を作っていきたいですね。
ーー起業を考えられたのは、なぜでしょうか?
川口さん:理由は大きく2点あります。
1つ目は、今の働き方を知ってしまった後では、雇われ社員は無理だと思ったこと。
2つ目は、個人だと良くも悪くも、軽く見られる部分があるんですよね。形だけでも、会社があるかないかで相手の接し方が変わります。
ーー実は私は接する方が年上の方が多いので、年下、女性であることで、軽く見られることも少なくないと感じています。会社の社長で男性の場合、同じ態度を取らないのではと思うんです。
川口さん:私も外国人ということもあり名字で呼ばれることは、まずありません。大体初対面から呼び捨てで「サマンサ」みたいな。女性であることで、そういった態度を取られることも正直なところ、多いと思いますよ。
1人でも理解ある方が周りにいると助かりますね。一歩外に出てみると、まだ理解が進んでいない方もいて「これが基準だった」と思い出すこともあります。
読んでいるあなたへ
なんでもやれ
川口さん:やりたいことがあれば、まずやってみて!ダメだったらやめればいいだけ、別のことやればいい。やりたいことと実際やってることが違うってモヤモヤしているなら、生活があるのでなかなか全部捨てるのは難しいと思います。でも、やりたいことをやろうよ。いつ何があるかわからないので、タイミングはすごく大事だと思います。これいいなって思ったらすぐ行動するのが、いいんじゃないでしょうか。
感覚としては軽いかもしれないんですが、髪の毛と同じぐらいで考えてるんですよ。やってみてダメだったら切ればいい。また伸ばせばいい。似合わなかったら髪型を変えればいい。なんなら丸坊主にして帽子かぶったらいい。
あとは、ちゃんと休もう。日本に来て抱いた印象はとにかく働き者であること…。働いて今のうちに汗をかけという人もいると思いますが、休まないと自分を追い込むだけなので、休める時に休んで自分だけの時間を作ったり、リフレッシュやセルフケアも大事にした方がいいです。
例えば私はバリバリ働くタイプだけど、昼寝はめっちゃしますよ。働く時間がバラバラのため、早く起きて早朝から仕事を始める時もあれば、夜遅くまですることもあれば、お昼ご飯食べてちょっと眠くなったら、猫たちを近くに寄せて、ちょっと昼寝をすることも。
自分を制御することができる人とできない人がいますね。だらけてしまう人は、規制がある中で動いた方がいいかもしれない。
手段よりは結果だと思っています
川口さん:昼寝をしてるけどめっちゃ実績や結果を残してる人と、 今日2時間しか寝てないと言ってるけど、全く仕事ができてないと思う人、どっちがいいか明白ですよね。
ーー私たちの働き方への考え方と同じですね!私たちは、働く時間も場所も決めていません。それぞれ自立した人が集まると、ルールも作らなくていいし、自由。そんな人達が集まれる場所づくりのために株式会社イザンは設立されました。
川口さん:コーヒー飲みながら、おやつ食べながら仕事してもいいと思いますし、結果が出しやすいんだったら、それでいいですよね。その人にとっての快適な環境があると思うので。
なるべく自分にとっていい環境で仕事ができるようにすることで、仕事を続けていくことや、別の仕事に繋がるなど好循環に繋がると思っています。一番自分を理解しているのは自分だから、自分で環境を整えていくのが大切ですね。
さばえ国際女性月間2024
ーー川口さんが企画から運営に関わっていらっしゃる、イベントについて教えて下さい!
川口さん:2024年はデー(DAY)で終わらせず、3月を「国際女性月間」として開催します。国際女性デー公式のテーマがあり、今年のテーマは「#Inspire Inclusion(インクルージョンを促進しよう)」。鯖江市のSDGsシンボル「グローカル」は世界的な視野を持ち、地域で行動するという意味が込められています。その理念に合わせて、グローバルとローカルの2本柱を中心にイベントを実施します。
県内に住んでいる国際的なルーツを持つ女性たちに協力してもらい、多様性やLGBTQ+関連のイベントはもちろん、グローバルなイベントも多数行います。
オレンジめがねキャンペーン
PR動画に株式会社イザンの名前も…👀??ぜひご覧ください!
(イザンは、さばえSDGsグローカルクラブにも加盟しております)
編集後記
川口さんとは国連主催のイベント「IGF(インターネット・ガバナンス・フォーラム)」で出会いました。後日、鯖江市内を実際にご案内いただいた時には、川口さんが地元の人々と交流する姿が印象的でした。普段の市民の方々との密なコミュニケーションの賜物だと感じます。
そして起業の発表はびっくりでしたね・・・!働き方も生き方も、自分らしくデザインをされている、川口さんの今後のご活躍が大変楽しみです。
【オハイアリイ〜自分らしさ〜】
インタビュアーについて
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