「浄化の滝」

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"Isolation" Day  9  @和歌山那智の滝

 今日はいろいろありすぎて疲れ切ってしまい、何も書く気になれない感じだけれども、とりあえず書きます。


 昨日は夕方、雨が小振りになったのを見計らって那智の滝に向かった。予想通り、水量は豊富で、しかも靄が出ていて艶があっていい感じだった。

 
 御神体である滝のすぐ近くに行き、水飛沫だか雨だかでびしょ濡れになりながら写真を撮っていたら、段々と滝の中に仏像が見え始めた。しかも滝の轟音にまぎれて、話し声が聞こえて来る。周りを見渡しても、こんな雨の日に滝を見に来る人がいるはずもなく、いるのは僕だけであり、あるのは滝だけである。御神体に向き合いながら独りで写真を撮る時間は、まるで祈りのようだと思った。


 それにしても、これほど美しい滝は見たことがない。
これまで、世界各地でいろんな滝を見てきたけれど、この日見た那智の滝が一番美しかった。


 美しいものを見たせいか、妙なテンションになってしまい、その後、雨が降るなか、あちこち歩き回り、日が暮れて暗くなるまで歩き続けた。


 そして今日の早朝、もう一度、那智に向かった。昨日の雨は消え去り、空は快晴。今度は滝にすぐ向かわずに手前の古道を歩くことにした。

 立ち並ぶ檜の合間から木漏れ日が差し込み、石畳の道の上でゆらゆらと光が波打っていた。空気は澄み、小鳥のさえずりが聞こえる。

 ふと気配を感じて振り返ると、そこには樹齢800年の巨木が真正面に立ち、朝日を浴びて輝いていた。カメラを構えてファインダーを覗くと、その木の姿が、昨日見た滝に重なった。


 なんと言えば良いのかわからないけれど、滝や雨に打たれているうちに、心の澱が洗いながされてしまったようで、今日の朝は見るものすべてが輝いて見えた。


 しかし、その後、いろいろあって心が不安定になり、いまはもうなんだか疲れ切ってしまった感じである。

 なので、寝ます。

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