「雨の日の言い訳。」

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“Isolation” Day 7
@三重県熊野

 Isolationの旅に出て、一週間が過ぎた。まだ山梨県と奈良の一部、そして三重の一部しか見てないけれど、毎日、新鮮な驚きがあり、多くの気付きがある。

  いま、このままこうやって旅の様子を公開して行くことに関して、どうしようかと考えている。もちろん、コロナの影響が理由である。


 僕自身、撮影の仕事の大半は海外であり、また家族がクック諸島に暮らしているということもあり、大半の日本の人が意識するよりかなり早い段階からコロナに対して情報を集め、高い意識を持ち続けてきた。
 
 始めの頃は情報に翻弄され、その流れの中で息苦しく溺れていたと言える。仕事はひとつ、またひとつとなくなっていくし、家族に会いに行くための手段もどんどん失われていく。結局、仕事はすべてキャンセルとなり、クック諸島は国境封鎖状態となり、家族に会いに行くことさえもできなくなった。

 その過程で、膨大な負の情報に翻弄され、何か希望となるものはないかと探したけれども、結局、見つけることができなかった。人は世界のあちこちで恐れ、罵り、怒っている。社会は分断され、孤立していく。そんな情報ばかり。
 
 僕はウィルスそのものよりも、その状況に呑み込まれ、夜は眠れずに睡眠薬を飲み、ストレスで胃腸を壊し、自律神経の乱れから動悸や頭痛もあった。

 しかし、生活の基盤となるものを失ってそれを受け入れたとき、嘆くばかりではなく、これを機に何か新しいことをしてみようと、前向きの気持ちに切り替えることができた。

 そういう過程を経て僕はこの旅に出ることにした。そして、その様子をSNSで毎日、極力いい写真とともに配信をすることにした。
 なぜなら、受け取る側の人たちがこの状況下で一息ついて休憩するなり、溺れないための浮き輪代わりになればなと思っているからである。それは何より、僕がこの一ヶ月ほどずっと求めていたものである。


 もちろん、いまの日本における状況は理解している。そのため、旅をする上で、これ以上なく気をつけている。自身が感染しないためにと、もし僕がキャリアーだった場合に人に感染させないために(最後に人に会って話したのはもう2週間前なので、僕が感染しているということはまずないとは思うが)できることはすべてしている。

 おそらく、政府や自治体のガイドラインよりも厳しい条件を自分の中で課して実践していると思う。なので、この旅は続けるつもりである。もちろん、状況の変化によってはやめることも考えている。


 そして、旅の様子をSNSにアップするかどうか、ということに関してだけれども、今日一日考えたけれども、とりあえずもう一週間だけ、発信し続けてみようかと思う。自分勝手だと思われることもあるかもしれないけれど、こんな状況下でもどこかに心の豊かさを感じる瞬間があって欲しいと思うからである。

 言い訳ばかりの面白くない文章になってしまい、ごめんなさい。

 旅は、続きます。

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