「晴れでも、曇でも、雪でも、雨でも。」

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"Isolation" Day 10
@奈良県・吉野

 朝目覚めたら、車の窓が凍ってた。気温計を見るとマイナス2度。毎日4時半頃に起きているために、目覚ましなしでも夜明け前に目が覚める。

 真っ暗な中、車を走らせる。あたりは吉野山に育つ何千本もの桜の木があるはずなのに、まったく何も見えない。徐々に明るくなり始めると、闇のなかに淡い輪郭が浮かびあがってくる。

 その輪郭は幾重にも重なり合う桜の花びらなのだが、この暗闇から浮かび上がってくる瞬間の桜の花びらを見るのが好きである。しかし、寒い。

 太陽が東の山の稜線から顔を覗かせると、それまで紫色に見えていた花びらは、急激にピンクへと移り変わり、やがて白くなっていく。

 桜は夜明け前でも、朝日でも、真っ昼間の光でも、似合う。そして、晴れでも、曇でも、雪でも、雨でも良い。不思議な木である。


 それにしても、この10日間、何も決めずにふらふらと気の赴くままに動き回っているだけなのに、毎日新鮮な驚きがある。日本の自然というのは、無数の表情があり、それが刻々と変化していく。写真を撮るもの、旅をするものは、それらの流れの中に漂っているようなものである。

 と、ここまで書いてみたけれど、オチみたいなものが思い浮かばず、そして、究極に眠いので、ここで終わります。

 おやすみなさい。

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