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目指すは能動的ボール拾い。PM(プロダクトマネージャー)はゴール下の番人たれ

こんにちは。ツクルバの中村です。

ツクルバでは先日、「ウルカモ」という売り出し前中古不動産のマッチングプラットフォームとして、多くの人が経験がなく漠然とした不安をいただく不動産売却を「簡単手軽なUI/UXで、ダイレクトで透明な情報流通」でポジティブな体験を目指すサービスをリリースしました。私は、ウルカモのプロダクトマネージャーをやっております。

ウルカモのPMとして過ごして約4ヵ月が経過しました。これは私が人生で初めて書くnoteになります。(ちなみに、自己紹介で詳細を書いていますが、中村は自身のキャリアの中で、今までPMの経験をしたことはありませんでした。)

さて、この記事にたどり着いたということは、少しでもPMという仕事について知っている方、あるいは、興味のある方だと思います。もしくは、スタートアップに参画して0→1のプロダクトに携わってみたい方ではないでしょうか。そしてこのnoteは何かというと、ウルカモのPMとして経験したこと、苦労したこと、私が思うPMとは何なのか、今後目指している姿を正直に綴ったものです。(このnoteを読んでウルカモやツクルバに興味を持ってくれる方が増えたり、既にPMの方や、今PMを目指している方にとって何かしらプラスになれば幸いです)

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まずは自己紹介

遅れましたが、私自身について簡単に書かせて頂きます。東京都出身の31歳で、キャリア的には大手検索エンジンを運営する企業に新卒入社しPayPayの立ち上げに携わり、その後外資系コンサルティングファームで主に大手インフラ企業や官公庁への新規事業戦略の立案や調査・分析業務を行っていました。はい、かなりビジネス畑よりのバックグラウンドです。

弊社の黒田と同じように「海外行ってみたいな~」とか「事業戦略とかやってみたいな~」というフワフワイズムで動いていたら、いわゆるゼネラリストとなっていました。

▼黒田の執筆したnoteはこちら

ツクルバへの転職も、根底には考え抜いた戦略を自分の手で実際にドライブしてみたいという思いはありましたが、漠然と「スタートアップで0→1経験したい」とか「不動産スキ(親戚が事業をしている)だから良いな~」といった感情が大きかったように思えます。

ちなみに、タイトルを含めこの後の話の中でバスケットボール用語を用いた表現を各所でしています。実は私、本気で将来はプロになろうと思っていたほどバスケットと真剣に向き合っていました(けがで断念しましたが)。自分で言うのもなんですが、なかなかの有望株でした。ダンクもできました。言うまでもなく、バイブルはスラムダンクで好きなキャラは牧真一です(渋いでしょ)。

バスケの話をし始めるときりがなくなってしまうので、そろそろ本題へ。

PMの始まりは唐突に

9月直前にツクルバへ入社し1ヵ月が過ぎたころ、ウルカモの構想がスタートしました。「デザインスプリント」というサービス設計の手法(詳細は高松note)を使ったワークショップが終わり、この新規サービスにおいて自分がどういう形でバリューを発揮できるか悩んでいたころ、現在の私の上司でもある弊社のスーパーエンジニア門田から「中村、PMやってみる気はないか」とまるでスラムダンクのハル子さんのようなノリで提案を受けました。

ツクルバに入社して一つ目のプロジェクトで、プロダクト作りに携わる面白味を感じ始めていた私はPMとはどんな役割なのかよく理解していないけど、二つ返事で「やります!」と回答しました。(PMって響きなんかかっこいいという安易な気持ちも正直ありました)

PMのすごさを理解する

「PMとはなんぞや」という初心者レベルからスタートした私は、世の中のPM大先輩の情報を集めながら愕然としました。PMに必要なスキルを何一つ持ち合わせていないじゃないかと。。

PMに求められるスキルと自分のスキルレベルをen・japanの岡田さんというプロダクトマネージャーの方が考案したプロダクトマネージャー・スキルチャート・ヘクスと呼ばれる素晴らしいフレームに当てはめて説明したいと思います。

まずPM SkillChart HEX(ヘクス)とは、以下のように6角形のレーダーチャートで表現していて、各6個の頂点に対して、自分のスキルレベルを点数で表現することができる素晴らしい指標です。

出典:岡田さんnote

各スキル領域について、岡田さんは以下のように説明をしています。

プロジェクトマネジメント(Project Management)はプロダクトを開発、改善させて行く上で欠かせないプロジェクト推進の知識や能力、経験をさします。
開発(Dev.)はフロントエンド、バックエンド、インフラを含め自身で開発できるスキル、経験、知識の領域。
デザイン(Design)は、UI/UXの知識を含め、ワイヤーフレームを書く能力から実際に自分がデザインを作るスキルを指します。
グロース(Grwoth)は、プロダクトやサイトの運用に関する能力です。運用維持からKGI、KPIの立案含めたサイト戦略の立案までをカバーします。
ビジネス(Business)は、一般的なビジネススキルを含め、プレゼンテーションやファシリテーションなど、プロダクトをビジネスの視点からリードするためのスキル領域です。
業界知識(Domain Knowledge)は、業界固有の知識をいかに把握しているかです。プロダクトマネジャーはプロダクトを創る人であり、ビジネスを創る人でもあります。そのためには業界の知識や流行り廃りなどを把握しておく必要があります。

出典:岡田さんnote

プロダクトマネージャーは、これら6つの領域のスキルを伸ばし、兼ね備えることが必要とされていますが、自分のスキルレベルはこんな感じだと思います。(多くの方が、お前よくPMって言えるなって思うレベルだと思います)

ウルカモPMとしての経験と苦悩

PMのスキルが圧倒的に足りないと自負しつつも、PM業務を遂行しなければなりません。(だってリリースは待ってくれませんから)

ただ、最初から苦悩の連続だったかというとそうでもありませんでした。初期構想が終わり、サービスの具体設計フェーズに入り、主にBiz-dev, デザイン、開発のメンバーと各機能の要件を詰めていきながら、Asanaで上記に加えマーケやクリエイティブも含めた各領域の進捗をウォッチし、必要に応じて各メンバーと話して、毎週定例等で進捗状況を確認していました。

要件を詰めいていく過程でも、国内外の競合調査やユーザーインタビューを基にBiz-dev寄りの視点で「もっとここはこうしたほうがいいんじゃないか」、「AとBであればBの方がユーザーにささる可能性があるんじゃないか」とそれっぽいことは多少言えるが、デザイン&プロダクトの領域は全くわからないといった状況でした。

「最初はわからないのは当然、例えば、DBはこういった設計を予定しているからAの機能は実現できるけどBの機能はリリース時には難しい。Aの機能を実現するには開発作業としては●●が必要になる」といった開発やデザインの温かい言葉&サポートもあり、見習い的な立ち位置で毎日学びを得ながら何とかPMっぽくプロジェクトを推進していくことができました。(今思い返すと、ドリブル練習やミラーディフェンス等の基礎練習をひたすらやっている感覚)

そんな状況も11月後半に差し掛かり、本格的な開発フェーズに移行したころに状況は一変しました。とにかく日々の状況が目まぐるしく変わる。タスクが進むペースも半端じゃなく早いが、このフェーズに入って、設計フェーズで詰め切れていなかった要件が露わになったり、各領域から「こういう施策を考えているからこんなことをしたい」とか「このAの機能ってこう考えてたけど、やっぱりAとBの中間のC案にすべきじゃないか」といったリクエストや相談がどんどん飛んでくるようになりました。

ウルカモの開発に割り当てられた社内のエンジニアは1人(スーパーエンジニア門田)。プロジェクトフェーズ的にもPMサポートをしている余裕もありません。開発とかデザインとかまだまだ分からないことだらけだけど、とにかく自分が各領域と会話しながら要件を整理・詳細化して、優先順位を決めて開発に連携していかないと最悪空中分解するのではないかというプレッシャーを感じながら(現在PM職の方からすればそんなの当たり前だろと思うかもしれませんが)、「つべこべ言わず、もうやるしかない!」という気概で取り組みました。(このころは不安でよく眠れない日々が続きました)

もちろん最初から上手くいくはずもなく、「おーい中村、これどうなってんの?」とか「ちゃんと調整とか管理してよ」というコメントをよくもらっていました。

でも、スラムダンクの花道のようにこぼれ落ちるボールをリバウンドして、得点できる人(スーパーエンジニア門田)に繋いでいくということを必死に繰り返しているうちに、最初は私の不甲斐なさから直接開発に相談や要件確認の依頼が行っていたような内容のものも徐々に私に集まるようになりました。

必死に自分の役割を果たすことで、できることの幅が広がっていく成長の実感もありましたし、何よりこの短期間でチームの中で自分の居場所が作れたと感じることができたことが嬉しかったです。(人間追い込まれると成長しますね。レイアップくらいはできるようになったと思います)

リリースまでの終盤フェーズではテスト地獄でした。テスト設計も任され、1から作り上げましたし、このご時世にこんな話をしていいのかわかりませんが、開発とGoogle MeetやSlackのhuddleで画面共有しながら夜中から朝まで「ここがうまく動いていない、あーでもないこーでもない」といった議論を重ね、無事予定していた機能を揃えてウルカモをリリースすることができたときはさすがに泣きそうになりました。

私が考えるPMとは

PMは本当にやることが多いと思います。誰も気づいていない課題を見つけ、誰もやらないタスクを率先して取り、こぼれ落ちたボールを拾い続け(リバウンド王になるくらいの意気込みで)、誰もが理解できるアウトプットを多くの人を巻き込みながら出していかなければなりません。

ウルカモのPMを経験して感じたのは、プロダクトを作るときには、大きく分けてDesign、Tech、Businessの3つの立場が存在するということです。

Designというのはユーザーとの接点となるプロダクトの体験全体を設計し体現する領域。Techは文字通り技術的な立場で、DesignやBusinessがプロダクトを通して実現したいことを形にしていく。Businessはより市場に愛される(売れる)ためにサービスの方向性を考えつつ、事業上の目標や目的の達成に責任を負う立場だと思います。

いかにデザインが良くて技術力があっても愛されなければ(売れなければ)プロダクトとして良いものとは言えないでしょう。この3者が上手く噛み合うことでプロダクトはより成功に近づくと思います。

PMの仕事は、各分野のスペシャリストたちとともに、間に入って調整を行い、生み出したシナジーをプロダクトに落とし込んでいくことではないでしょうか。つまり、Design、Tech、Businessの3者のいずれでもなく、いずれでもあると思います。

今後目指す姿

PMを経験して特に強く思うことは、PM一人では何も生み出せないということ。デザイナーや開発などの各領域のプロフェッショナルとシナジーを創出し、市場で愛されるプロダクトに育てて初めて何者かになるんだと思います。

もちろん、PMの役割の一つである開発ディレクションスキルの向上、ロードマップの策定、データ分析などから発見した課題に対しての解決策となるプロダクトの企画など、PMに必要なスキルを身に着けて一人前と呼べるようになることもそうですが、「この人と一緒に仕事をしたい」とスキルだけでなく、人柄や信頼でチームをリードしていける。そんなPMになりたいと思っています。

最後に

長くなりましたが、私自身もウルカモも本当の勝負はこれからです。

ウルカモが一人でも多くのユーザーに使ってもらい愛されるためにも、今以上に頑張っていきたいと思います!

手軽で、楽しく、新しい不動産体験のできるサービスとしてすくすく育つよう、これからもアップデートをしていきますので、引き続きウルカモをよろしくお願いします!

また、まだウルカモを使ったことがない方は、是非一度ウルカモに訪れてみてください!

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