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オオカミと夏の海(きょうの本)

先日仕事でちょっと重たいものをもったらてきめん1週間くらい歩行困難になってるんですがこんなわたしでもいつか古本屋になれるんでしょうか。
いろんな意味でムジナ探偵と結婚したい、そんなおとしごろ。

ということで寝ついたり仕事したりしてるあいだに何冊か本を読みました。 

三田村信行『オオカミの時間』

三田村信行先生の作品、学生のころに読んで以来ずっとだいすきです。
シニカルでブラックで、でも厭世的ではなくて世界観がしっかりとしているから物語のなかで読者も息がしやすいというか。
今回のご本は短編集でした。
「白い少女」と「オオカミの時間」がとりわけ好きかな。
うん、どれも好き。
まだこどもの感覚が地続きにあった学生のころにはぴんとこなかったけど、じゅうぶん歳を重ねてから三田村先生の作品を読むと、ずっとぶれずにおなじ感覚(に見える)で児童文学を書き続けるのってほんとうにすごいことなんだなあとおもう。
これは三田村先生にかぎらないことでしょうが、いやはやしかし。
あとわたしは三田村先生の描かれる耐え忍ぶヒーローくらいかっこいい男性はいないとおもっている。
ウルフ探偵とか赤眉とか。
あとがきには「おそらく最後の短編集」と書かれているのがファンとしてはせつないです。お年のことがあるのでしょうか、でもでもたとえばきゃべたまも読んでるファンですが、三田村先生の高学年以上向けのノンシリーズ作品をこれからも読みたいなあと切望するものであります。
あとこちら佐々木マキさんとのお仕事が45年ぶりということでびっくりした。
『おとうさんかいっぱい』のインパクトがつよかったので三田村先生と佐々木先生はセットのイメージがありました。
いろいろとぼんやりしたイメージで生きている……。

あとこちらも読みました。

横山郁代『三島由紀夫の来た夏』

三島由紀夫が愛したというマドレーヌをつくられている洋菓子屋さんの方が書かれた、三島由紀夫の下田の思い出。
以前静岡に旅行にいったとき、太宰治がマダムの美貌を愛した洋菓子屋さんというところがガイドマップに載っていて、のぞいてみた際にその近くのお店にこちらのマドレーヌが置かれていてどちらも買って帰り。
どちらも美味しかった。
太宰と三島にまつわる洋菓子屋さんの、プレゼンの仕方がどちらもそれっぽくておもしろいなとおもいました。
そしてこれは好みの話になるのですが、三島由紀夫のマドレーヌまた食べたいなとおもって検索したらお店の通販サイトがあって、そちらにこの本が載っていて、これは読まねばとおもった次第。
読んでみたらすごくおもしろかった。
三島由紀夫が家族を大事にしていたこと、作家として編集者や研究者とどう関わっていたか、読者たちがあの自決をどう受け止めたか、下田の歴史と風俗、そして作者の方の前向きで素敵な半生が一冊の本に詰まっていました。三島作品の、地元の方でしかわからない読み解きとか、写真とか、下田で三島由紀夫が出会ったひとたちへのインタビューとか。
わたしは作家のまわりにいた作家ではないひとたちの彼ら彼女らにまつわる回顧録がすきで、読んでたりもするのですが、なかでもこちらのご本は丁寧なつくりだなあとおもいました。
おもしろかったです。
マドレーヌを買ったとき丁寧なお礼状まで入っていてすてきな方だなあとおもいました。
マドレーヌもレモンケーキもまた買います。

あとは漫画をぼちぼち。

小林有吾『アオアシ』
ともだちにすすめられて読んだらすごくおもしろかった。
サッカー漫画だいすき。
いま6巻まで読みました。
サッカーの魅力の5割くらいをGKに見出してるので今後GKの活躍を期待しています。

という読書日記でした。

つぎはネットで噂のあのSFを読みます。

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