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平凡な誕生日前日の話

誕生日を控えた日常すぎる前日。慣らし保育から帰宅し翌日からの復帰にソワソワしつつ、残された時間を息子とのんびり過ごしていた。

寝室でシーツを交換したあとのんびりしていると、私のお腹の上で息子は二度寝していた。
一年前、出産してすぐ真隣に寝ていたのに、点滴やら血圧計やら繋がれててまともに抱っこできなかったのがとてももどかしくて。それからすぐに大きい病院へ行くことになり、2週間は離れ離れだった。今思えばそんなに長い期間ではないけれど、お見舞いに行くたびにガラス越しの面会が苦しくて。出来るだけ悲しくならないように、考えないように、面会以外は身体を治す事に集中していた。

今は抱っこして、気持ちよさそうに寝ている。かわいい。頭を撫でると走馬灯のように、1年間の思い出が蘇った。私がんばった。がんばれたのはこの子のお陰。楽しかったから、がんばれた。
涙があふれた。
ありがとう、私を選んでくれて。
世知辛い社会でも窮屈な世間でも、変わらずに選んでくれて。
貴方の母親になれて幸せだよ、ありきたりすぎる言葉だけど。
貴方がこの世界で健やかに生きていけるように、これからもお手伝いさせてね。

どこにでもある平凡な一日を特別なものにしてくれて、ありがとう。

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