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人間関係の悩みと移住の体験

はじめに

地方都市から地方の田舎に移住してみて環境が変わった。これは、自然環境だけでなく、人間関係がリセットされて、自分に掛かる負荷がかなり減った。
人間関係は、かなり身体に負担が掛かると実感した。今回は、人間関係について考察してみた。

似たような性質

現代社会では、SNSなどにより、自分と似ている人と繋がりやすくなった。居心地の良いグループに属する一方、企業のサラリーマンなどは、サラリーマン同士で、呑みにいき、日頃の愚痴をこぼしながら、親睦を深めている。そうして日々のプレッシャーを軽減させているのだ。一方、経営者は、常に経営判断というプレッシャーのなか、他の経営者と、経営の相談をしたり、情報を交換したりしながら、企業の問題を解決している。

このように似た性質のものが集まろうとすることをホモフィリー(Homophily)と言う。具体的には、同じような属性や価値観を持つ人とつながろうとする人間の傾向のことである。

ホモフィリーとは、FBやTwitter などのソーシャル・ネットワークの基盤をなす考え方でもあります。要は、「人は、同じような属性を持った人とつながりやすい」という考え方。

企業内の人間関係

企業内では、社員たちのグループと経営者と幹部たちのグループに別れる。2つのグループの属性や価値観は違うけれど、利益があるためつながっている。属性や価値観に関係なくつながろうとする関係性のことを、ヘテロフィリー(Heterophily)という。

ヘテロフィリーとは、「ホモフィリー」が相手と何かしら「共通した価値観」でつながっている関係であるのに対し「利害」でつながっている関係ですある。

一般的には、組織や社会はヘテロフィリーの関係でつながっている、その上でホモフィリーの関係性が徐々に構築されていくのである。

ママ友の人間関係

一見、人間関係でホモフィリーかヘテロフィリーか見分けがつきにくい。例えば、ママ友である。子供同士が同じ幼稚園で仲良くなり、その影響で親同士がママ友になる。最初はホモフィリー的に似たもの同士の関係であるが、接するうちに、実は価値観や属性が違うと気づく。よくよく考えると、当番を任せられたり、幼稚園の役割を押し付けられたりとヘテロフィリーの関係であった。

ヘテロフィリーの関係を見極める

地方の田舎に移住してきて、人間関係がリセットされた。具体的には、自分の利益のために近づいてくるヘテロフィリーが減ったので、心身の負担も減ったのである。ヘテロフィリーの関係を見極めることが重要である。
これは、地域環境も関係してくる。温和な人の多い土地柄だと、ヘテロフィリーで近づく人も少ない。都会の競争の激しい土地だと、引越しをしても、元のヘテロフィリーの環境と変わりなく、同じような状態に陥ってしまう。またヘテロフィリーの関係でも利害が一致していれば、その関係性を維持しても構わない。

まとめ

人間関係は、同じ性質を持つ人々とのホモフィリー的な関係と、利益を求めて異なる性質の人々とつながるヘテロフィリー的な関係のバランスで成り立っている。移住して人間関係をリセットすることは可能だが、ただ利益を求めるヘテロフィリー的な移住ではうまくいかない。共通の価値観や楽しみを共有するホモフィリー的な関係が必要である。
多様化する人間関係を、ホモフィリーとヘテロフィリーの2つの関係だけで語るのは難しいけれど、その土地を好きということだけは、前提条件である。 

移住だけで無く、人間関係に悩んでいるひとは、自分の周囲にヘテロフィリーの人がいるか、または自分自身がヘテロフィリーになっていないかを見つめ直すことが大切だ。それにより自分にとって健康的な人間関係を築くヒントが見つかるはずである。

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