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自分の保ち方

在宅勤務が始まったのは、2月の中旬くらいで、早いことにもう2カ月が経った。在宅勤務でも、仕事量はいつもと変わらないし、たまには0時まで残業する日だってある。

だけれども、在宅勤務になってからは、圧倒的に、生活が整った。仕事以外の部分に、意識を向ける時間が増え、自分についても考えなおす時間が増えた。生活が整うことで、心の中で取っ散らかっていたイライラや雑念も、みるみるうちに消え、精神も整ったように思う。

こう考えると、どうも忙しさと、精神の落ち着きというのは、反比例の関係にあるようで、忙しい中精神を落ち着かせるというのは至難の業ということがわかる。もちろん忙しいというのは、単純な仕事量だけでなく、朝起きて身支度をし簡単に朝食を済ませて、最寄り駅まで歩き、電車に乗り込んで出勤し、MTG続きでPCの前で軽く昼ごはんを取りたまには愛想笑いをしつつ、くたくたになった中帰宅ラッシュの電車にのって帰路に着く…というそのルーティーンだけでも、どれだけ精神を乱すものであるのかが、在宅勤務により浮彫になる。

これでは、在宅勤務が解除され、普段通りの生活に戻ったら、また精神の乱れが生じてしまう。では、在宅勤務が解除された後もどうすれば、心の落ち着きを持続させることができるのだろうか。出勤、勤務、退勤のルーティーンだけでも何かと気を散らさずにはいられないわけで、その中で自分を見失わずにいるにはどうすればいいのか。

結局のところ、自分のプライベートの空間においては、なるべく全てを簡潔に、シンプルに生活するということに他ならない。プライベート空間で、気が散るものを目にすることで、ストレスをためるのはもったいない。プライベート空間はなるべく快適に。自分の好きなものに、
囲まれて生活をする。もちろん、必要な分だけを揃える。見栄や虚栄のための持ち物は、その存在だけで心を疲弊させるから、そういった物は持たず、自分が自分らしくいられて、自分であることを幸せだ、と思える真の価値あるものだけに囲まれていれば、心は自然と落ち着くはずだ。

そして、もう一つ。自分の時間を持つこと。5分でも10分でも良いから、自分の内部に意識を向けて、自分と対話をすること。メイクを落としながら、スキンケアをしながら、お花に水をあげながら、自分と対話をしてみる。きっと誰だって自分に対して嘘をつきたくはないから、対話をすることで自然と、自分の心に正直に、忠実に生きるようになるはずである。明日、自分と正直に話せるように、今日を生きよう、と。

外の世界に自分自身が引っ張られすぎないように。きちんと自分自身を保てるように。そのためには、外側に引っ張られた力を、内側に戻す必要がある。そのためにも、自分の内面を見つめる時間というのは、心のバランスを保つために重要なのである。

自粛要請がでて3週間が経とうとしていて、そろそろ家の中にいるのも苦痛になってくるころ。だけれども、せっかくの貴重な時間。シンプルな生活を思考錯誤してみたり、自分の内面との対話に時間をかけてみたり、よい習慣を身に着けてみたりすることで、「自粛明け」の生活が、ストレスレスになり、うまく元の生活に戻れる…いや元の生活以上のパフォーマンスを発揮できるようになるかもしれない。そういった意識で、私も残りの時を過ごしていきたいと思う。

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