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私たちが15年間もセックスレスだった理由

14年に渡るセックスレス。女性がセックスできなくなるのは、相手に心が閉じてしまっているからだと思っています。

私が夫に心が閉じた理由は、夫の理不尽な言動。
たとえば、手料理にケチをつける、理不尽なことで怒鳴る(「店員への敬語の使い方が間違っている」など)。

決定的に夫のことが嫌になった原因は、結婚して1年も経たない頃、私が化学流産した時の夫の態度でした。
化学流産とは、生理の遅れがきっかけで娠検査薬を試すと妊娠陽性反応が出ても、その後に生理がきてしまうことです。
夫によると、私はその時、ひどい生理痛のような状態で体調も悪く、メンタルもダメージをくらっていたらしいですが、自分ではよく覚えていません。

しかし、一つだけ覚えていることがあります。
化学流産が判明した時、夫は気にも留めない様子で、「また子ども、つくればいいんじゃない」と言ったのです。
私への労わりの言葉は一切なく。

夫を初めて軽蔑した瞬間でした。
「もうこの人を人生のパートナーとして愛することはない」と思ったのです。

ただ、この時もなぜか「離婚しよう」とは思いませんでした。
毒親育ちで機能不全家族の中で育った私は、「結婚生活に問題があるのは当たり前」と思っていたからです。
それに、夫婦としては機能していなくても、私たちはライトな友達関係としては上手くいっていました。
でも、今思えば、何よりも夫が私のことを好きでいてくれたから、なんとかやってこれたのだと思います。

最近この化学流産の話を初めて夫にしたところ、当時、夫は私をすごく心配してくれていたのだと明かしてくれました。
「セックスは2人でしているのに、私だけに負担をかけていることを申し訳なく思っていた」と。
すごく心配で、休んでほしい、早く元気になってほしいと思ってくれていたというのです…。
ただ、夫はそれを言葉や態度で表しませんでした。
だから私には伝わっていなく、むしろ私は何も言わない夫を軽蔑していたのです。

このことをきっかけに、私たちはセックスレスになっていきました。
もちろん夫からセックスに誘われることはあって、私も妻の義務として応じていましたが、どうしても私が濡れなくて無理。
潤滑剤を使ってみても、膣が広がらなくて、挿入できるような状態にはなりませんでした。
この経験から、女性は心でセックスしていると思うようになりました。

セックスレスのまま15年が経過。
その状況に耐えた夫はすごいと思いますが、私が形だけは応じているだけに、文句を言えなかったのかも知れません。
ちなみに、風俗や他所で発散もしていなかったらしいです。
その点については、夫を信じるしかないですね(笑)

セックスレスになって9年くらい経った頃、夫は「子どもがほしいので、不妊治療がしたい」と言い出しました。
もちろんこの時も、妻の義務として協力しました。
もともと、独身時代からそれほど子どもがほしいと思っていなかった私。
ただ、結婚前に夫には「子どもはゼロか1人でいい」と伝えたことがあります。
子ども1人をもつ可能性を口に出した手前、夫が子どもを望んでいるのに協力しないのは、契約に反するという思いがあったのです。

しかし、不妊治療の結果、夫の精子に元気がないということで、人工授精は不成立。
夫が「体外受精は、私の身体への負担が大きいのではないか」と心配してくれ、それ以上の治療は諦めることになりました。

私が離婚を考えなかった理由。
一つ目は先ほども書いたように、「夫婦に問題があるのは当たり前だし、夫とは友達として上手くいっている」と思っていたこと。
そして、セックスレスを深刻に受け止めていなかったこと。
また、私が心身ともに病弱なので、経済的に自立できないということが大きいです。
それに、結婚前に恋愛で挫折していたので、「他に良い人がいるかも」と思うこともありませんでした。

このように夫婦として破綻した状態で、私たちは15年以上を過ごしてきました。
しかし、夫は問題を感じていたのです。
それが、結婚16年後に爆発。

この16年間に、私が重度のうつ状態だった時期もあったので、夫は離婚を検討することもできなかったのかも知れません。
そう考えると、夫も不憫です。

どこまでも不器用で、すれ違い続けてきた私たち。
それでも、いろんな問題を乗り越え、お互いを支え合っています。

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