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第二形態、へ~んしん!!【ヨモギ】

こんにちは、うりぼうです。

急に秋が進んで、街路樹の葉も徐々に秋色へとおめかしし始めましたね^^
みなさま、朝昼の気温差に体調崩されていませんか?

え?鼻水が出る??

それは風邪ではなく別の要因かもしれませんよ?

例えば最近、草むらを歩いたりしませんでしたか??

今回は前回の「カナムグラ」に続いて、秋の花粉症の代表「ヨモギ」君を紹介します。

どんな野草?

「ヨモギ」はもうほとんどの方がご存知のとおり、あの植物です^^

葉っぱが特徴的ですね

キク科ヨモギ属の植物なのですが、キク科というだけあって葉っぱの切れ込みの深いところなど、雰囲気が菊にとてもよく似ています。

どこにでも生えていて、よく見かける身近な植物のひとつですね。

さっそく「ヨモギ」についてみていきましょう!

「ヨモギ」の葉っぱには毛が多い

「ヨモギ」の葉っぱは全体的に毛で覆われていて、裏は白い色をしています。

草餅を作るのに収穫したヨモギの葉です。
毛が多いですね

この毛は昔の草餅にとって、とても重要でした。

今のお餅には粘り気がありますが、昔のお餅は粘り気がなかったために毛の多い植物が使われていました。

もとは「ハハコグサ」が使われていいましたが、母子を切り刻むのはどうか、という観点から「ヨモギ」が使われるようになったという説があります。

というお話を、以前「ハハコグサ」をご紹介した時にしましたが、結果としては香りが良いので、その選択で良かったのではないかな、と思います^^

やっぱり「おいしい」と感じる要素に「香り」は影響していると思うのです。(とはいえ、一度「ハハコグサ」で草餅を作ってみたい!と、うずうずしています。今年は失敗したので、また来年^^)

また、お灸の「もぐさ」も「ヨモギ」を乾燥させての裏の毛を集めたものです。

「ヨモギ」の毛は色々利用されてきたのですね^^

ここまで葉っぱについてお話してきましたが、葉っぱで外せないのは、よく似た植物「ブタクサ」です。

こちらも秋の花粉症の原因として有名ですが、「ヨモギ」との違いは
 ① 葉の裏が白くない
 ② 葉を揉んだ時に香りがしない
というものがあるそうです。

この特徴をもとにかなり「ブタクサ」を探しているのですが、なかなか見つからず未だに出会えていない状況…

ところが出会う人は出会うようで、葉っぱがよく似た「ブタクサ」を「ヨモギ」と間違えて草餅にしてしまった方もいるようです。

なお、なぜか「ブタクサ」と間違われることが多く、完全に誤解を受けているとある彼らの代わりに今年も叫んでおきましょう。

「僕たち「セイタカアワダチソウ」は「ブタクサ」じゃないよーーー!!」

現在では花粉症とも関係ないと考えられています。(「セイタカアワダチソウ」は、虫が受粉する「虫媒花」ですので、花粉は風で飛びやすくはありません。)

すっきりしたところで、話を「ヨモギ」に戻していきましょう^^

花粉症の原因

秋の花粉症といえば、「ブタクサ」「カナムグラ」に並んで、この「ヨモギ」もまた代表格です。

「あれ?「ヨモギ」ってお花咲くの?」と思った方、手をあげて~!

実は「ヨモギ」だと気づいてない可能性があるのではないでしょうか?

「ヨモギ」は春先のイメージが強くて、結構地面に近い位置で草が繁っているようなイメージですが、実は「ヨモギ」は夏から秋にかけてすごく背を伸ばして花を咲かせます。

次の写真は蕾がついてきた「ヨモギ」です。

初夏ごろからニョキニョキ伸びてきます。
上の方は葉っぱの様子も違いますね。

背丈は50cm以上になることも!

イメージが全く違いますね。もはや春先の「ヨモギ」とは似ても似つかない、別の植物のような印象になってしまいます。

「ヨモギ」第二形態!!変身!!

みたいな感じです^^
(子どもの頃、戦隊ものやドラゴンボールが大好きだったのがバレそうです…)

その第二形態のつぼみが咲いたらどんなお花が咲くのでしょうか?
実際に見てみましょう!

べべん!

…花?

ちょっとイソギンチャクのような、「ヨモギ」には申し訳ないですが少々気持ちの悪い感じです。

「ヨモギ」の花には雄花おばな雌花めばな、両性花があって、この一つの塊にこれらが集まっている感じになっています。

別の写真を見てみましょう。

周りのにょろにょろが気になりますが、
青丸の中にかすかに黄色が見えますか?

青い〇で囲った部分が雄花おばな(多分^^;)なのですが、真ん中に黄色い物体が見えますか?

これが花粉です。

これだけ見ると、
「花粉症の原因になるような量なの?」
と思うかもしれませんが、実は「ヨモギ」君たち、雄花おばなが活発な時期、雌花めばなの活発な時期があるようで、雄花おばなの活発な時期にはとてもたくさん黄色いものが出ているそうです。
(私は見たことないです^^;)

順番としては、雄花おばなの活発な時期→雌花めばなの活発な時期の順だそうなので、めっちゃ花粉飛ばしてキャッチする戦法なのかもしれませんね。

写真のにょろにょろ出ているイソギンチャクの部分はめしべです。
このめしべですが、両性花のめしべは伸びないで、くるりと丸まっているそうです。

ここまで「ヨモギ」のお花を見てきましたが、同じキク科でもタンポポなどとは違ってとっても地味で、見ようと思わないとまず目に入らないお花でしたね。

他のキク科のお花は主に虫さんたちに受粉を手伝ってもらう虫媒花なのですが、ヨモギは風に花粉を運んでもらう風媒花なので、目立つ必要がないため、このような地味なお花になったと考えられています。

おかげで、秋の花粉症の原因になっているわけですね^^;

他の植物は排除します!!

「ヨモギ」は「セイタカアワダチソウ」と同じく他の植物の発芽が抑制される物質を地下茎から分泌します。(アレロパシー)

他の植物は発芽できないので芽が出ませんが、「ヨモギ」は根っこからまたニョキニョキ伸びてくるので問題ありません。

「ヨモギ」が群生していることが多いのには、このような理由があったのですね。

おわりに

今回は「ヨモギ」を紹介しました。

春先のヨモギ
ちょっとほっとします。

「ヨモギ」は身近な植物ですが、身近すぎて逆に知らないことも多い植物です。

たとえば、「ヨモギ」にはいろいろな種類の虫こぶができることも知られています。

虫こぶ
昆虫その他の小動物の寄生によって刺激され,葉・茎・根などの組織が異常に発達してこぶ状あるいは特殊な形状となったもの。

出典:コトバンク

私も一種類見つけました。

最初はつる系植物の実かと思いました。

中にはほわほわした虫こぶなんかもあるらしく、「ヨモギ」の虫こぶ観察も面白いかもしれないな、と思います。

今回も最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

🌱・🌱・🌱・🌱・🌱・🌱

【余談】
完全に余談ですが、noteを始めて丸二年が経ちました。
ゆっくりペースですがここまで続けてこられたのは、私の記事を読んでくださったみなさまのおかげです。

本当にありがとうございます🙇

これから3年目。

まだまだ紹介したい植物たちは多いですが、のんびりペースで続けていけたらな、と思っています。

これからもどうぞよろしくお願いします。

2周年ということで「2」を
モチーフにしてみました^^
ちなみに猫さんは
うちの猫さんがモデルです。
はちわれ君です。

2022/11/03 うりぼう

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