旭川でオリジナルアウトドアプロダクト作りにチャレンジ!
今回は旭川市に昨年12月に誕生したワーケーション施設で開催された、起業・事業の種を作るローカル・シェーパーズ・スクールに参加してきました。
旭川市は北海道の真ん中から少し上に位置する北海道第二の都市です。
周囲を大雪山国立公園に囲まれた実はアウトドアに最適な町だったりします。
今回のイベントの概要
今回は全部で三日間にわたるプログラム。一日目は旭川市のものづくり施設を回る見学ツアー。二〜三日目で実際にプロダクト作りに取り組みます。
この企画の発案・運営の株式会社Sanagyの菊池さんと旭川市役所地域振興課の印南さん。
菊池さんは旭川出身のUターン。
印南さんはIターン。
お二人共旭川の魅力を発信されてます。
それでは早速一日目に行ってみましょう!
1日目 施設見学
早朝市役所に集合。本日の参加者と顔合わせ。みなさんデザインセンスありそうな人ばかりです。
全員揃ってから市役所を出発。企画の説明や雑談交えながら車で20分ほど走り、旭川市工業技術センターに到着。
ここは旭川市の金属加工技術推進のために作られた施設で、様々な加工機械が設置してありました。
早速、機械の見学〜。
各工程で担当のスペシャリストの方から説明、実演してもらいました。
途中マニアックな説明を受けながら加工機械で硬い金属が豆腐みたいに削られていく様子をみます。気持ちいい〜
ほんの数分で鉄が形を変えてきます。
ここにはレーザーカッターやNCマシン、折り曲げるプレス機などいろいろな機械がありました。
実際に自分で作ってみたい会社や旭川近郊の会社が技術指導を受けているようで、各種機械操作の講習も受けていてCADまで教えてくれるそうです!贅沢!!
何でも作れそうですね!
金属の後はお昼休憩の後に訪問したのは旭川工芸センター。
ここは日本屈指の木工の町、旭川の木工産業をサポートする施設です。
まず、目にしたのは試験室。ここでは木の強度や湿度・温度に対する変化、制作された家具の耐久テストなど様々な機械でテストしていました。
多いときはここで何日もかけて何万回もテストを受けるみたいです。しかもこのテストは強制ではなく全てメーカーからの自主テスト!
何年も安心・安全に家具を使って欲しいという職人さんたちの良心を感じますね。
お次はなんと陶芸研究室!
ここでは土の違いや薬湯の反応の違いなどを科学的にデータを取って陶芸家さんのサポートをしているそうです。
奥深き土と火の世界。ブラタモリ気分で説明に耳を傾けました。
今度は様々な加工機械が並ぶ工場を見学。
先程金属加工で見学した機械の木工版がところ狭しと並んでいます。ここでは実際に木工会社さんがパーツ作りなどに利用しているそうで、見学中も試作品を作っていました。
最後に旭川家具の見学。どれも木の手触り、ぬくもりが秀逸で思わず欲しくなりますね。。
1日目最後は駅にほど近い公園にある旭川市科学館(テックラボ)に来ました。ここは市民に気軽にテクノロジーに親しんでもらうための施設です。
施設内のテックラボを見学〜。所狭しと部品が並んでまさにラボって感じです。
でんじろう先生みたいな担当者さんに説明を受けます。
ここは登録すれば誰でも気軽に使える施設で、3Dプリンターからレーザーカッター、ステッカープリンター、プリントミシンなど面白いプロダクトがたくさん並んでいます。
自分でデザインしたロゴでステッカー作ったり、ロゴデザイン作れたら楽しそうです!
使える機械が増えるとマークが増えていくみたいです。コンプリートしたくなりますね。
めっちゃ濃い1日目はこれにて終了〜。モノ作りの現場を見せてもらって創作意欲も自然と湧き上がってきます。
明日から実際にアウトドア・プロダクトデザインです!
2日目 プロダクトデザイン作成
2日目はお昼からスタートです!
今日は旭川市に新しくできたワーケーションコワーキング施設に集合。
ここで今回の特別講師ミチヒトの見上さんが合流。ミチヒトは旭川市駅前買い物公園通にあるオーダーメイドの布製品を作っているカスタムショップです。
ミチヒトさんの謎のプロダクトの数々。。
こけし寝袋はクオリティ高すぎる。しかも100%道産の羊毛を封入。真冬の旭岳でも快適に寝られるというオーバースペックぶり。変態を通り越してオカシイ人に見えてた。。笑
まずは参加者の自己紹介ワークショップとミチヒトさんから今回のテーマの”アウトドアタープ”の概要説明。
今回のイベントは各自のデザインプランをコンペ形式で明日最終日にプレゼンし、最後まで残ったプランは後日ミチヒトさんが製品にしてくれるとのこと!激アツ!
できたタープは移住相談窓口で貸し出しできるようです。
実は密かにアウトドアプロダクトを作りたいと熱い思いを募らせてきた筆者。今回はガチで勝ちに行きます!!
デザインの前にまずは敵を知る、ということで3階に移動し各社のタープを拾げてミチヒトさんからタープのポイント解説をもらいます。
まずは新潟県の誇るアウトドアブランドスノーピーク。
高品質だけどお値段も高い!というイメージですが実際はどうなんでしょう??
ここからミチヒトさんのマニアックすぎる解説が炸裂していきます笑
まず最初のポイントがミシン裁縫。スノーピークはミシン目がとてもきれいで端のテープは2重で糸を入れてあります。
布の面積のとり方も贅沢で、真ん中にミシン目を入れない設計にしてあります。裁縫やオリジナルの金具などこれらのやり方はとても手間とコストがかかるようで、企業努力がすごいとその品質をべた褒めでした。普通はこんなところ見ないだろ〜、と心の中でツッコミを入れながら聞いています。
次は最近人気のSOOMLOONとDoDのタープです。
こちらはどちらも低価格で機能性も高い人気メーカーです。
どちらも人気のタープですが比べてみると一目瞭然。裁縫一つとってもメーカーの考え方の違いが出ていて驚きです。
かといってスノーピークじゃないとキャンプできないかというとそんなこともないのが奥の深いところ。コストと性能をいかにバランス取るかが鍵のようです。知れば知るほどまさに沼。
ミチヒトさんが指定した意外なポイントが収納袋。確かにキャンプの撤収で袋にしまえなかったことあります。ここにもメーカーの考えがしっかり反映されていて面白いですね〜
あゝ、違いのわかる大人になりたい。
一通り見たところで、実際のポイントや生地を確認します。生地だけでも何百とあるようで実は生地探しが一番難しいそうです。機能と風合いと色で全然違う。
デザインは今回は直線基調のもの、という制限も加わったところでいよいよデザインスタートです。
まずは皆さん、紙にコンセプトを書きながら画用紙を使って立体を形にしていきます。
みんなどんどん進んでますね〜
負けじとデザインしていきますが、なかなか難しい。。
皆さん真剣です。
途中ミチヒトさんにアドバイスを貰いながらなんとかデザインのラフ案まで行きました。
次はこれを立体にしていきます。あれ、なぜか立体にするとなんか違うぞ。難しい。。。
タープはシンプルな構成だからこそ難しいということを痛感です。
時間はあっという間に過ぎていきます。
試行錯誤してなんとかプロトタイプ完成!!
他の参加者の皆さんもできたようで、2日目の締めとして成果を中間発表です。
再生できるサスティナブルなエコタープ、様々なフレームが使えるタープ、旭川ならではのお家焼き肉タープ、車タープetc.
コンセプトが強いものからニーズに刺さるものまで皆さん力作揃いです。
これはマイタープ案が勝ち残れないかも。。
それぞれがフィードバックを全員からもらって2日目は終了です。
あっというまに終わりましたが、いよいよ明日最終案がきまります。
3日目 最終プレゼン
3日目もPirikaに集合です。
今日から新しく参加してくれる方も加えてのタープデザインということで今日はチーム戦になることに決まりました。
まずは昨日提案した4つのデザインを2つにしぼります。
皆さん改めてプレゼン。どれも面白くて欲しいものだらけです。選べない。。
さて、プレゼン後に多数決で2つ残ります。
最終選考に望めるのはサスティナブルエコタープと繋がるタープが選ばれましたー!!
投票してくれたメンバーで午後から生地選び、設計含めた詳細な仕様を作っていきます。
まずは軽く感想交えて打合せ。皆さんとても活発に意見を交わしてくれます。
ただ色々な意見をもらうとコンセプトから少しずれていくような不安も多少感じます。
お昼になったので仕切り直しにご飯。お腹も満たし、午後の作業の開始です。
コンセプトの再確認をしっかり行い、ループの付け方や寸法など詳細を相談して詰めていきます。自分ひとりでなくみんなで意見を出し合うとどんどん進みますね。
そしてそのまま、製図・模型作り。
優秀なメンバーが集まってくれたおかげでほぼ任せっきりに笑
どんどん製図も模型も出来上がっていきます。なんとか時間内にすべて完成することができました。
そしていよいよ最終プレゼンです!
最終のプレゼンでは2つのチームが発表します。まずは我々Aチーム。タープの名前は乾杯タープ。
感触は上々です。
次のBチームはエコ&サスティナブルがポイントのタープ。こちらもコンセプトが尖っていて素晴らしい案です。
正直、乾杯タープは選ばれないんじゃないかとめっちゃ不安になってきます。。
各チーム出揃ったところで結果発表。審査委員はミチヒトさんとSanagyの菊池さんです。
最終結果は、、、見事!Aチームの乾杯タープ!!!
やったーーーー
なんとか思惑通り(笑)残ることができました。(ほぼ奇跡ですが。。)
最後にミチヒトさんに結果の詳細と講評を頂いて最終日も終了です。
最後に2日間を戦い抜いた全員で記念撮影!
最後に まとめ
なんだかんだあっという間の濃密な3日間でした。
残ったタープ案はこの後ミチヒトさんと打合せを重ねて、最終的にタープとして出来上がることになりました!
もうすっごい楽しみ!!!
最後にこの3日間のローカル・シェーパーズ・スクールを体験して感じたことは、旭川なら誰でもアイデアがあればモノ作りができる土台がある、ということ。
金属、木工、布製品それぞれにアドバイスをくれる専門家がいて、大雪山国立公園というテストできる広大なフィールドが町から1時間という立地にあります。なんなら町の中心の直ぐ側にキャンプ場があったりもしますw
旭川ポテンシャル高いじゃないか!というのが率直な感想です。
あと更に重要なことは、新しいアイデアを形にしようと挑戦するときに支援をしてくれる動きが、行政・民間含めて旭川では活発になってきているということ。
今回のローカル・シェーパーズ・スクールのように、やってみたいという気持ちを優しく後押ししてくれる場があることが、何か新しい挑戦にトライする上で一番大切なのかもしれません。一人ではできなくてモヤモヤしていても人に相談したらあっという間に解決した経験とか結構ある気がします。
今後はワーケーション施設として道外から様々な人たちが訪れる施設になっていくようです。新しい人達と地元の人たちや若者が交流することでどんどん新しいアイデアが発火して行くに違いない!!
旭川はこれからもっと面白くなっていきますね〜。
*追記
約1ヶ月後出来上がりました!すごく綺麗なタープができました。
自分たちがデザインした製品ができあがる嬉しさは格別です。旭川発のプロダクトがどんどん生まれてくると面白いですね!
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