中国、香港そして台湾へ

2023/5/3〜2023/5/7

モンゴルから中国へ。
2泊3日滞在した後、香港を経由して台湾までやってきた。

着いたのは夜遅い時間だったので、初日は寝て終わり、翌日から散策開始。

胡椒餅というのが美味しいと聞いていたので探してみると早速、宿の隣に発見。

お客さんが連なっている。人気店のようだ。

ただ回転が早いので待ち時間はそれ程でもなさそう。
というわけで列に並び、店員の様子を観察。

数人が手際良く白い生地を伸ばし、そこに肉餡を詰め、テーブルに差し込んだ寸胴の様な釜で焼く。

生地の香ばしさと胡椒の心地良い刺激がパチパチと音を立て、辺りに漂い食欲をそそる。

一つ購入し渡されたそれを握ると、超高温で焼かれた生地のパリッとした触感が手に伝わる。

『餅というより、胡椒を効かせて焼いた肉まんみたいなもんか』

そう思い、まずは一口。





……!!!



サクサクの食感と肉餡の旨味、そしてジューシーな肉汁が口に広がり、それを絶妙な胡椒のスパイシー加減で引き締める。


『おいおい…こんなに美味いのか…!』


出来立ての胡椒餅は火傷しそうな程の熱さなのだが、この美味しさを逃すまいと口に放り込み、あっという間に完食してしまった。

食に無頓着で好き嫌いも無く、わりと何でも美味しく食べられる質なので、それ故に特別感動する事もあまり無いのだが、この胡椒餅には驚いた。

日本で流行らないのが不思議なくらいだ。
(私が知らないだけかもしれないが)

満足し、小さく折り畳んだ包み紙をどこに捨てようかと考えていたら、店員の女性に愛想良く声を掛けられ、その紙を捨ててくれた。

まだ台湾に来たばかりでわからないが、日本人が好かれている雰囲気を感じる。


その後あてもなく歩いていると、巨大で荘厳な建物が目の前に現れた。
近づくと、迷彩柄の車が敷地内に停められてある。どうやら軍事施設のようだ。

体格の良い軍人がライフルを構えて周囲を見張っている。

そしてラスタカラーのニット帽にサングラス、ショーツを履き首にGoProを携えた、どう見ても怪しい私を厳しい目で睨みつける。




『キャ…キャナイテイクアピクチャー…?』




軍人は表情を変えず、「ダメだ」と私に合図する。


たまたまGoProの電源オフにしておいて良かった…。



気を取り直し再び歩いていると、遠くから中年のおじさんが何故か手を振ってくれた。

理由はわからないが、好意的なのは伝わる。

こんな格好でも、歩き方や仕草などで日本人とわかるらしい。



引き続き歩き続ける。

今度は若者が多く集まる通りに出た。
道行く人に聞くと、西門町という台北の中心地らしい。
日本でいう原宿みたいな所だ。


雰囲気だけ堪能し、次はどうしようかと思っていたら、ちょうど良いタイミングで

「台湾カステラの美味しい店がある」

と旅仲間から連絡が入った。
10年以上前に行って感動した思い出の味との事。

それは是非行ってみようと、グーグルマップを使って向かう。



誰かの思い出を辿り、共有する事は楽しく、旅のテーマの一つとして考えている。

先程の胡椒餅もそうだ。


普段、節約の為に食事を極力控えている私でも、それならば心置きなく食べられる。
加えて台湾で食文化は外せない、そして美味い!ときたらもう言う事無しだ。


無事、店に到着し陳列されたミニサイズの台湾カステラ3種類を購入。
プレーン、チーズ、セサミ味だ。
目の前のベンチで食べ比べる。




『うおぉ……美味ぇ……!』


もっとズッシリした物かと想像していたが、シフォンケーキの様に軽い生地と主張し過ぎない味、香りで、気温30℃の屋外でもパクパク食べられてしまう…!


SNSを使い、10年以上前の思い出と今の感動をリアルタイムで繋ぐ。
たしかに、これは現代文明の恩恵だ。


その後、台湾はマンゴーかき氷も美味いと聞くと、まさか隣にかき氷店があり、行列が出来ているではないか…!

ウキウキと列に並ぶ。

もう所謂「旅人」ではなく
完全に観光旅行客だ。

そうさせてしまう程、食べ物も美味しく、治安も人のマナーも良く、居心地が良いのだ。



そして出てきたマンゴーかき氷。

もう言うまでも無く美味い。

マンゴーの果実は鮮度抜群で角が立ち、噛んでも身が潰れない程しっかりした食感。
そして繊細に砕かれた氷は空気を良く含みフワッフワで、綿飴の様に口の中で溶ける。

それを炎天下のオープンテラスで食べる。
最高だ…!


掻き込む様に食べ、並んで待っているお客さんが沢山いるので足早に店を後にすると、先程の台湾カステラの店で完売してたチョコレート味のミニサイズが…!

購入!




台湾の食文化、恐るべし

2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。