マガジンのカバー画像

茶道具

258
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

茶道具百話 餅

茶道具百話 餅

新年には久しぶりに「重ね餅」の水指を

使おうと、出して来ました。考えると

餅に関する道具が、いくつか有りました。

杵形の花入れ、臼形水指・蓋置、韓国の

餅形蓋置、などなど・・・

この内花入れと水指は「月見茶会」で使い

ました。お菓子は兎チャンで、大好評でした。

さて水指は備前焼なので、点前も向切・隅炉・

などの、やや侘びた風情が好ましいかも?

京都から有名な白味噌を、恵贈されまし

もっとみる
茶道具発見 茶碗

茶道具発見 茶碗

道具の片づけをしていて、思いがけない

茶碗を見つけました。帆船の絵の茶碗です。

ボール箱の中に「昭和60年御題 旅」との

メモが入っていました。そうです思い出しました。

あの旅の御題では楽しい柄が沢山あって、色々

買い込んだのでした。

これで取り合わせが出来ると、うれしく成りました。

近々には年始の取り合わせ、軸を「日出海天清」で

この茶碗はどうでしょう?でも一艘では寂しいので、

もっとみる

茶道具百話 点検

この一年に、購入・落札した道具を並べて見ます。

そして道具ノートにそれらを形状・色・特徴・購入日

値段・などを書き込みます。

このささやかな「蔵帳ノート」を見なくては、取り合わせ

が出来ません。頭の中に入っている分には、限りが・・・

道具を見ていると、どうも似た様な品物が多いのです。

良く言えば好みが一貫しているのですが?

それでも還暦以降、道具は増やさない様にして来ました。

もう

もっとみる
年の終わりに

年の終わりに

今年もあと僅かとなりました。

毎年末には愚作の「茶杓」を出して、

点前・独服します。

私が20歳の時に初めて削った、茶杓です。

小刀を使っていたら、ドンドン細くなって

仕舞いました。あの頃太っていた私を見て、

恩師は「貴男痩せたい願望が有るの?」と

仰せになりました。社中一同大笑い~

先生が筒を御用意下さり、「去来」の銘を

付けて下さいました。

あれから年末にはこの茶杓を出して

もっとみる

名物写し茶碗 その2

実はこの「一文字呉器」茶碗には、感動秘話

が有ります。昔ヤフオクで良い一文字の写しを

見つけ、愛用していました。

一にまつわる取り合わせで、大活躍しました。

窯印は「雲亭」でした。少し調べましたが不明、

京焼の写し物が、上手い人と思っていました。

その後ヤフオクで売ってしまってから「雲亭」

の印は、本願寺光尊上人からの拝領印と判明!

楽家11代慶入の作だったのです~

楽家の作も「

もっとみる
名物写し茶碗

名物写し茶碗

誕生日用に、ポイントとなる茶碗を出しました。

本願寺名物「一文字呉器」の写しです。

信長が石山本願寺との和睦の印として、

贈ったとの謂れある茶碗です。要は焼成時窯の

中で、他の器と引っ付き{一部がはがれ付着}

その部分を「一文字」と見たのでしょう。

いつもの様に{どうしてこの茶碗、出したと思う?}

弟子達に質問。正解は0でした。いくらかまともな

答えは「初心に帰り、一から始める」位

もっとみる

茶杓の銘

稽古では特別の場合を除いて、歴代作の茶杓の

写しを使います。点前をした人が、それに銘を

付けて行きます。

今回は敬愛する「大川先生のお誕生日の取り合わせ」

なのになのに、6な銘が出ません。常盤・高砂{どこかの

町名じゃね}千歳{飴は入れ歯に付くし、そんなに

長生きは}彩雲{年のせいで、雲が色々に見えて幻~}

と、天のJACKな私は、一々難癖を付けるのでした。

「山月」と答えた人が現

もっとみる
誕生日の取り合わせ 4

誕生日の取り合わせ 4

薄茶器と茶碗は、例年より抑えた感じにしました。

茶碗は恩師三田富子先生が、唐津の窯場で

「円相」を描かれた品です。

「割と良く出来たので、貴方に」と仰せで

頂戴しました。今ではこの円の中に、先生の

面影を見る様になってしまいました。

対する薄茶器は18歳の誕生日、購入品です。

あの頃護国寺隣の男子校に通っていた私は、

池袋西武デパートの茶道具売り場に、良く

立ち寄っていました。そ

もっとみる
誕生日の取り合わせ 3

誕生日の取り合わせ 3

漆器・陶器の他に、私は良く金属製の香合も

使います。季節を問わず使えて、とても便利です。

但し炉の場合、椿の葉を切って敷かねばなりません。

今年の誕生日は「重ね扇形」です。

鶴丸と亀甲が彫られていて、目出度すぎる雰囲気。

元は楊枝入れで、婚礼の引き出物でした。この手の

品物には、実に洒落たものが多く使えます!

今は少し高くなりましたが、昔は安価だったので

一時コレクションしていまし

もっとみる
誕生日の取り合わせ 2

誕生日の取り合わせ 2

結局迷った挙句、選んだのは「禅機画」の

豊干禅師画賛です。これは思い出深い品です。

京都で勉強中、良く先輩と古書店巡りをしました。

ある店で「ほら大川さんの干支、豊干禅師だね。

虎が可愛いし、禅師の横顔も良いでしょう!」

マクリを手に取って、私に勧めて下さいました。

気に入って即購入、その賛を先輩にお願いしました。

花園大学卒で妙心寺派の僧籍に在る方。年下ですが

尊敬できる先輩でし

もっとみる

会記に

「大川さん、古稀茶会の所に13代・14代と

入れなくても・・・」との?の声を頂きました。

{他流の方もご覧になるから、何代の御家元か

分かった方がと考えるからです。こうすると

およその時代も把握できるかも・・・}

と答えました。

我々とて、表千家の御家元代々を知っている人は

少ないでしょう?例の私のサービス精神が、歴代を

記入させるのです。無論正式の御会記には、数字は

入れません

もっとみる

誕生日の取り合わせ

毎年炉開き・初風炉・点て初め式に次いで

力の入るのが、誕生日の取り合わせです。

還暦を過ぎたあたりから、今迄敬遠していた

鶴亀・松竹梅・などが使える様になりました。

余りにも「クサイ」と考えていましたが、素直に

受け入れています。

寄付きだけは40年以上同じ短冊です。

恩師三田先生の師、鈴木宗保先生の筆です。

先生は四代の家元に仕えられた、流儀の重鎮。

東都を代表する茶人でした。

もっとみる
茶道具百話 掛け分け

茶道具百話 掛け分け

釉薬が二つ掛けられていて、半分づつになっている

ものを「掛け分け」と言います。これは主に茶碗に

多いのですが、稀に水指・建水・そうそう花入れにも!

掛け分けは二つの相対する事象を、表現するのに役立ち

ます。今年・来年、入学・卒業、風炉・炉、などなど、

移り目変わり目に使うと、効きます。

これも恩師三田富子先生から、教えて頂いたうれしい

道具の使い方です。何か一つ「掛け分け」の茶道具を

もっとみる
茶道具百話 ユーコ

茶道具百話 ユーコ

東下りのお弟子さん{つまり京阪神方面から、東京

地方へ来た人}が、仕覆の仕立てを「ユーコです」

といつも答えます。日本中の殆どの稽古場で、こう

教えている事でしょう。

{あんさん、ユーコってどう書かはるん?}出た!

怪しい関西弁!どうやら分からない様です。

「夕子は生八つ橋だから違うし・・」傍らの社中が

茶々を入れます。

そこで友湖さんの、フクサの袋を出して来ました。

{友湖さん

もっとみる