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ニューヨークで日本の番組や映画を見せる。

僕の生徒たち(ニューヨークに暮らす日本人・日系人の中学生と高校生)は、普段の生活で日本語に触れる機会が非常に限られています。

例えば、お母さんが日本人の国際結婚家庭の場合、子供の日本語接触量とその質は、お母さんとの会話に大きく依存する事になります。

しかし、生活の全てが英語に囲まれている環境では、家庭内で子供との日本語会話をキープするというのはなかなか難しいことです。

子供の年齢が上がるにつれ、英語での発話が増え、お母さんが日本語で話しかけ、子供は英語で返すというような状況が自然に発生してしまいます。

そして、子供の普段の生活における日本語接触は家庭内に限られるため、彼らが接する日本語は、一定範囲内の「家庭言語」に偏ってしまいます。

このため、少しでも「家庭言語」以外の日本語に触れてもらうために、クラスもたまに面白いマンガやアニメ、邦画などの話をします。

炎の仕組みを学ぶときには「炎炎ノ消防隊」が登場、太陽系の話では「宇宙兄弟」に、ライバルとは何かを説明するときには「ナルトとサスケ」の話しなど、授業で扱うテーマに合わせ、積極的にそういった日本のコンテンツを絡めて説明をしたりします。

普段の生活の中で、Crunchyroll やHulu、あるいはNetflix などで日本のアニメなどを見ることができる環境の生徒は多いため、彼らもよく話に乗ってきてくれます。

しかし問題は、これらのサービスでは、多くの場合、子供達は字幕を通して(あるいは英語への吹き替えで)内容を理解しているということです。

英語の吹き替えは論外ですが、残念ながらやはり英語の字幕付きで見ている場合、日本語の吸収は全くとは言わないものの、あまりされていないことを感じます。

これを防ぐためにおすすめなのは、Apple TV(iTune)の日本のアカウントです。日本向けの日本語のコンテンツなので英語字幕はついていません。

Apple TV(iTune)の日本のアカウントがあると、US アカウントと日本のアカウントを、ラップトップ上あるいはテレビ画面上で簡単に切り替えて日本の映画をレンタルしたり購入したりできるようになります(特にテレビ上での切り替えはサインアウトする必要がなくて簡単です)。

日本のアカウントを作るには、日本のクレジットカードが必要となりますが、そこは、子供の日本語力を伸ばすための投資!

ぜひ、日本にいる家族にカード支払いの肩代わりを頼んででも、英語字幕なしの日本語映画の日を実現してもらえればと思ったりします。もちろんそれが可能なご家庭ばかりではありませんが。

もしどうしても、それが無理という場合には(以前うちはそうしていたのですが)、Crunchyroll などの字幕部分に紙を貼ってしまうという手もあります。

画面の一部が見えなくなるのでちょっとイラッとしますが、クッキングシート(パーチメントペーパー)などだと、画面の光をある程度通すので、少しイラッが、軽減される気もします。

字幕をフランス語やイタリア語など、子供がわからない言語に変えるという手もあるんですが、これをやると、たまに見ることができなくなる番組(著作権の問題?)もあるので注意が必要です。

*表題の写真:字幕を隠してCrunchyrollを見ている我が家のiPad。

よろしければサポートをお願いします!サポートは100%、ニューヨークにある日本人・日系人の子供をサポートするため、ブルックリン日系人家族会(NY州公認NPO法人)に寄付させていただきます。