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作家名「な行」

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文豪作品を元に創作の短編小説を書いています。
運営しているクリエイター

#夏目漱石

「わたくしは猫かしら」(元にした作品:夏目漱石『吾輩は猫である』)

 猫?わたくしは女神で天使でしょ。毎日そう呼ばれてるもの。わたくしの美しい三色の毛並みを…

裏木戸 夕暮
4か月前

「悪夢十夜」(元にした作品:夏目漱石『夢十夜』)

 浩輔は金になるバイトを探していた。しかし普通の求人に応募することは出来ない。勤めている…

裏木戸 夕暮
7か月前
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「硝子玉の中」(原作:夏目漱石『硝子戸の中』)

 客は黙って彳んでいた。中から 「いらっしゃい。どうぞ」 と声を掛けられるのを待っている。…

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コトバアソビ集「こゝろはここ」(原作:夏目漱石『こゝろ』)

「行ってきまー、あっ体操服忘れたー!」 「おかーさーん、ごめん今日友達と学食行くんだった…

「こゝろほる」(原作:夏目漱石『こゝろ』)

 こつこつと土を掘る音が暗闇に響く。  堅い地面に穿たれた竪穴の底に、蹲る老人が一人。傍…

「吾輩の猫である」(夏目漱石『吾輩は猫である』の二次創作)

・・・が、第9回ブックショートアワード8月期の作品のひとつとして 選ばれました。嬉しいです…

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「スケッチ」(夏目漱石「草枕」の二次創作:人生)

 はぁ、はぁ、はぁ。  青年は山を登っている。  頭上の木々が窓を開け、空が明るくなった。 「はー・・やばいな」  青年はたった一人。  汗を拭いながら周囲を見回すと、小屋を見つけた。青年は喜色を浮かべ足を早める。 「す、すみません!ちょっと、お尋ねします!」  息を切らせて小屋の住人に話しかける。 「おや、どうしました」 「あのっ・・・皆んなとはぐれちゃって。先生と学生の団体見ませんでしたか、10人位の」 「はてねぇ・・・ま、とにかくお上がんなさい。冷たい湧水で淹れた、水

「第一の夜」(夏目漱石「夢十夜(第一夜)」の二次創作)

 男は無心に穴を掘っていた。その頃はまだ、悲しみという言葉は無かった。熱いものが胸から鼻…