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unaさんへ.2 |往復書簡

うなさんへ

お忙しいなか、お返事いただきありがとうございます。
再就職おめでとうございます!
一歩踏み出されて、山あり谷ありかもしれませんが…、心穏やかに日々をすごせますよう祈っています。

わたしはしっかり夏バテして、冷たい麺ばかり食べています。先日うどん、そうめん、そば、そしてつゆ、をまとめ買いし、冷蔵庫には冷やしラーメンがあります。麺の祭りです。

たしかに、誰かと比べて自分の「好き」を引っ込ませてしまうこと、身に覚えがあります。
わたしはそれに加えて、自分の”好きなもの”同士を比べがちかもしれません。うなさんのお手紙を読んで気がつきました。
ある“好きなもの”について、他の好きなものより知識量やかける想いが少ないと、「好き」に自信が持てません。また、以前より触れる時間やかける想いが減ると「好きだった」という言葉を当ててしまいます。
「宇宙が好き」と心から思っていた頃のわたしは、一番興味あることは星、ずっと星座の本を読んでいる、学校の作文課題で宇宙のことを書く、といった感じでした。それがいつしか、目の前に現れた新しいものに興味を抱いて、宇宙は”一番”ではなくなりました。
それからも夜空を見上げて、あれは何座だ、きれいだな、と感じる日は多いです。でも“その程度だから”、「好きだった」と表現していました。
きっといまも、星や宇宙が好き、なのですね。人に「何が好き?」「趣味は何?」ときかれて真っ先に出る答えではなくても、たしかに好きなもの、だと感じました。

100年前のこと、言葉足らずですみません。調べていただいてありがとうございます。まさに第一次世界大戦の前後や、第二次世界大戦までの「戦間期」と呼ばれる時代が好きです。
暗いことは暗いです。彼らにとって戦争は人生や生活の一部です。とくに第一次大戦後の1920年代には、戦争の傷の深さをなまなましく感じます。解放による熱狂と、苦しみが、混ざり合っているような時です。
なぜその時代か、はうまく言葉になりません。きっかけもぼんやりで、大学の授業でふれるうちにその時代のとくにヨーロッパの文化芸術に興味を抱きました。
アール・デコや、その他当時よく見られる図形的、抽象的なデザインが好きで、その時代の広告、ファッション、インテリア、建築、美術等の写真が載っている本をぼーっと眺めています。広告や日用品を見て、こういうの使ってたのねと、想いを馳せると楽しいです。
ほかにも、その時代を舞台にした作品や、当時つくられた映像作品や小説・エッセイを通しても、人々の暮らしや感情にふれています。妄想というか想像かもしれません。
彼らとわたしとは、生きている時代も国も違うのに、同じ人間である、と感じます。”違う”ことも”同じ”こともどちらも面白く、興味深いです。

悩みを打ち明けられる相手を見つけられたこと、本当によかったです。人に共有することで、ほどけたりひらけたりしますよね。
わたしのことを”自分に向き合えている”と言ってくださいましたが、わたしもようやく“自分のことは自分で決める必要があるし、決めて良いのだ”と思えて、実行しはじめたようなところです。
”自分の人生”ってあるのかないのか、なんなのでしょうね。
できるだけ自分はどう感じるか、どうしたいか、を見つけて、それに従って思考や言動を選択できたのだとしたら、それが”自分らしい生き方”と言えるでしょうか。どこまでが”自分の尊重”でどこからが”自分勝手”なのか、とか悩んでしまいます。

書くことで、外に出すことですっきりするならば、いやそうじゃなくても、なんでも語ってください。

うなさんの宇宙の話も伺いたいです。
好きになったきっかけはなんですか?最近の宇宙に関するニュースや発見で、興味あるものはありますか?その他なんでもきかせてください。

環境が大きく変わるところかと思います。どうかご無理なさらない範囲で、もしよければまたお返事をいただけたら嬉しいです。
1ヶ月でももっと長くても、のんびり待っていますね。

うらがみ

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