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うらがみさんへ Vol.2 |往復書簡


うらがみさんへ

お返事どうもありがとうございます。
お返事を途中まで書いておりましたが、
その間に予期せぬ形で再就職が決まりまして……。
慣れないやり取りや下準備などに四苦八苦しているうちに、
あっという間に2週間が過ぎ去ってしまいました……。
光陰矢の如しとは申しますけれども、
歳を重ねると本当に体感時間が短くなるものですね。

若いからとか年上だからとかそういう表現は好きではないのですが、
(若かろうと歳ゆきだろうと、その人が積んだ経験はその人だけのものですし)、
お返事を受け取って思ったのは、
わたしが同じ年恰好の頃よりもずっとずっと、
しっかり自分のことに向き合っていらっしゃって
なんてすばらしいんだろう、って。

宇宙が”好きでした”と言う表現、
わかるな~~~と思う反面で、
好きの定義って難しいなとも感じました。

うらがみさんは、
「いまでも憧れている」って現在形で仰ってくださいましたね。
それって、どうして”好き”にふくまれないのでしょう?
好きでもないものに憧れたりはしませんのに、
どうしてそれは”好き”から弾かれちゃうんでしょうね。
人が何かを好きと言うとき、
自分がそのことに興味がありさえすれば、
ただ、ただそれで良いはずなのに、
どうして人は自分の”好き”を諦めちゃうんでしょうね?

これは、わたし自身に向けての言葉でもあります。

自分が好きでいればそれで良いはずなのに、
自分より好きが多い人と比較して、あるいはできる人と比較して、
わたしには好きが足りないんだなぁと思っちゃう。
誰かより、どこかより好きが足りないから、
わたしなんかが”好き”なんて言っちゃいけないって思っちゃう。

でも自分がちょっとでも興味があったら、
なんとなくであってもそれは”好き”でいいんじゃないの?
って。

最初は誰だって好きの初心者から始まるんですよね。
なんとなく興味があるとか、なんとなく気になるとか、
そういう、うすらぼんやりとしたところから
好きってふくらむし、
ふくらまなかったとしても、少しでも好きと感じたなら、
それは好きでいいのにな、と思うことがよくあります。

まるでオタクを究めた人や、研究者だけが、
「それを”好き”と呼ぶ権利がある!」
というのは違っていて、
好きはただのグラデーションなんですよね。
グラデーションの薄いところにいるのか
濃いところにいるのかの違い、なだけで。

だから、もしうらがみさんが、今もふっと空を見上げて
「星、綺麗だな」
「あの星座に、こんな神話があったな」
って思い出すことがあれば、それはじゅうぶん”好き”だと誇ってください。

で、そうしてくれたらわたしの中で諦めちゃった”好き”も、
きっと取り戻せる気がしますから笑

本、演劇、映画、美術、哲学、インテリア…素敵ですね!
100年前くらいのフランス、ドイツ、というのがピンとこなかったので
軽く調べたのですが、第一次世界大戦のあたりでしょうかしら。
というとなんだか暗いニュアンスになっちゃうのでしょうが、
文化ということはもっと違う視点から見ておられるんでしょうね。
もしよかったら、もう少し詳しくお話うかがいたいです。
きっかけは?とか、どういう妄想をするのが楽しいのでしょう?とか。
聞きたいことがいろいろすぎます笑

noteのタグのなかから見つけてくださったのはとても嬉しいです。
仰るとおり、わたしはずっと自分の気持ちに蓋をして生きてきました。
いわゆる『毒親』育ち、というもの……でしょうか。
好きなことは芽のうちに摘み取られ、
親の気に入るものや言動がわたしに根付くまでしつこく押し付けられ、
長いこと『じぶんらしい』とか『じぶんの人生』というものを
生きてこずにいました。
ようやく今、少しずつ悩みを打ち明けることができる仲間ができ、
自分の人生は自分で選んでいいんだ、
ということに気付きかけている最中です。
それでも、
まだまだ本当に自分の人生ってあるんだろうか、
自分らしいってなんだろうか、って
悩むことはたくさんあるし、もがいていますけれど笑

お返事、なんだかアツイ自分語りになっちゃいましたね。
今いろんなことが周りの環境や自分の中で変化していっているので
少し、吐き出したかったのかもしれません。
お目汚しにならないといいのですが。

ラッコはラッコなりに忙しい、確かに!笑
ご飯食べて、泳いで、休んで……
気ままに見えてもそうじゃないかもしれない、という視点は
どんなときにも使えそうですね。

あつい、暑い夏がやってきました。
忍び寄るくらいなら可愛げがあるものの、
むっちゃ威勢よく
「こんにちはぁぁぁ!!!!(拡声器)」
くらいの勢いでいらっしゃるのは金輪際やめていただきたいところです。

うらがみさん、くれぐれもお身体ご自愛くださいませ。


うな 拝