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関西若手バンドインタビュー🎤【青ヲヒメル】 episode.7

こんにちは🌞オトハルの山本です!(※オトハル=ウラバン!メンバーの名称)
2022年1月某日、関西で活躍中の若手ロックバンド「青ヲヒメル」のメンバーにインタビューを行いました🎤

今回お話してくれたのは、Vo.Gt椋介さん、Key.Cho.汐音さん、そして、Dr.前川さんの3名。約2時間のロングインタビューで、それぞれの好きな音楽のお話やバンドの結成秘話、メンバーの互いの印象や今後の展望などなど音楽やバンドへの秘めたる熱い想いをたくさん語っていただきました!

『時に「青い」と無下されるすべての感情へ。そしてソレを「秘めた」アナタへ捧ぐ唄。』というバンドのコンセプト通り、どんな感情も否定せず大切にしたいという思いがインタビューを通して伝わってきました。

episode.7ではメンバーの「音楽をやっていて楽しい瞬間」について伺いました🎤楽しい瞬間の話にとどまらず、音楽に対するモチベーションの源泉や、それぞれが目指す姿についても話して下さり、「青ヲヒメル」を深く知ることのできた回になりました。ファン必見の内容になっていますので、ぜひご覧ください!🙌

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1)「その感情はあなただけのものだよ」と、伝えたい

きたゆい:皆さんがバンドをやっていて楽しいと思う瞬間はどんな時ですか?

汐音:私は曲を作っている時が一番好きです。皆で色んな考えを持ち寄って、そこから新たな世界が生まれるというか。最初は、私が想像した世界の中で歌詞を書いて、こんなのどう?って渡すわけじゃないですか。そこから皆の解釈が入って、もっと素敵な世界が構築されていく過程っていうのは、物凄く楽しいです。また、そこに自分が加われているっていうことにも有難みを感じています。
あとは、ライブでお客さんの表情を見た時にノッてくれていたりとか、この曲のここが好き!と言ってもらえたりするのはやっぱり嬉しいですね。特に私は歌詞を書いているので、歌詞について褒めてもらえたり、この歌詞で元気をもらった、とか言ってもらえたりすると、すごく嬉しいです。

きたゆい:皆の発想や感性が合わさって、もっと素敵な新しい世界が創られていく感じなんですね。今アーティスト活動をしている自分自身についてはどう思いますか?

汐音:仲間というか、青ヲヒメルというバンドはメンバーにすごく恵まれたなと思っています。私自身はアーティストとしては技術もまだまだだし、勉強不足、経験不足な面がたくさんあるので、そこはどんどん改善していきたいと思っています。でも、自分の中でどういう音楽をしたいのか、何を人に伝えたいのかっていう部分は、青ヲヒメルを結成した時からブレずにやっていけているので、そこに関してはバンドメンバーで、世界観をしっかり共有してやってこれているのかなと感じます。

青ヲヒメル_6

きたゆい:そこは自信が持てる部分なんですね。素敵です!ちなみに、人に何を伝えたいのか?という部分についても聞いていいですか?

汐音:感情はその人だけのものだよってことを伝えたくて。皆同じように辛いんだ、もっと辛い人もいる、という話を聞くこともよくあると思うんですけど、個人的にはそういう話が嫌いで。確かにそうかもしれないけど、その一つ一つの事象というのは、その人だけが体験して、その人だけが感じた感情だから、一番大切にできるのもその人しかいないわけで、それを自分で、悪いことだとか、情けないとか、そういう理由で大事にしてあげられないのは悲しいと思うんです。そういう感情を持つこと自体は間違っていないというか。極端な話、人を殺したいと思っても、その感情自体は間違っていない。ただ、それを実行に移すかどうかが、その人の人間としての在り方というか。なので、感情自体は、どんな感情でも間違っていないということを伝えられたらなと、すごく思っています。

2)隣でそっと寄り添うような、”許す”歌を書けたら

きたゆい:バンドの大事な思想の部分だと思うので、もうちょっと聞いてみたいんですが、そのことを伝えたいと思ったきっかけは何だったんですか?

汐音:昔、自分自身というものを表に出すのが怖くなってしまった時期があって。プラスの感情もマイナスの感情も、私なんかが持つべきではないとか。こんなクズみたいな人間が、こんなことで傷ついてちゃいけないとか。自分の感情を全否定していた時期があって。
そんな時に、ニュースとかで誰かが殺されてっていうのを見て。この人たちに比べたら、私は家族にも恵まれて、家があってご飯も食べられてこんなに幸せなはずなのに、なんで涙が止まらないんだろう、不幸に感じてしまうんだろう、と罪悪感を感じてしまっていました。
そんな時に、RADWIMPSさんの『狭心症』という曲の「僕は僕の悲しみも憂いちゃいかんのか」みたいな歌詞や「世界にはこんな不幸な人もいるよと言われたとして、下には下がいると喜べばいいのか」というような歌詞を聞いて、その時に、ものすごく救われたんですよね。自分の悲しみは、自分が大事にしていいんだ。他人がどうこうとかじゃなくて…っていうのをすごく教えられた気がして。ご本人さん達がどんなつもりでその歌詞を書いたかはわからないんですけど(笑)

だから自分も、人の背中を押す応援歌というよりは、”許す”歌というか、包み込んで寄り添う歌を創りたい。心の奥に触れるっていうのは絶対できないと思うんですけど、せめて、隣に寄り添う歌を書けたらなと思っています。

きたゆい:なるほど…ご自身が音楽で自分の感情を許されたような体験をされているからなんですね。

汐音:世の中には、夢を追おうぜみたいな歌がたくさんあると思うんですが、そういう意味でいうと、「ユメクイ王子の唄」って特殊ですよね。夢を叶えようぜっていう歌ではなくて、追うのも辞めるのも自分で決めればいいんだよっていう歌なので。そういう歌詞を、これからも頑張って書けたらなと思っています。

3)アンサンブル的な面白さと美しさを追求する

きたゆい:いいですね。そんな青ヲヒメルの歌の世界をリズムで表現される前川さんとしては、バンドやっていて楽しい瞬間はどうですか?

前川:僕別に、バンドはそんなに好きじゃないんですよね。というのも、人間社会全部そうなんですけど、人間関係がそんなに好きじゃない、面倒くさいというか。だから音楽をやっているということもありますし。僕めっちゃ就職したくない派の人間なんで(笑)
なので、バンドをやっているのが楽しいというよりも、音楽をやっているのが楽しいという感じですかね。音楽のどこが楽しいかというのも明確には言えないんですけど。ライブをやるのもめちゃくちゃ好きかと言われたらそうでもないし…作曲とかが一番楽しいなって思いますね。どっちかというと制作してる方が好きなんで、そこが音楽をしている所以というか。

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きたゆい:ライブみたいに表に出て魅せることよりも、曲作りの方が好きなんですね。前川さんにとって、作曲はどう楽しいんですか?

前川:僕、もともと指揮者になりたかったんですよ。大編成のオーケストラみたいに音が何重にも重なっている音楽が好きで、小さい頃からずっと聞いていて。そういう音楽を作りたいというのが、音楽が好きだということにつながっていると思います。アンサンブル的な楽しさというか。一介のバンドマンよりはそういう部分での感受性は強いんじゃないかと思っているので、そういう曲をどんどん作れたらなと思ってます。

きたゆい:アンサンブルというのは、音を合わせる楽しさということですか?

前川:そうですね。ドラムがあってベースがあって、鍵盤があって弦楽器があって。そういう音の重なりを作るのが好きですね。

きたゆい:それでいかに美しいものを作れるか、みたいな?

前川:そうですね。あとはコード編曲をやっているので、聴いた人に「えっ!」って思ってもらえればなぁっていう。歌詞に合わせて曲を落とす、盛り上げるとか。それは楽器の多さだけじゃなくて、コードを変えるだとかキメを作るだとかで大きく変わると思うので。そういうところで遊ぶというか、曲を作り込んでいくのが好きですね。

きたゆい:やはり職人ですね(笑)自分の中で色々試しながら、これは面白いな、美しいなというのを見つけていくのが好きなんだろうなと感じました。

前川:そうですね、そこは僕の中での音楽の醍醐味ですね。

4)本当は苦手だけど…支えられているから前に出る

きたゆい:前川さんらしくて素敵です!では最後、椋介さんはどうですか?

椋介:バンドの形としてよくあるのは、一人が(歌詞も曲も)全部作るという形があると思うんですが、僕はそういうことが全くできない人間で。もし一人で音楽やっていたら、もう今頃音楽辞めているだろうなって思うんですよね。そんな時に、この歌詞ならこういうメロディをつけたら面白いんじゃないか、と思える歌詞を書いてくれる人がいて。あと、僕は理論とか全然わからなくて、何のコードか自分でもわからないものを弾いて持っていくこともあるんですけど。そんな風に感覚で作ってしまったものを分析して構成してくれるのが、まえこーだったりして。多方面から色んな提案が来て、一人では浮かばないアイデアがどんどん広がっていくのがバンドの醍醐味ですね。
また、柱が何本か立っているおかげで支えられてるなって思いますね。楽器隊が、椋介の歌を聴かせるためのバックバンドだと言ってくれているので。僕もステージに立って照明バーッと浴びせられるのは好きじゃないんですけど(笑)

きたゆい:青ヲヒメルは皆さん前に出たくないキャラなんですね(笑)

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椋介:そうなんですよ(笑)。もし仕事をしてなかったら、前髪を(BUMP OF CHICKENの)藤くんみたいに伸ばして、何も見たくないみたいな、ほんとはそういう人間なんですけど。二人がそう言ってくれるので、ちゃんと前で歌わないといけないなと思えていますね。そういったところが、バンドをやっている理由かなと思います。

きたゆい:皆さん、音楽を作っていく過程がバンドでやる楽しさだと思われているんですね。ライブ出て人前に出てイェーイ!っていう感じではなくて(笑)そういったところが皆さん共通しているんだなと感じました。

【episode.8(最終回)に続く!】

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