読書記録
1月後半の読書記録です。
人形館の殺人|綾辻行人
久々に館シリーズの続きを読む。本当にここ数か月、綾辻・小野夫妻の作品をいったりきたりしている。
さて人形館の殺人、館シリーズのなかで異色と言われているそうだけど、読んで納得。たしかにこれは異色。でもとても面白かった。
たまたますこし前に島田荘司さんの『占星術殺人事件』を読んでいたのもあって、ちょっと胸アツな気持ちにもなった。双方のネタバネになるからどこがどうとは言えないけれど。やっぱりミステリーは古典から読むべしですね。
なんだか読み心地に既視感があるなぁと思ったら、アルセーヌ・ルパンシリーズの『三十棺桶島』だと思い至った。はるか昔に読んだんですがあの話も私はなかなか印象深くて。救い出してくれる人を主人公も読者も渇望するかんじが似ているような気がしています。
君のクイズ|小川哲
最初の数ページで「これは、やばいぞ」と分かる作品にまれに出会うのだけど、こちらの本はまさにそれでした。
文章が飛び込んでくるみたいにすらすら読める。
ちなみに、すらすら読める小説がすきというわけではないんです。延々に風景描写が続くような作品もすきだし、読みすすめるのに強く摩擦があるかんじも、むしろ読書というかんじがして良きと思う。
けど、すらすら読める感覚ってやはり心地よいですね。
どなたかの感想で「読むと自分も頭が良くなった気になる」と書いていたけど、たしかにそんなかんじ。ちょっと難解そうな部分も文章の明快さですぐ理解できるから気持ちよく読める。
私のすきな作家の凪良ゆうさんが以前、文章を書くときに気をつけていることとして「読むのにつまづかないように小石を取り除いていくように」とあげていたのを思い出した。小川さんの文章もそんな雰囲気をかんじる。
よく整理された作品、という印象を受けたけど、小川さんのインタビューを拝見したらプロットは特に作らず書いているということだったので驚いた。
すごい。他の作品も読んでみようと思う。
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