見出し画像

キャッシュフローシミュレーション

こんにちは。大家兼不動産屋の廣田です。

今回は、キャッシュフローの経年変化にてついて書いていきます。

キャッシュフローのシミュレーション

以前に記事で不動投資でのデッドクロスに書きました。不動産投資、賃貸経キャッシュフローが悪化する仕組みについて書いてきました。

キャッシュフローのの変化について具体的な条件を設定してシミュレーションしてみました。

== 条件 ==
物件価格 1億円 鉄筋コンクリート造  
満室時想定家賃 1千万円 表面利回り 10%
空室損 5% 運営費 20%
減価償却条件 建物 7千万円 47年 定額法
       設備 3千万円 15年 定額法
ローン    借入額 1億円 金利 2% 35年元利均等返済
生活費  年間240万円(20万円/月)
税率 30%で計算

元利均等返済

不動産投資のローンは元利均等返済が一般的です。元利均等返済は、毎月の返済金額は一定です。返済当初の返済額の内訳は、金利の比率が高く、元金返済分に比率は低くなっています、その後返済が進めたびに、その比率、逆転し、金利の比率が低く、元金返済分の比率が高くなります。

減価償却費

今回のシミュレーションも条件では、物件を建物と設備に分割して、それぞれの耐用年数で定額法で償却しています。
減価償却費に関しては以前の記事を見てください。

シミュレーション結果

課税所得とキャッシュフローのシミュレーション結果は下表のとおりです。
表示関係上1部のみ掲載しました。


キャッシュフロー表

シミュレーションの考え方は、課税所得と借入金返済方法を見てください。

経年でキャッシュフローは悪化

キャッシュフロー計算で、税引き前キャッシュフロー(BTCF)は、毎年同額ですが、最終的な手残りのキャッシュフローは、年々少なくなっていきます。毎年の手残りキャッシュフローの変化は下のグラフを見てください。


手残りの変化グラフ

なぜキャッシュフローが悪化していくのか

上のグラフでは、手残りは毎年減少していき、16目に大きく減少します。その後、35年まで減少が続き、その後は一定額で推移します。
キャッシュフローが減少する原因は、税金の負担が毎年増えるため、手残りが少なりまります。

税金の負担が増えるのは、デッドクロスの記事でも書きましたが、現金の支出するが、経費とならない、”元金返済額”と現金の支出を伴わない”減価償却費”の変化です。

元金返済額は、35年目まで増加していきます。減価償却費は、設備部分の償却が15年終わるため、16年目から極端に少なくなります。

ローンの返済が終わったら

「ローンが終わったら、家賃はすべてあなたのものです」という不動産投資を進めるセールストークのひとつですが、実際このシミュレーション上でも、ローンが完済する、35年目以降の手残りの減少は止まりますが、ローンの返済をしている35年間にすでに減少しています。
このシミュレーションのローンの返済額は、家賃収入より少ないですが、新築のワンルームマンションなどでよくある、家賃収入よりローンの返済額が高い場合には、すでに、自己資金から投入している訳ですから、シミュレーションより悪い状況と言えます。
セールストーク自体は間違っていないのかもしれませんが、現金は手元にはあまり残らないようです。

まとめ

不動産投資、賃貸経営は、シミュレーションのとおり、年々手残りが減少してくビジネスモデルです。大家さん専門税理士の渡邊浩滋さんの言葉を借りれば、「賃貸経営は右肩下がりのビジネスモデル」です。

この話をすると、経年変化による家賃の下落や修繕費の増加が原因ではないかと思われる方いますが、今回のシミュレーションでは、家賃下落や修繕費の増加は加味していません。よって実際にはもっと悪くなるっことも予想されます。

このような事実は理解し、
将来の状況を予測し、対応方法を検討して置くことが、不動産投資を成功させる肝になると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
今日はこの辺で、次回また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?