これからはアフリカとインドの時代、異文化を学ぶための準備とは?
カナダに移住して13年目になるが、ここ何年かで確実にインド系、アフリカ系の移民が増えたという印象がある。そして移民も、仕事を求めてというより自由を求めて、という感じだ。
皆、リッチになったのだ。
書店で「中国の時代が来る」系の本を目にするようになったのは、今から20年ほど前のように思う。そして、今、中国が世界を賑わせている(良くも、悪くも、ここでは割愛)。
ピアノ界も、ランラン、ユジャワン、ユンディリといった中国系若手ピアニストの活躍が目覚ましい。経済発展とともに育った中国系アーティスト達が、今、クラシック界でも注目されている。
次は「アフリカとインドの時代がやってくる」という。近い将来、アフリカ系や、インド系のピアニストが世界の舞台で活躍する日が来るのだろうか?
生きることで精一杯だった時代から、経済成長を遂げ、余裕ができると、人々は娯楽や芸術に目覚め始める。そして、子供にも情操教育として楽器を習わせる人が現れる。その人口が多ければ、いずれ優秀な人材も出現することになるだろう。
しかし、数少ない一流と呼ばれるアーティストは、道徳、哲学、宗教的思考などの人間の本質と、テクニックを磨く努力が重なった時に、完成されることが多い。
ニューヨークでの出来事
豊さとは何か? と、考えさせられる事件が起こった。
メイシーズ (Macy's) といえばニューヨーク1ブロック一帯に広がる超巨大総合デパートだ。そこで、私は、驚くべき出来事に遭遇することになる。
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私はウキウキしていた。初めてのNYだったから。
私はそこで、案内役の友達とエスカレーターに乗ろうとしていた。日本のように、急ぐ人のために隣を空けたりせずに、皆が、横並びで乗っていた。
日曜日の昼下がり。私も、友達と横並びでエスカレータに乗った。
右側に私、左側に友人が立った。エスカレーターに乗りながら、友人の顔をチラチラ見ながら、他愛も無い話をしていた。
ふと、左の背後で、ざわつく気配を感じたので、振り向いた。すると、女の子の股間が目に入ってきた。下着は、つけていない。
下りのエスカレーターに乗っていたので、これは、私の左斜め上の、頭上で起きていたことだ。
よく見ると(凝視したくなくても、何が起きているのかを確認しないわけにはいかない状況!)、エスカレーターの踊り場にゴミ箱が設置されていて、そこに向かって、母親が子供に用を足させている。背後から膝を折るようにして、足を抱えているのだ。
驚愕した。私は返り血を浴びないよう、瞬発的に前を向いた。
「オー・マイ・ゴッド!」の嵐の中、私は必死で人種を確認した。それは、内陸からの旅行者らしき中国人だった。
海外生活をしていると、香港や台湾の人々と、内陸から来た中国の人との区別は簡単につくようになる。
幸か不幸か、このような事態に遭遇すると、おのずと民度について考えさせられるようになるのだ。
経済発展を遂げ、海外旅行も夢ではなくなったが、悲しいかな… 来てみた所で、いつもの所作が出てしまった、というところであろう。
経済発展でアーティストが誕生
これまでも中国系音楽家はいたが、元々アーティストの家系か、コスモポリタンでインテリな、裕福な家庭の出身が多かった。しかし、経済発展により、一般的な家庭からもアーティストが生まれるようになる。
第14回目のショパンコンクールでは初の中国人優勝者が誕生している。名前は「ユンディ・リ 」。何年も1位が出ない年が続いたあと、での優勝だ。
中国系ピアニストの活躍が目覚ましい昨今だが、今を活躍中の彼らは、いずれも1992年頃から起こる経済発展前に生まれ、発展とともに教育を受けた人達である。
コンテスタントとして、アフリカ系、インド系が備えておくべきこと
ここでNYの出来事が思い出される。
近年、アフリカでは水や電気すら届かない場所でスマホを操り、電子決済をする人々が増えている。「リープ」は飛ぶ「フロッグ」はカエルの意味で、ある国が、まるでカエルが飛ぶように一気に発展を遂げることを「リープ・フロッグ現象」というのだそう。
お金を払えば技術を磨くことはできる。そうなった時に、人間として本質的な部分もリープしてしまわないように、異文化を学ぶ準備をしておくと良いと思う。
人間としての本質を高めることは、いつの時代も、どんな時代も、決して無駄にはならないこと、だから。
自分もそう有りたいと、精進している。
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