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おじさんがおじさんに好かれる漫画「美少女化したおじさんだけど、ガチ恋されて困ってます」の魅力

みなさんは「美少女化したおじさんだけど、ガチ恋されて困ってます」という漫画をご存知か?


私はこの漫画が大好きで、今一番楽しみにしている漫画です。

どんな内容かと言うと、「キモイおじさんがある日突然美少女になって、キモイおじさんに迫られる。」という、地獄のようなコメディー漫画です。

美少女になったおじさん達が、美少女として生きる姿は可愛らしいです。
むしろ彼らは、元々がおじさんだったために、おじさんが求める、理想の可愛らしい女性を演じることができます。
男性作家が描くヒロインが魅力的であるように、少女漫画に出てくる男性が魅力的であるように、理想の異性というのは自らの脳内にあると言ってしまってもいいかもしれません。

昔、2chにこんな書き込みがありました。「男の娘は、最初から女の子ではなくて、誰よりも女の子になりたいと強く願っていたのだから、より強固な女の子なんだ。」と。
私はこの理論が好きです。少年漫画の主人公が最初から強かったら面白くないのと同じです。それなら最初から女の子よりも、後から女の子になった方がより魅力的だというのは、あながち間違っていないと思う。

しかし、そんな魅力的な美少女をおじさん達が放っておくわけがなく、彼らは過去の自分に似た迷惑なおじさん達に好かれてしまうんですよね。

この漫画の面白い所は、この美少女になったおじさん達は、元々魅力がなくて異性に嫌われるような男性なんですよね。所謂、キモオタクな訳ですよ。アイドルオタクが美少女になって地下アイドルを目指したら厄介ファンに纏わりつかれたり、セクハラおじさんが美少女になったら別の同僚にセクハラされたり、童貞同士で絆を深めていた親友に美少女になった途端に迫られて友情を破壊されたり。

この漫画の凄いところは、醜と美を徹底的に描いているところです。光があり闇があるのと同じで、美というのは醜いものがあるから成り立つ訳のです

私は個人的にTSF漫画が好きでよく読むのですが、こういった視点というのは意外とない。
お決まりのパターンというのは、中性的な美少年が美少女になるというパターンだ。個人的にはこれは、あまりおもしろくない。
美から美に移行するよりも、美しいものが醜くなったり、醜いものが美しくなる方がより本質的だと思うのです。

もちろん性別による超越性やギャップを描いている素晴らしいTSF漫画はあるのですが、こういった美醜に対して描いている漫画というのは、そこまで見かけないんですよ。

私個人が思うTSF漫画の魅力は、美しいものを見た時の、あのえも言われぬ強く魅了される気持ち、そしてそれを一瞬で自分の身に宿してしまう。
これこそがTSF漫画における最大の魅力だと思います。

この漫画はそういった「美」もしくは「異性の恋愛」における本質のようなものを描いているのではと思います。
簡単に言ってしまえば、相手の視点に立つ、ということです。
この漫画はそういったメタ視点が素晴らしく、読んだ後はあなた達も美しい美少女に一歩だけ近づけるはずです。

おじさんのみなさんたちはぜひ読んでみてください。

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