第1回 依頼されてないのに勝手に書籍化シリーズ 「『褒める』はつくりだす」 「2、「褒める」のつくりだし方」
2、「褒める」のつくりだし方
本来ならば、ここで「褒める」とは何かという概念的なことを述べることが多いと思うのですが、結論からお話します。
私は、褒めるをつくりだすために「仕掛け」を作ります。
(例)新しいクラスを受け持った4月当初の様子
私は、休み時間前に教室のドアを人が横向きに通ることができるくらいでわざと開けておきます。
※開くのはこの画像くらいです。体を横向きにするとドアを触らなくても通れるくらいです。
みんな器用に体を横にしてドアを通っていきます。ある子が出てくるまで私は待ち続けます。
「ガラガラ(ドアを開く音)」
そう、私が待っていたのは、「ドアを開ける子」です。
ただし、今は休み時間なので、声をかけません。褒めるからと言って子供たちの貴重な休み時間を奪ってはいけませんので。
次の授業開始の挨拶終了後、私はドアを開けた子に確認をします。
私:「Aさん、さっきみんなこうやって体を横にしてドアを通っている子が何人かいたけど、Aさんはドアを開いていたね。その行動いいなぁと思ってみていたのだけど、どうしてドアを開いたの?」
A:「狭くて通りにくかったので、ドアを開けました。」
私:「たしかに、みんな狭いから体を横にして通っていたもんね。その狭くて通りにくいドアを開いて通りやすくしてくれたんだ。その行動、Aさんが開いたあとはみんな普通に通ることができていたらか、みんなのためになっているね!ありがとう!」
この後、もう一度ドアを先ほどのように仕掛けます。すると、最初に体を横にして通って行った子たちがドアを開けて通るようになります。それを私は見逃しません。
※次の授業開始挨拶後
私:「Bくん、最初は体を横にしてドアを通っていたけど、さっきはドアを開けていたね。どうして開いたのかな?」
B:「Aさんが通りやすいようにしていたので、ぼくもそうしてみました。」
私:「いやぁ、すごいなぁ。こうやって人のいいところをすぐに取り入れて実行できるってすてきなことだね。Bくんが早くドアを開いてくれたからその後のみんなは通りやすかったですね!ありがとう!」
というように、教室のドア一つで褒めることができます。
これは他のことにも応用することができ、
◯黒板を中途半端な状態で消し、「あ、そういえば!」と私がつぶやいて教室を出る。戻ってきて黒板が消されていたらすぐに、「ありがとう!!誰が消してくれたの?」と聞き、その行為を褒める。
◯朝みんなが登校してくるときに、教室の掃除をしている私を見て、掃除を一緒にやってくれる人がいたら褒める。
というようにあげ出すとたくさんある「褒める」をつくりだす仕掛け。
私は、意図的に仕掛けをし、褒めることを行なっていきます。
ただ、褒めるにも段階があるので、次は褒める段階や褒め方について述べていきたいと思います。
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