禍話リライト 怪談手帖『とっくに……』
以前、とある集まりで怖い話が話題となったことがある。
突発的だったこともあってタネはすぐに尽き、いわゆるブラック企業の怖い話が主役となってしまった。
僕(怪談手帖の収集者、余寒さん)は聞き役に徹していたのだが、座の終わり頃になってお鉢が回ってきた。
結局、自分の知るその系統での怖い話。『つ』というひらがな一文字にまつわる怖い話を語ってみたものの、そこは語り慣れない素人の悲しさ。怖がってもらうどころか話の要点すら上手く伝わらず、何とも今一つな反応で終わってしまった。
(※禍話