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詩ことばの森(116)「あこがれの山」

あこがれの山

遠い山に   昔
住んでいたことがあった
そんな記憶が
なぜかよぎることがある
根拠もなにもないけど
山はなぜか懐かしい

街に暮らしていると
ふと山に行きたくなる
そこになにかがある
というわけではないけど
今日も山にひかれて来たのだ

そういえば
亡くなった祖父が言ってた
祖父の祖父は
山の神社の神主だったそうな
もちろん僕は行ったこともないけど

人の心は不思議なものだ
なぜだかわからないことだらけだ
まして自分の心など
本当にわからないし
あてにならないものだ

はっきりしてることといえば
僕は山が好きだということ
それだからなんだというものではないが
よくよく考えてみてばおかしなことだ
そんな気持ちで山を眺めている

  (森雪拾)

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