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はじめてのインド旅行記 ~一度は行ってみたい、タージ・マハル!~

アーグラに来たのは、まぎれもなく「タージ・マハル」を訪れるためだった。

「タージ・マハル」といえば、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃のために建立した総大理石の墓廟である。
世界遺産に登録されており、インドを旅することが決定した時に、一番最初に候補に挙げた目的地だった。

旅を共にする彼女の両親は、新婚旅行でインドを訪れた際にタージ・マハルに寄ったらしい。彼女は、彼女のお母さんがタージ・マハルの前で楽しそうに映っている写真を数枚見せてくれた。彼女にとっても、訪れたい場所だった。

そんなインドのハイライトとなりそうな日の始まりは、身体が重かった。
先日からの体調不良が治りきっていないことと、前日に気持ちよくシャワーを浴びられていないことが関係していそうだ。

インドに限らず安宿あるあるであるが、ホットシャワーが出ず、洗髪できなかったので、生理的欲求が満たされていない。(というか、その前の日もシャワーを浴びていないので、すごく不潔な状態)

1月の北インドは寒く、防寒が必須。
服を何重にも着て、髪を1つにくくり、不衛生を隠して外に出る。

バナナを1本購入することに成功した彼女(本当は1房から)

タージ・マハルへ直行したかったが、インドの伝統衣装「サリー」を着てみたい!ということになり、レンタル衣装屋の営業が午後からだったので、午前中に他の観光地を巡り、午後にタージ・マハルに行くことにした。

まずは、宿から一番近くにある、世界遺産のアーグラ城塞へ。
城塞が建立されてから、首都がアーグラ→デリーに遷都されるまでの約65年の間、歴代皇帝の住居であったようだ。タージ・マハルを建てた皇帝シャー・ジャハーンは、息子との権力争いに敗れ、生涯を終えるまでこの城で幽閉されていたとのこと。

まず目に入るのは赤い壁。この地方で採取される赤砂岩が使われているのだとか。

アーグラ城塞で起こった親族間のドロドロの戦いとは裏腹に、花のモチーフや幾何学的な模様が壁面を覆いつくしている。

さすがは皇帝の住居。
広い、豪華、綺麗!城塞の中に庭があったり、部屋の中に噴水があったり。

階段を登り降りし、現在地が分からなくなった頃に、見晴らしがよいところにたどり着く。
窓からは、アーグラの街一帯が見られる。遠くにはタージ・マハルも見えた。

シャー・ジャハーンも、ここからタージ・マハルを眺めていたのだろうか。どんな気持ちで過ごしていたのだろう。少し切ない気持ちになった。

花のモチーフが可愛い
遠くに、タージ・マハルが霞んで見える

アーグラ城塞を出る頃には日が真上まで昇っていて、気温が上がっていた。

帰路ではリスが走り回っていた。物珍しい光景だったので、彼女がリスを追いかける。
近くにいたおじさんが、リスの餌を手渡してくれた。
彼女は喜んでリスに餌をあげて、私はそれを撮影していると、ニュッと太い腕が伸びてくる。

きっとここは観光客の狩り場だったのだろう。
このおじさんは、私たちのような、野生のリスに興味津々な観光客に、餌を渡して金を稼ぐことで有名なのかもしれない。

餌はリスの腹の中。
お金を渡すしかない。

彼女は少しばかりのコインをおじさんに手渡した。

「ONLY THIS??!(これだけ??!)」

おじさんの声は裏返っていたが、私たちは振り返ることなく出口へ向かった。

レンタル衣装屋の営業開始まではもう少し時間があったので、衣装屋の近くのお店で昼食を取ることに。

ただ、食欲は、ない。
というか、私たちは、カレー(とインドのご飯)を食べたくない、ということで意見が一致している。

衣装屋の周りを歩いていると、「Domino's Pizza」の文字。

私たちの入るべき店が決まった。
せっかくインドに来たのに・・・とかいう感情は、湧かない。

日本ではお世話になる機会があまりなかったドミノピザだが、砂漠の中で見つけたオアシスばりに、私たちを歓喜させた。

ピザと7 up で約370円の食事。
インドで食べる食事としては高いかもしれない。
でも、そんなことはどうだってよかった。

食欲を満たし、英気を養ったので、衣装屋へ向かう。
日本の旅行会社HISのインド支店が運営している店のようで、スタッフは流暢な日本語を話していた。

様々な色やデザインのサリーがある。
5分くらい迷った結果、彼女は青、私はピンクのサリーに決めた。
女性スタッフがサリーを着せてくれ、私たちはオートリキシャに揺られてタージ・マハルへ向かった。

インドが誇る世界遺産、タージ・マハル。セキュリティが厳重で、入場するには、セキュリティゲートと荷物チェックを完了する必要があった。

少し進むと人だかりができている。
目の前には、待ちに待ったタージ・マハル!
写真で見る通りの、白亜で左右対称の建造物!

中央を走る噴水(?)のターコイズブルーと、タージ・マハルの純白のコントラストが美しい。タージ・マハルと門をつなぐ直線の外は、きちんと手入れされた庭が広がり、こちらからの眺めも抜群だ。

インドの方にも人気の観光地のようだ

サリーを着て盛り上がっている私たちは、思う存分写真を撮りながらも、順路を進む。
タージ・マハルの中に入れるのだが、ここは撮影禁止。
中の装飾も、もちろん美しく、シャー・ジャハーンの愛妃に対する愛情で溢れていた。

この建物を建てるのに、約20年もの歳月と、常時2万人ほど建築に従事していた職人と、莫大な金がかかっているのだから、愛とは狂気である。

タージ・マハルの裏側にある建物。色も柄も、とても美しい

夕方になり、サリーを返却し、オートリキシャで宿まで戻る。
道沿いでは玉ねぎを売っている行商がいたので、1つ買った。

宿のキッチンを借り、彼女がスープを作ってくれた。
さっき買った玉ねぎと、日本から持ってきた辛ラーメン入りの、ピリ辛スープ。

失った食欲が、スッと戻り、一瞬で器を空にした。

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