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パーソンズ美術大学留学記(完)

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パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでの学びについて書いた記事です。2021年9月から23年5月までほぼ毎週連載していました。
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#最近の学び

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week17(終) #301

卒業卒業式が終わり、パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでの全予定が終了しました。「盛り上がった時に『Whoooooo!!』という歓声が聞こえてくるのもこれで終わりなのか」と思うと寂しいです。お互いに撮り合った写真はGoogle Folderで共有するというのもイマドキのアルバム作りという感じ。 同級生や先生たちと会えなくなるのがまだ信じられません。でも、不思議と寂しくありません。またどこかで会える気がするのです。彼らが有名になってニュースで

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week15&16 #299

今週は卒業制作の発表会があり、私も無事に発表を終えました。英語で15分間もプレゼンをするというのは初めてでしたが、適度に笑いを取れたし「ストーリーが簡潔でわかりやすかった」と複数人から言われたので、個人的には納得のいく発表になりました。なお、卒業制作の内容は以下の記事にまとめています。 メンタルヘルスケア月間この二週間は特にプレッシャーのかかる日々でした。色々と思い悩む人もいて、涙を流す姿を見た人も何人かいます。私も鬱々とした気分で過ごすことが多い日々でしたが、なんとか乗り

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week13&14 #298

授業ではおよそ二週間後に迫る最終発表に向けての準備が進んでいます。「Exhibitionで何を展示するのか」「Presentationで何を発表するのか」などを現時点でシミュレーションをしています。 たとえば、Exhibitionでの展示場所やPresentationの順番をどうするかを考える場面がありました。こうした行為を「キュレーション」と呼ぶようです。ディズニーランドやUSJなどのアミューズメントパークにおいて様々なアトラクションを一つの園内に収める時に、似ている雰囲

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week12 #295

今週のニューヨークは30度越えの日もありました。4月にして真夏日を記録するとは。今学期も残り約一か月と佳境を迎えるので、忙しくなる前に散髪を済ませておきました。 フィードバックをする時に意識していること今学期の授業は卒業制作の進捗報告とそれに対するフィードバックというスタイルで進んでいます。今週はDiscussantというフィードバックの方向性をリードする役目で、どんなフィードバックをしようかと考えていました。留学してからフィードバックや批評をする(&される)機会が多く、ノ

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week10 #293

学校からの帰り道、キャンパス近くにあるUnion Square Parkの桜が満開になっているのを見つけ、春の訪れを感じました。そうかと思えば氷点下になる朝もあって、体温調節が難しい時期です。 Thesis現在取り組んでいる卒業制作は、ExhibitionとPresentationとWritingの3種類のアウトプットが求められています。今回の授業では中間発表を終えて初めての授業ということで、あらためてその妥当性について1時間以上にわたる議論がなされました。 学生からすれ

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week9 #292

一週間の春休みが終わり、春学期も後半に突入。卒業制作もそろそろ仕上げといった時期。全ての授業が発表とフィードバックの形式で進んでいくことになりそうです。 そのため、今後は授業で先生から教わったことを体系的に整理してから書いていくというよりは、私個人の進捗や気づきがあれば気まぐれに書いていくことになりそうです。とりあえず今週は箇条書きでメモしておくことにします。 noteが人とのご縁を結ぶ今週はnote主催のマガジンに2つも選んでいただきました。特に『退屈な時は、何もしなく

パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week1 #277

今週から新学期が始まりました。2021年秋の留学開始時点から続けてきた「パーソンズ美術大学留学記」シリーズも完結編となるシーズン4(2023 Spring)に到達しました。泣いても笑ってもこれが最後の学期。学校生活は残り15週間しかないので、グズグズしている余裕はありません。全力で駆け抜けていきます。 Thesis/Transdisciplinary Design Seminarさて、今学期の授業は"Thesis"とTransdisciplinary Design Semi

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week16 #266

Week12から学校がストライキに入って授業がない日々を過ごしていたので、それに合わせて『パーソンズ美術大学留学記』もお休みしていました。 約一ヶ月間に及ぶストライキも、今学期の最終週であるWeek16を前にしてついに終了しました。といっても、いきなり最終課題の発表をしなければならにということにはなりませんでした。学校側からストライキ前までの提出物等で成績をつけるようにという通達も出ているようです。 この記事ではストライキ中の進捗を簡単に書いておくことにします。 Sup

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week11 #258

ハロウィンが終わって11月に入ると、ニューヨークは少しずつクリスマスムードが漂います。今学期もあと一ヶ月ほどで終わってしまうし、2022年も終わりが見えてきました。そろそろラストスパートをかける時期を迎えています。 Professional Communication今週の課題は「実際に仕事に応募してみよう」というものでした。一週間で応募書類を準備して実際に応募するのは酷なので、自分の入りたい企業の募集要項を見ながら自身のポートフォリオなどをつくってみるというシミュレーショ

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week10 #256

暑くもなく寒くもなく、秋らしい一週間でした。道端には落ち葉が溢れていて、ブロワーで掃除をする人を近所でよく見かけます。どの授業も約6週間後に控えた最終発表に向けて忙しくなってきていて、そろそろこの留学記の更新が怪しくなってくる頃でもあります。 Professional Communication今週は、これまでに作ったポスターを誰かと交換して、そのポスターを編集・再構築するという課題でした。これまでと違って自分で内容のアイデアを考えなくていいという点では楽ですが、すでに完成

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week9 #254

今週はハロウィンウィーク。店内や広告もハロウィン一色です。特に私はハロウィンらしいイベントには参加せず平常運転なので、いつもと変わらない一週間ではありましたが。 Professional Communication今回は、先生と1on1で20分ほど話す機会がありました。テーマは何でもいいということだったので、先生が禅(曹洞宗)の実践者でいらっしゃることもあり、「禅や仏教の教えをどうやってデザインに落とし込むのか?」について話しました。 たとえば、資本主義では人間が欲望(ニ

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week8 #251

学期末に向けてのグループワークが始まる授業が多く、授業外でのミーティングも増えてきました。「とりあえず集まろう」とか「みんなの進捗を発表し合おう」などの機会が増えて、一人で考えたり作業したりする時間が減るのが今の悩み。 Superstudio今週からは学期末の最終発表に向けてmicrostudioと呼ばれる実践形式のスタイルに入ります。授業では、今学期の残りのスケジュール等の確認と現時点での最終発表に向けての各グループのアイデアを共有しました。ここではデザインプロセスについ

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week7 #248

季節の変わり目だからか、体調を崩す人を見かけるようになっています。そういう私も風邪気味で過ごす一週間でした(検査したら某流行り病ではなかったのが不幸中の幸い)。 Superstudio今週から"microstudio"という今学期の後半パートが始まり、以降の授業では3or4人のグループに分かれて各グループが興味のあるトピックについて取り組むことになります。今回はそのグループ分けをする時間でした。 とはいっても、今後の授業がどのような流れで進むのか、最終発表はどのような形式

パーソンズ美術大学留学記シーズン3 Week6 #247

まだ10月に入ったばかりなのに、手袋なしでは手がかじかむほど寒い日もありました。ダウンジャケットを着ている人もちらほら。ニューヨークの冬はもうすぐそこかもしれません。 Superstudioまずは、Transdisciplinary Designらしさについての講義から。ここではコンサルティングのように「相手は困っていて自分たちが答えを知っている」と自他を区別をするスタイルは推奨しないとのこと。これまでの対話(Narratives)を重視するという姿勢からは納得のアドバイス