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第4回 仮設トイレが避難所に届けられるのは、いつ?

毎週月曜日の更新する災害時トイレの連載です。
災害時のトイレ塾生のみなさま、おはようございます。寒暖の差が激しい毎日ですが、みなさん体調は大丈夫ですか?
トイレの備えにつながることをできるだけ分かりやすくお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。

今回は「仮設トイレが避難所に行き渡るまでに必要な時間」ということを説明します。

仮設トイレといのうのは、建設現場やイベントなどに設置される移動式トイレです。花火大会やマラソン大会、野外フェスで使ったことがある人もいるのではないでしょうか?
皆さんが住んでいる市町村の防災担当者は、おそらく災害時にこの仮設トイレを避難所に手配すると思います。

では、仮設トイレがどのくらいで避難所に到着すると思いますか?
そんな疑問を抱いた私たちは、東日本大震災で被災した自治体にアンケートをすることにしました。

「仮設トイレが避難所に行き渡るまでに要した日数」を尋ねたところ、3日以内と回答したのは34%、4~7日17%、8~14日28%、15~30日7%、1ヶ月以上14%でした。ちなみに最大は65日でした。

調査:名古屋大学エコトピア科学研究所 岡山朋子(2012年)
協力:NPO法人日本トイレ研究所

約7割が4日以上かかった、ということになります。
皆さんはこの結果を、どう受け止めますか?

仮設トイレは、災害時にトイレを確保するための有力なメニューのひとつです。ただし、仮設トイレの移送には、ほとんどがトラックを用いるので、道路が機能していることが前提になります。
災害時は、地盤沈下や液状化、建物倒壊、ガレキなどで道路が塞がれてしまう可能性が小さくありません。そのため、仮設トイレの調達がスムーズにできるかどうかは、そのときの状況にならないと分からないのです。
さらに、広域的な災害や大規模な災害になるとたくさんの仮設トイレが必要になるため、供給が需要に追いつかなくなります。

仮設トイレに限らず外部から調達する物資は不確定要素が多いため、それに依存することは避けなければなりません。

やはり、自助で最低3日間、できれば7日間くらいは備えておきたいものです。これは個人や組織の備えはもちろんですが、自治体においても最低3日間分は地域に備えておかないといけません。

外部から物資を調達するための協定を締結することや、支援を受けれるための体制を整えることは大事ですが、それだけに頼ってしまうのは危険です。とくに災害時にトイレが必要になるスピードは、私たちが思っている以上に早いです。詳しくは以下の「第1回 発災から3時間以内に38.5%の人がトイレに行く」の記事を参考にしてください。

それでは、今日という日が、皆さんに素敵な日になりますように。


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