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小学生4,777人にうんちについて聞いてみた


前回の記事で、便秘には基準があるということはご理解いただけたかと思います。

子どもたちの健康をトイレからサポートする日本トイレ研究所としては、子どもたちがちゃんとうんちをしているのか、というのはとっても気になるところです。

そこで、全国の小学生の排便事情を調査してみました。

全国レベルで小学生の排便状況を調査するというのは、もしかしたら初めての試みかもしれません。でも、本当はそれではマズイと思います。

小学校で学ぶことは学習指導要領が基本となり、総則に以下の内容が記載されています。

学校における体育・健康に関する指導は,児童の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,体育科の時間はもとより,家庭科,特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。

ということは、心身の健康の保持増進を計る指標である「うんち」の状況を把握することは重要だと考えます。

本来なら、国として把握しておくべき重要なデータだと思うのですが……。

まあ、それはさておき、そんなに重要ならやってみようということになりました。


全国4777人にアンケートした結果

2017年3月、全国47都道府県の小学生の保護者4,777名(調査画面の前に子どもが同席のもと、保護者が代理回答)にインターネットでアンケートを実施したところ、小学生の6人に1人(16.6%)が便秘状態であることが分かりました。さらに、5人に1人(20.7%)が便秘予備軍にあたることがわかりました。つまり、これらを合わせると3人に1人!ということになります。

育ち盛り、伸び盛りの子どもたちの結果がこれですよ。

私はこの結果を深刻に受け止めるべきだと思います。

しかも、便秘状態に該当する子どもの保護者のうち37.6%が自分の子どもを便秘状態だと認識していないことが明らかになりました。

そうです、気づいていない、もしくは分からないのです。

そもそも、うんちがどのくらいの頻度で、スッキリと出なきゃいけないのかを知らないのかもしれません。

そりゃそうですよね。もし、親自身が1週間に2回以下しか、うんちをしなかったとしたら、子どももそれが普通だと思います。

知らないことで便秘を放置してしまうことは、とても恐ろしいことです。

また、「学校でうんちをしたくなった時、我慢することはありますか?」という質問をしたところ、「よくある」(10.1%)「ときどきある」(46.2%)を合わせると、6割近くの子どもが学校でうんちをしたくなった時に我慢していることがわかりました。

「あるある~、私たちの子どもの頃もそうだったよね~」なんて言ってる場合じゃないです!

この状態を一刻も早く改善すべきだと思います。

うんちを我慢して、給食をおいしく食べることは出来ませんし、
うんちを我慢して、元気に運動することは無理だし、
うんちを我慢して、勉強に集中することも出来ません。

また、別のときに実施した調査の結果ですが、保護者に便秘になって困っていることは何ですか?という質問をしたところ、もっとも多かったのは「イライラする・気分が優れない」でした。

当然、子どもだって同じですよね。

便秘でイライラするでしょうし、友達と仲良くできなかったり、嫌なことを言ってしまったりすることもあると思います。

とにかく、早急に改善に取り組むべきです。


小学生のうんちについて3つの提言

そこで、以下の3つの取り組みを考えました。読者のみなさんにも、ぜひサポートしていただきたいと思います。

サポートの方法は、①この記事をシェアする、②家庭や職場で話題にする、③学校関係者に伝える、の3つです!
どうぞよろしくお願いいたします。

その1.小学1年生にうんちの大切さを伝える授業をしよう!

 なぜ、うんちをすることが大切なのか、どのようなうんちがいいうんちなのかなど、日本中の小学1年生全員に「うんちのすごさ」を伝える授業を実施することを提案します。

1年生の多くは、うんちに興味津々です。この時期を逃すわけにはいきません。子どもたちの興味を正しい知識と習慣につなげるのです。クラス全体で、学年全体で「うんちをすることはいいことだ!」という空気をつくることも大切です。

学校の先生がこのような授業をしてくれたらよいと思いますし、保護者の方々が熱く語っていただくのも効果的だと思います。


その2.うんちがしたくなったら、授業中でも行けるようにしよう!

もちろん、トイレはできるだけ休み時間に行くように促した方がよいですが、それでも授業中に行きたくなったら、我慢せずにトイレに行くべきです。

短い休み時間では時間が足りないかもしれませんし、体調が悪くて突然便意をもよおすかもしれません。腸に疾患を抱えているかもしれません。また、みんながワイワイガヤガヤしているトイレでうんちをするのが苦手という子どももいます。

心身の健康をサポートするためには、行きたいときにトイレに安心して行ける環境をつくってあげましょう。


その3.親子で学校のトイレ掃除をする機会をつくろう!

老朽化したトイレは速やかに改修してほしい、というのが本音ですが、予算措置に要する時間や計画もあると思います。だからといって、ただ待っているわけにはいきません。

そこで、大人が本気になってトイレを良くしようとする姿勢を見せることを提案します。便器だけでなく、床、壁、天井など、トイレをまるごと本気で掃除するのです。ペンキを塗ったり、飾りつけをしたら、なお良いです。できれば子どもと一緒にやることをお勧めします。大人が一生懸命取り組んでいるところを間近で見てもらうことや自分たちの力でトイレをきれいにすることができるという体験を共有すると、トイレを大切に使う心も育むことにつながります。

困ったときこそ、大人の出番だと思います。

みんなで力を合わせて、子どもたちのトイレ環境をよくしていきましょう!


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