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トイレットペーパーの新潮流 8ロールパッケージの需要が高まる理由

これまでに、「もう間違えない!トイレットペーパーの表裏の見分け方」「トイレットペーパーは、実は水に溶けてはいなかった」「トイレットペーパーの未来はHF値が握っている?」という3つの謎について書いてきましたが、今回は、トイレットペーパーの8ロールパッケージの需要が高まる理由です。

私たちの知らないところで、トイレットペーパーは小さくなっていたのです!

本題に入る前に、みなさんは1回あたりにどのくらいの長さを使っていますか?

そうですよね、ほとんどの人はすぐに答えられないと思います。

ということは、貴重な木材を原料にした、日本の技術の結晶であるトイレットペーパーを何も考えずに使っているんではないでしょうか?

ときには、イライラしてぐるぐるぐるぐるっと、たくさん巻き取っていませんか?

以前に、日本トイレ研究所では1回あたりのトイレットペーパー使用量の簡単な調査をしたことがあります。

どうやって調査したかというと、トイレに入ったとき、まずはいつもの調子でトイレットペーパーを必要なだけ手に取ってみて、それを使う前にもう一度伸ばして測ったのです。

この調査に協力してくれたのは42名(男性23名、女性19名)でした。その結果は、以下の通りです。

サンプル数が少ないので、これが平均値だ!なんてことは言えませんが、参考になると思います。ぜひ、みなさんも一度測ってみてください。

王子ネピアによれば、今から40年くらい前に、4人家族が1か月に使うトイレットペーパーの消費量がおおよそ12ロール(シングル60m)だったことから、12ロールパッケージが商品化されたそうです。

この12ロールパッケージって、かなり定着していますよね。私の場合は、12ロール以外、買ったことがありませんから。

ところが、いま、家庭向けのトイレットロールのパッケージに変化が起きているのです。

最近、8ロールパッケージのニーズが高まっています

肌ざわりはそのままキープしながらも、強く巻きつけることで、通常1巻60メートルのところを90メートルにしたのが「ロングロール」です。

ちなみに王子ネピアは1997年から商品化しています。

商品としては20年以上前から存在するものが、最近になって需要が高まってきているのはなぜだと思いますか?

ポイントは4つあります。

1つ目、家庭のトイレはそもそも狭いので、モノを置いたり収納したりする場所が限られています。そのため、同じ長さでコンパクトなトイレットペーパーは重宝されます。最近は、女性の社会進出が進んだことや共働きの世帯が増えていることから、買い物や交換作業も出来るだけ効率化したい!というニーズもあります。

2つ目、オフィスや商業施設などでは、トイレットペーパーの交換も1つの作業です。作業はできるだけ省略したいものです。そうです、時短です。そういった意味でも、長巻きは交換の手間が効率化できるのでありがたがられます!

3つ目、トイレットペーパーはかさばってしまう商品の1つです。小売店にとってロングロールは、スペースをとらずにより高い単価で販売できることから、棚効率が改善して収益アップにつながります。さらに、品出し作業が少なくなることで⼈件費が削減できます。

4つ目、最後は物流業界の人手不足です。運ぶ人が減っているので、メーカーとして出来ることは、運ぶ物のサイズを小さくして、トラックにできるだけたくさん積んで運びやすくすることが工夫ポイントです。1度にたくさんのものを運ぶことができたら、輸送コストが低減できるし、環境にもよいです。

このように、今はロングロールのトイレットペーパーに光があたっているのです。

もちろん、トイレットペーパーの開発技術が進歩しているからこそ、紙を強く巻いてもエンボスをつぶさず、品質が維持できるようになっています。

これからも、日本の技術の結晶であるトイレットペーパーの進化に大いに期待しましょう!


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