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第20回 1回あたりに便器に流れる水量って、知ってます?

みなさん、こんにちは。
毎週月曜日に更新する災害時トイレの連載です。
なのですが、今回はちょっと早めに公開します。

8月3日は徳島県町村議会、4日は下水道展、5日は公益財団法人 文字・活字文化推進機構による「自ら動き出す防災・減災教育を考える集い」に参加しました。いずれも災害時のトイレ問題の深刻さを伝える機会をいただき、感謝しております。


さて、今回のテーマは「第20回 1回あたりに便器に流れる水量って、知ってます?」です。

水洗トイレは水が必要です。

この水の役割は大きく2つあります。
1つは、便器の汚れを落とす、もしくは便器に汚れをつかなくすることです。2つ目は、大小便とトイレットペーパーを下水道や浄化槽まで、詰まることなく運ぶためです。

断水時、もし外部から水を確保できるのであれば、トイレに流す水を運ばなければなりません。そのためには、1回あたりの洗浄水量を把握しておくことが必要です。

便器のタイプによって異なりますが、大便使用時の洗浄水量は、国内の家庭用水洗便器において、もっとも節水型は約3.8リットルで、世の中に普及していると思われる節水型便器は約6~8リットルと言われています。また、少し古いタイプの便器は10リットル以上になります。

断水時に必要な水量は「洗浄水量×トイレ使用回数×人数」となるので、仮に4人家族で一般的な節水便器だったとしたら、1日に必要な水量は以下の計算になります。

6リットル×5回×4人=120リットル

2リットルペットボトルが60本。。。
風呂の浴槽は大雑把にいうと200~300リットルくらいなので、仮にたっぷり残っていたとしても2日間しかもちません。。。

新たに確保すると言っても、とても人力で運べる量ではありませんね。

便器洗浄水の役割は、便器内の大小便とトイレットペーパーを便器から排出するためだけではなく、適切な場所まで運ぶ役割もありますので、勝手に水量を減らすと詰まり等が発生する可能性があります。

ちなみに、日本レストルーム工業会において「大便器汚物搬送性能」という基準が定められています。
「5回の測定結果のうち、最大値、最小値を除いた3回の平均搬送距離が10m以上とする」

ということで、便器から排出するだけでなく、その先もしっかり流れていってくれないと詰まっちゃうので、洗浄水量って大事ですよ、という話でした。

衛生器具に関する工業会基準 大便器汚物搬送性能
http://www.sanitary-net.com/trend/images/data03/decision02_decision_conveyance.pdf


■案内
2022年9月1日は東京都と共催で「防災トイレフォーラム2022」を開催します。オンライン視聴(無料)ができますので、ぜひよろしくお願いいたします。


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