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Who am I ? #4

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よろしければ順番に読んで頂けると嬉しいです。



彼女の右頬についたご飯つぶを取ってあげて、
さっき思い出したというか、あったのかもしれないということを伝えてみた。

「前にもあったよね、こんなこと(笑)」

「あぁ、まぁ~あったけど、言わなくてよくない!?」

「ごめんごめん!なんか思い出しちゃったからさ」

「でも、あれって牛丼のときだっけ!?」
「なんか違ったような気がするー」

「いやいや、それって重要!?何丼でもいいんじゃない!?」
「何にせよご飯つぶをつけていたわけだし(笑)」

「いやいや、すごく大事なことだよ!」
「だって、モネくんは牛丼食べてないじゃん!」

「あっ! ってことはレオくんなのね!?」

(モネ!?だのレオ!?だの言われても、自分が誰なのかわかっていないのに何がなんだかなぁ~)

(ただわかったことがある…どうやらボクはモネなのかレオなのかのどちらかのようだということ)

(こうなったら一か八かで、話を合わせてみることにしようか)

(いやぁ~それも危ないかぁ、あまりにも知らないことがありすぎるしなぁ~)

(でもな…とりあえず返事をしておこうか、
ずっと何も答えないの変だしなぁ~)

(って思ったんだけど、
ボクってレオって名前なの!?)

(レオってあだ名なのかなぁ、本名がレオなのか?)

(レオナルド、レオン、レオタード、オレオ……
えっ!?ボクって外国人!?)

(いやいや、日本語以外しゃべれないだろ(笑))

(っていうかそんなことも覚えていないので、
もしかしたら英語とかしゃべれたりするのか!?)

(いやいや、そんなことあるか(笑)
さっきからずっと日本語で話しているんだから、
日本語だろ(笑))

(というかさぁ~モネは牛丼食べないの!?
牛丼を食べるから、ボクがレオってどういうことだよ)

(本当にボクってレオなのかなぁ!?)

(ってずっと頭の中でしゃべってるだけなのもなぁ)

「あっ、ボクってレオなの!?」
「っていうかモネって誰!?」

自分の頭の中だけで纏まりきらないうちに、口が先に言葉を発していた。

結局発した言葉は彼女の問いかけに対して、また質問をしてしまうという全く会話の前進に繋がらない言葉だったけど、この問いかけに彼女が答えてくれれば自分が何者であるかを知られるきっかけになるような気がしている。

「なの!?質問の答えにまた質問してきて!
ってレオくんだよ!たぶんだけど…ね」

「だって、牛丼食べてたし、
卵をすごく泡立てていたし…
紅しょうがも…」

「あと、モネくんはモネくんだよ!
二人は兄弟じゃん!」

「モネくんが誰かわからないってどうしたの!?」

「なんか昨日っていうか、
今朝まで呑んでたみたいだから、また寝ぼけてる?」

「ってさっきから思ってるんだけど…、
もしかしてなんだけど……
レオくんはレオくんがわかってないの!?」

「なんかずっと変だよ!
ずっと質問してくるし」

と、彼女は問いかけに対するボクの問いかけに順序だてて、ちゃんと答えてくれた。
が、また答えなければならない状況だなぁ。

(どうすればいいんだ~、わからないことをわからないと言うべきなのか)

(ただ、そんなこと言って、ちゃんと伝わるのかなぁ)

(でも、わかったこともある、
なるほど、どうやらボクはレオという名前らしい(笑))

(名前はわかったし、どうやらボクにはモネという兄弟がいるらしいが、モネが兄貴なのか!?ボクが兄貴なのか!?そこは確認しないとなぁ)

(ってモネってどんな字書くんだろ…ってレオもか(笑))

(ということは、レオは本名なのか)

なんてどうでもいいことを考えながら、
彼女が教えてくれたことを頭のなかで整理していく。

(昨日…今朝まで呑んでいた…うーん、記憶にない)

(というか記憶は何もないんだけど(笑))

(誰と呑んでたんだろか…今朝までは誰かと居て、
その時は記憶があったのだろうか)

(ってもうその記憶がないんだよね。
いつからいつまでの記憶がないんだ?)

なんてまた頭のなかで自分に対して自問自答していると、彼女が続けて話しかけてくる。

「ね~、ね~、レオく~ん、聞いてる?聞こえてる?」

「ずっと変だよね?」

(自分が頭のなかで考えている間も彼女は何か話しかけてくれていたようなのだが、聞いていなかったので)

(自分が今置かれていること、ちょっと変なのだと答えてみよう)

「そうなんだよ!なんかさっき変な感じでさぁ」

「なんか昨日のこととか覚えてなくて、ボクって誰と呑んでたのかなぁ~とか?」

「今朝帰ってきたのも全然覚えてなくて、気づいたら寝てたし」

「だから、昨日の話したことも忘れちゃっててさ」

「目が覚めたら、君が牛丼を食べていたんだよね~」

と、とりあえず頭に浮かんだことをノータイムで、
彼女に投げかけて、彼女の言葉を聞くことにした。

「あのね。まずなんだけど、昨日のことを覚えてないというか、レオくんは自分のことがわからなくなってるってこと?」

「なんかずっと変だよ、なんかレオくんなのに
自分のことをボクって言っちゃってるし(笑)」

「それに私のこと、君って!
そんなこと、今まで一回も言われたことないから(笑)」

「君って呼ばれるのは、なんかぞわぞわする~」

「君って呼ぶくらいだから、
私のこともわかってないんだよね?」

「私の名前は覚えてる?覚えないかぁ」

「私の名前はね、キノって名前なの」

「あとね…これは覚えてて欲しいんだけど……」



「……私はレオくんの奥さんなんだけど…
わからない?」

(えっ…!?奥さん……?)

(ボクは結婚している……?)

❬続きます❭


ということで、今回はここまで。
#4なんですが、ついに記憶がないことは
徐々に伝わっていきます。

そして、自分の名前、彼女の名前、
彼女との関係がわかってきています。

しかも奥さん!?どういうこと!?
まだまだ話が進みません。
すみませんm(_ _)m

今回も、コメントや書評を書いてもらえると嬉しいので是非よろしくお願いします!

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
それではまた。

















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