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無名人インタビュー:離婚後共同親権に反対するDV被害者の人

共同親権推進派、共同親権反対派、両方からフォローされるqbc。て冗談めかして言えないから。DV被害、命をおびやかされる恐怖があったわけだからね。
ちなみこの無名人インタビューの趣旨は私の意見表明でも、世の中の問題の評定でもないです。だって私が特定の意見を応援したら、このインタビュー記事に、私が意図的な改変をくわえる可能性がでてきてしまうでしょう。
インタビュー参加者の嘘を読んだとしても、別に私の嘘を読者は読みたくないでしょう。真実を知りたいんでしょう。
離婚後の共同親権に関するインタビューを発表したところ、それにリアクションがあり、それで発生したインタビューです。
お楽しみいたたければ幸い!

今回ご参加いただいたのは わたり さんです!
https://twitter.com/wataridivorce

1、DV加害者に親権を与えるかもしれない

qbc:まず、今何をされている方でしょうか? もちろん言える範囲でオッケーです。

わたり:子育てをしています。結婚した相手が、籍をいれたあとにDV加害者に変わりました。今は、離婚裁判中です

qbc:なるほど。

わたり:Twitterでは、共同親権に全力で反対する活動をしています

qbc:相手が変わったのは、結婚してすぐですか?

わたり:半年ほど経ってからです。それまで優しかった夫が、急に変わりました。気に入らないことがあるとモノを投げたり、夜通し説教をするようになりました。

qbc:な、る、ほ、ど。お子さんが生まれたのはいつでですか?

わたり:結婚してから2年ほど経った頃です。ちなみに、夫の行動は鬱だと勘違いしていました。DVだと気がついたのは子どもが産まれた後です

qbc:DVだ、と確信したのはどんなきっかけでしたか?

わたり:いわゆるハネムーン期と呼ばれる優しい時期があったこと、あとはDV加害者の特徴である「責任転嫁・矮小化・否認」があったことです。
暴力を振るっても認めない。そこまで酷いことはしていない! と自分がしたことを矮小化したり否認したり。「俺が暴力を振るったのはお前のせいだ」と暴力の原因を、私に責任転嫁してきました。

qbc:相手のご両親に相談したりは?

わたり:相談していました。

qbc:お義母さんは、特に助けてはくれなかった?

わたり:何度か別居をしたときに、注意をしてくれました。ただ、その後も夫のDVは治らず、離婚することになりました

qbc:離婚裁判の争点をお伺いしてもよいですか?

わたり:子どもの親権が主な争点です。夫は子供にも虐待をしていたので、親権を渡すわけにはいきません。

qbc:共同親権について、どうお考えですか?

わたり:「子どもの福祉」の視点にたつと、メリットがないです。被害を受ける者が大勢でる制度であり、反対です。

qbc:どういった被害がでるとお考えですか?

わたり:子どもの愛着形成、生活基盤の喪失。虐待や支配の継続化などです。
共同親権を推進している人達が口を揃えて言うのは「連れ去られた・実子誘拐・虚偽DV」です。そして皆さん、大体裁判をされている。
「DVは生命の危険のあるもののみ! それ以外はDVではない。連れ去りこそ最大のDV。だから私たちはDV被害者だ!」と言っています。全く同じことを、私の夫も主張しています。

qbc:なるほど。

わたり:そういう人達に悪用される可能性のある制度が、共同親権・共同養育です。ですから、せめて導入するなら、DV被害や虐待の対策は必須です。加害者たちが自分の権利を主張して、離婚後も親権を持ってしまったら、DV被害者も虐待されていた子も、加害者から逃げられなくなります。ですが、共同親権を推進している人達は、DVを軽視しているように思えます。たとえば「同居できないほどのモラハラはDVではない」と言う議員や、命懸けで逃げる人達をかくまうDVシェルターの所在地が分かる情報を、暴露した議員もいました。

qbc:はあ? まじかシェルターの場所を?

わたり:そうです。弁護士であれば懲戒処分となるくらいの重大問題だそうですが、議員を辞職されていません。そんな人たちが推進する共同親権・共同養育、怖くないですか?

qbc:いや、インタビューの場では、私は自分の意見を主張しないですけど。
ただ、シンプルに安易に離婚後百パー共同親権あげるよ! ってのはナシですね。

わたり:それが、100%ではなく選択制であっても被害を防げない怖い問題なんです。というのも、DVや虐待は密室で起こります。証拠を立証することは大変難しい。虐待被害のある子どもの証言だけでは認められない。客観的に「被害が確実にあった」と分かるような写真や録音がなければ立証できないんです。共同親権があるのにそれを認めない、単独親権にするだけの理由が必要になれば、被害者が被害を立証しなければいけなくなります。それは非常に難しいことです。

2、私は、共同親権撤廃を訴え続けると思います。

qbc:一般の方にお伺いするのも不勉強すぎですが、法制審議会家族法制部会の議論の方向性って、どうなってるんですか?

わたり:まだ一部しか公表されていないので、議論されていることが表に出てきていません。
また、他国は共同親権だ!というのは嘘なんです。日本と同じ親権の定義で、離婚後も親権を共同している国などありません。世界標準は共同監護・養育です。日本も離婚後共同監護・養育は出来る法律なんです。

qbc:なるほど。この部分ですね。


qbc:なるほど。

わたり:国連から、共同養育をもっとするようにって日本へ勧告があったのですが、それは婚姻中からの共同養育です。国連が勧告したShared custodyは共同親権ではなく共同監護であり、国連は「日本は離婚後共同監護・養育が出来ない法律」だと勘違いをしていました。日本は婚姻中(同居中)も養育を共同で出来ていない家庭が多いです。離婚後にいきなり半分こ! は出来ません。

qbc:はい。

わたり:子どもの福祉にも影響があります。他国では犠牲になる子どもが絶えずに法改正を繰り返している共同養育を、今さら日本に持ち込む必要はありません。一度、共同養育をベースにしてしまうと「公平に養育時間を分担」しなければならなくなります。子どもの権利が置き去りになり、親の権利が優先してしまう。生活時間もしつけも違う2つの家を行き来することは、子どもに大変なストレスを与えることになります。「一方の親が安定して一貫性のあるケアを子どもにする方が、子どもの心身の発達に良い」ことも実証研究で明らかになっています。
また、連れ去り勝ち! なんてのもありませんよ!「連れ去り勝ち・実子誘拐」という人達は、年平均1200件ある「子の引き渡し請求事件」で約14%の請求が認められていることをどう説明するのでしょうか。「主たる監護者じゃない人が連れ出しても子の利益にならない」と裁判所は引き渡しを命令しています。裁判実務を無視した、社会的実体のない陰謀論だと思います。

qbc:よし! 無名人インタビュー的に、方向転換します!
子供の頃って、わたりさんはどんなお子さんでした?

わたり:身バレするのが怖いので、そこはすみません。ただ、DV被害者として想像されるような、自己主張が出来ないタイプではありませんでした。自分の意見をハキハキ言えるタイプでした。

qbc:結婚された相手の人は、DVする予兆というか、そういうのはありましたか?

わたり:よくDV加害者の特徴として言われるのが「外面がいい」ですが、正にそうでした。社会的地位も高い人です。一つ挙げられるとするなら「自慢が多かった」です。自己肯定感が低いことの裏返しです。自信がないから支配したりコントロールしたりするようになるんだと思います。

qbc:結婚したときは、やったぜ! て感じでした?

わたり:もちろん。大好きな人と結婚出来て嬉しかったです。そのときは...

qbc:次に、未来について聞きたいです。今、ほんと現在に集中している時だとは思うのですが、どんな未来をつくっていきたいとお考えですか?

わたり:子どもを安心安全に育てられる環境を作りたいです。

qbc:あ、相手の方に住所バレしてますか?

わたり:していないとは思いますが、本当のところは分かりません。今の家裁は「原則面会交流」の運用の下、虐待があっても面会させられます。
面会をしたあとに後をつければどこに住んでいるのかバレてしまいますよね。

qbc:面会OKなんですね。

わたり:子どもの福祉が置き去りです。原則面会交流なので。調停員に「会わせないという選択はありませんよ?」のようなことを言われて、面会させるしかなかったです。面会のたびに子供も私も情緒が乱れます

qbc:お子さんは、おいくつです? 言って大丈夫ですかね。

わたり:小学生です。

qbc:なるほど。子供の、安心安全とは? どういう情況?

わたり:子どもが殺されない、子どもの情緒が乱されない、子どもの意見が尊重される

qbc:もしも共同親権が日本に導入されたらどうしますか?

わたり:私は、ある意味、安全地帯にいます。というのも、DVや虐待の証拠が沢山あるからです。共同親権になっても、相手に親権があたえられず、単独親権が認められるほどの証拠があります。
ただ、家庭内の密室空間での出来事は、立証することが難しく、DVがあっても裁判で認められないことも多いです。そうなると共同親権・共同養育を強要される被害者が沢山出てきます。
だから、私は、共同親権撤廃を訴え続けると思います。

qbc:DVを受けたけど、そのDV被害を認められなかった人たちを知っていますか?

わたり:沢山知っています。証拠不十分なだけなので、虚偽DVやでっち上げではありません。安全リスクを立証責任で処理したら、子どもや被害者の安全安心は守れません

qbc:なるほど。

わたり:日本の親権自体に「子どもの福祉」がないという指摘もあります。「親が子どもを思い通りに出来る権利」と捉えられるからです。この「親権」を前提にすると、子どもの福祉など全く守れません

qbc:最後に、言い残したことはありますか?

わたり:共同親権・養育は「子どもの福祉」を打ち捨てる制度であると他国が証明しています。今、日本が「共同親権・共同養育」へと踏み切るのは犠牲が大勢出ている他国の二の舞になり、危険です。
どうか、この問題を知って欲しいです。
長々と、すみません。

qbc:とんでもないです! ありがとうございました!

わたり:こちらこそ、ありがとうございます。



あとがき

あなたはこのインタビューをどう思いましたか?
私はふつうに世の中知らんことたくさんあるな、そして知ることで分かるんだなと思いました。
そして知った上でどう判断するかは自分次第です。
今回のお話については、親権という言葉の翻訳の問題や、子供の権利の話だったかと思うのですが、DVという犯罪の明らかになりにくさの問題に触れられなかったかなと。あとSNSによる断片的な情報の収集というのもトピックのひとつかなと思ってます。それはまた後々のインタビュー参加者からの声を待つことにして。
さてね! 冒頭、私はバイアスかけてないよと言いつつ、そりゃ私もヒューマンインターフェースなわけで、偏りがないわけではないですからね。
正直であろうとしつつ、そうはなりきれてないと思いながらお読みください。
人は人だからね。

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