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無名人インタビュー:周りから異質だと思われているから結果を出して異質じゃなくなりたい人

話していると分かるんです、だいたい。自分をおいつめすぎですよってさ。
mさん回お楽しみくだされ。内容は本文で!

今回ご参加いただいたのは megumi さんです!

qbc:今、何をされている方なんでしょうか。

megumi:私は、今、児童福祉施設で、障害を持っている子どもたち、足が不自由とか発達障害っていわれるような子どもたちの支援をする保育士をしています。
それから、うちの会社が副業がなんでもオッケーの会社なので、ライターの仕事と、家庭教師の仕事も掛け持ちでしています。

qbc:もともと福祉施設には興味があったんですか?

megumi:そうですね。子どもの力になりたいっていうのは学生時代から思っていて。
子どもの力になりたくて、特に自分が大学受験とか、かなり勉強をがんばったほうだと自分では思っているので、学習支援ができると思って、塾講師とか家庭教師とかをしてきました。
働くなかで、学習支援、塾とか家庭教師をするだけだと、救いきれない子どもたちがいるなと思って。それで施設で働こうと思いました。

qbc:なるほど。

megumi:ライターは、生活にやむにやまれずという部分も強かったんですけど、今は、いちおう目的意識を持ってやっています。
いわゆる障害をお持ちの子どもたちに関する情報。メディアって、すごく情報量が多すぎて。いったい何を信じればいいんだろうと思ってる親御さんが多いんだなっていうのを、家庭教師をしててすごく感じてたんです。
でも、自分がいち家庭教師として子どもに関わると、その子の人生には寄与できるけど、インパクトとしては大きくないというか。その子だけじゃんっていうことが、自分の中ではすごく引っかかっていて。
であれば、ちゃんとした支援方法、指導方針みたいなのをナレッジ化して世に送り出していくことで、より社会的にインパクトの高いことができるんじゃないかなと思って。それをできるのが、1つの手法としてWEBメディアだったり、ライターの手法なんじゃないかなと思って。

qbc:はい。

megumi:であれば、そのスキルをまずつける。現場でしっかり支援の勉強をしたりとか。私、社会人学生に今度からなるので、勉強することで支援のスキル、指導のスキルは身につけていくから、社会的インパクトの高いことを、どういうふうにスピード感をもってやるのかっていうのを知りたいと思ったら、それはWEBメディアになるのかなと思ったので。二軸で働いているようなイメージです。

qbc:二軸っていうのは?

megumi:支援とか指導の直接的な支援と、メディアとか間接支援をイメージしたマーケティング手法を身につけるとか、そういう二軸で。

qbc:支援とマーケティングて、ゆっくりと早いを同時に言っているみたいですね。

megumi:私の中では、すごく普通な感じでいるんですけど。職場の人間関係の中では、すごく異端だろうなっていう感じはしていて。
なんだろう、直接、目の前の子どもたちに何かしたいっていうことは思ってる方はいると思うんですけど、社会的インパクトっていうところまで考えている方って、いち社員ではあんまりない気がしていて。経営者の方とかだったらいるとは思うんですけども。

qbc:なるほど。

megumi:この世界観は、なんか刺激が足りないなと思って以前働いてたソーシャルベンチャーがあるんですけど、そこの代表がそういう感覚でした。
準備はこういうことをして、こういう結果を出す。そのためにまず、こういう人たちの力になれるように動くっていうふうに考えるっていう。
ゴリゴリのベンチャー企業です。

qbc:福祉ベンチャーなんですね。

megumi:依存症の回復系でベンチャー企業が今までなかったらしいんで、すごく意義のあることをしているっていうふうに、他社さんから評価をいただいてるっていうふうに、代表からは聞いていました。

qbc:学生時代からベンチャーを意識されていたんですか?

megumi:私、大学を卒業してから、中退しちゃったんですけど、大学院に夜間で行ってたんですよ。9時から6時はゆるーい福祉企業で働いて、6時半から9時半まで大学院へ行くっていう生活してたんですけど。
その大学院にいる人たちに起業家さんがいたんですよ。

qbc:そうなんだ。

megumi:同期には、インド行ってきますって言って、なんか3ヶ月半ぐらいインドの現地でインターンしてます、みたいな子とか。勢いのある人たちが大学院の夜間部にいて。
それで刺激を受けたのもあって、たぶんエネルギー量が、私はわりとあるからだと思うんですけど。大学院行って、働いて、もう少しできそうだと思って、そのソーシャルベンチャーに飛びこんでっていう流れで。そこでソーシャルベンチャーの代表にわりと影響されて、こんな感じになっちゃったみたいな。

qbc:どれくらい働いていたんですか?

megumi:1年ちょいですね。その会社でトラブルが起きてしまって。
飲酒問題で暴れたりする人とか、違法薬物を使っているような人もいたので、犯罪すれすれの状況があったりとか。
資金の調達もうまくいかなくて、もう雇えないからクビですってクビになりました。私自身は働きたかったけれども。

qbc:大変そうですね。

megumi:ただのインターンなのに、月いちで面談があって、あなたはどういうふうに成果を出すから、それに対してどんなゴール設定が必要で、マイルストーンをここにおいて、みたいなのを全部考えさせるようなベンチャーでした。
すごくわかりやすく、思考の仕方とか仕事の進め方とか他人への影響力をどう使うかとか、そういう知識をそこで得ました。

qbc:ライターのほうは、どんなことをされているんですか?

megumi:今は、大学受験のメディアでライターをしています。

qbc:家庭教師は?

megumi:小学生の子で、学校へ行けない子を見てます。
私が個人で請け負って見ています。

qbc:子どものころって、どんなお子さんてしたか?

megumi:子どものころは、中学校の2年生までは明るくて活発で、勉強もがんばるし、部活もがんばるし。部活、陸上部なんですけど。部活もやりながらピアノ教室も行っていて。わりと何でもがんばる子で。
ただ、女の子のぐちゃぐちゃした人間関係がすごく苦手で。どこかのグループに所属するというよりは、いろんなグループを浮遊するみたいな、そんな中学生でした。
それで、中学校3年生のときに、陸上部の練習のし過ぎで足の靭帯を切ってるんですよ。疲労骨折で。

qbc:痛そう!!

megumi:最後の大会に出られなくて。自分が走る個人種目と、チームで走るリレーもやってて。それで、チームメイトにめっちゃ非難されるみたいな。お前のせいで出られなかったじゃん、みたいな。そこで自分自身の無力感と、他人に貢献できない無力感みたいなので、不登校を半年するんですよ。

qbc:うんうん。

megumi:その不登校のときに、周りから理解してもらえない苦しさと、親だったり周りの自分にとって大切な人がすごく心配をして、迷惑をかけてしまったっていう悔しさと。でも、それを言葉にしてうまく伝えられないもどかしさがありました。
それでも自分を変えたいと思って、一般入試だけで受かるような学校を探して普通高校に進学してっていう生活を送ったんですけど。
高校のときも中学校のことが忘れられなくて、その経験があるからこそ、他人に対してできることがあるんじゃないかっていうふうに思ってました。それで3年かけて自分の中に落としこめたので、大学は心理学部に行きました。

qbc:落としこむって?

megumi:不登校のときって学校には行かなかったし、ほぼ人との交流を断ってたんですけど、ピアノ教室にはかろうじて通うことはできてたんです。
そこに通っていた仲間だったり、習っていた先生が、学校に行けてない状態を知りながら、それに触れずに自分の良いところをひたすら認めてくれたところがあって。あ、こういう人に私はなりたいなって思って。だからたぶん高校に行ったんだと思うんですけど。

qbc:なるほど。

mさんが好きなのはこの曲!

megumi:価値観を評価した上で認めてくれる。あなたは本当に几帳面ねとか、だからこういうふうに曲がつくれる。作曲もちょっとやってたんですよ、その時期。こういう曲がつくれるのねって、性格面も含めて褒めてくれた。そのことが私の中ではすごく自信になって。いいな、こんな人になれたら素敵だなっていうのと、先生たち自身だったり、そこに通う人たちも、たまたま順風満帆な方ばかりではなくて、習っている先生自身も、未亡人で。
ピアニストを目指してたけど芽が出なかったときの悔しさもあって。
でも、それを押しつけたり、私はこうだから、あなたはこうなりなさいではなくて、あくまで経験として伝えてくれたのがあって。そういうのを自分の中で咀嚼していく中で、いろんな人がいるんだなっていうのと、自分はこういう人になりたいから、こういうふうにありたいなっていう思いで、たぶん大学に行きたいと思えました。

qbc:高校でも続けてたんですか?

megumi:高校になっても、細々と続けてました。
いちおう、高校3年生まで通っていて。私、高校3年生のあとに関西の学校に進学したので、通いようがないみたいなことが理由なんですけど。通えないな、まあいいか、みたいな。そういう感じですかね。
今でもたまーに会ったりはしますし、ピアノ教室が一緒だった子とかも会ったりはします。

qbc:ご家族は?

megumi:父はSEです。海外で働くSEだったので、ほぼほぼ日本にはいなくて。年に1回会うか会わないかっていう父でした。
母は専業主婦ではあったんですけど、すごく母も勉強家で。今になっても介護福祉士の資格を取ろうとしたりとか。自分自身で完結せずに周りにも求める人です。すごいなって思って。働いてる姿とか学んでる姿とか見ると、母はすごいんだなった感じます。

qbc:一人っ子ですか?

megumi:弟がいます。弟は、いろいろ疎外経験があって。でもやっと立ち直ったって感じです。弟も不登校経験があって、高校を中退してます。ゲーム依存症でした。

qbc:megumiさんは行動的ですね。

megumi:自分のロールモデルになりうる人が、中高の時期に会えてるっていうのが大きかったですね。
私、一度不登校になって良かったかなって、最近、思うこともあって。
不登校になったからこそ、自分で何が大切なんだろうとか、自分にとってどう生きるのが幸せなんだろうとか、私はそもそも何のために生まれてきたんだろうとか、そういうことを考えてたと思うので、その時期に。
例えば、ある塾で塾講師をしていたときに、高3の女の子が不登校で自己肯定感もメチャクチャ低くて、家庭内暴力に巻きこまれているような子で。
でも塾の機能としてどうすることもあまりできずに、私はその子の話を聞くっていうのと、その子ができることを増やしていくことで、人生の選択肢が広がってほしいと思って支援をしてたんですけど。

qbc:うんうん。

megumi:結局、最後に塾に来たときに、自分はお父さんから虐待をされてて、根性焼きみたいなことをされてるけど、でもそれをお母さんにも言えないし、でも辛い。たぶんお母さんに言っちゃうと私は施設に行かなくちゃいけないから、大学受験ができなくなっちゃうっていう話をして。
それは、私といういち講師が聞いていいことなのかなって思ったので、主任に伝えたら、その人がわりと勝手にいろいろ動いちゃって。家の人に連絡しちゃったりとかいろいろして、塾にも来れなくなるし、連絡も取れなくなって、どうなったかわかんないっていうようなことがあって。

qbc:はい。

megumi:それで、私自身も無力感とか申し訳なさを抱えていたんですけど。いろいろ振り返っていった中で、私自身が社会資源とちゃんとつながれてなかったから、その子を社会資源につないであげることができなかったのかと思って。
もっと世の中を知ってたら、彼女にもっと良い支援ができたんじゃないかなって思って。社会福祉士と保育士を持った支援者って、まだそんなにいるわけではないので、自分の強みとして今後使っていけるのかなとも思って、学校に行こうっていうふうになりました。

qbc:megumiさんは、どこまで他人の面倒をみればいい、自分が責任を持ちたいと思っていますか?

megumi:今、目の前にいる子どもたちを支援できて、私が十分に支援できなかった子どもたちをどんな形でもいいから、力になりたいっていう気持ちで。
マーケ、社会を変える手段を使うことで、その子が生きやすくなるんだったら、そこは私は本望だなと思うから。目の前のことだけやってるのは、私は違うなと思って、たぶん、複雑な人になっているんだと思います。目の前のことをちゃんとやるけど、それだけじゃなくって、社会のことをちゃんと知ることで、どういうふうに私が立居振る舞えばいいのかっていうのを学びたいし。それで学んだものをアウトプットして、インパクトを出して、社会を変えて行くっていうふうに考えているかな。

qbc:自分が死ぬときまでにこれをやり遂げておきたい、みたいなものはありますか?

megumi:パッとは出てこなくって。個人的に、すごく素敵な世界観だなって思っているのは、自分が昔関わった子どもたちが、今関わっている子たちも、そのうち成長してって私の手を離れると思うんですけど。その子たちが生き生きと社会で働いていて、その子たちが、誰か別の後輩に当たる人たちのためにできる人になってほしいって願っていて。
そういう輪が広がっていく中で、社会がもっとやさしくなっていったらいいなとも思うし。自分が間接支援、マーケの力を使って社会を変えていく中で、今、会うことはできないけど、自分の手を離れた子たちが、何か気づきをえ得て生きやすくなってくれたらいいなっていうふうに思っていて。

qbc:そのときの「やさしさ」ってなんですかね。

megumi:いっぱいいろんな視線があってのやさしさだと思うんですけど。私は想像力がないとできないんではないかなと思っていて。自分と相手はまったく違う、それぞれ大切な存在で。
だけど、自分がこれは良いだろうと思っていることが、本当に相手のためになっているのかとか。相手はどんなことを思って、どんなことを願って、どんな状況なのかっていうふうに考え抜く力っていうのが、そのやさしさにつながっていくんじゃないかな。想像力っていうのもすごく大きいファクターなのかなっていう気がしてます。

qbc:想像力があっても、相手を傷つけることはできるじゃないですか。これは相手が一番傷つくことだっていうふうに想像を働かすこともあるわけで。

megumi:それを知った上で、私、あんまりルールっていった言葉を好きじゃないんですけど。その人だったり、その所帯だったり、その周りのものを大切にするための倫理っていうものがあるのかなと思っていて。
その倫理観がお互いに違うと、ぶつかってしまうことがあるからどうなのかわからないけど。なんなんでしょうね。言っといて曖昧なんですけど。

qbc:なるほど。

megumi:今の目の前の子どもを大事にするし、素敵な支援者さんはたぶんたくさんいるんですけど。はい卒業しました、さよならって終わってしまう、そこで支援おしまいですって思ってる方、多いけど、終わってても、それでも支援できるんじゃないかって思ってる、往生際の悪いところではあるんですけど。
その面白さかなっていう気は最近してて。自分視点では、すごく自分を面白いなっていうふうに思ってます。面白いなって思ってるけど、まとまってないなっていう感じはあるんで、周りから見たら、やっぱり異質なんだろうなっていうのを思ってて。それを、ちゃんと結果を出すことで異質な人じゃなくて、本当子どもを考えてるから、何とかしたいと思ってるんだよって思ってもらって。

qbc:うんうん。

megumi:周りに認めてほしいとはあんまり思ってないんですけど。周りとうまくもっと協働できるようになると、今見てる子どもたち、昔出会った子どもたちだけじゃなくて、もっと他の可能性もあって、もっと他の可能性はよくわからないけど。
遠く離れてたらできないけど、こういう支援があって、こうで、こんなふうに変われるから大丈夫だよ、みたいな希望につながって。会えないけど、思ってくれてる人が間接的な支援もできるんじゃないかなと思ってて。もうちょっとがんばってみようと思ってます。

qbc:ありがとうございます。

megumi:ありがとうございます。

あとがき

いかがでしたかインタビュ、好きならお金くださいね!!
人間はどうすればよろこぶのか? それはね? 過去と現在を結んで、さらにその延長に未来をイメージさせてやることさ。人間は過去の調査と、未来への予測が大好きなんだよ。
以上!

編集協力:有島緋ナさん 石塚さん

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