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「自覚してないかもしれないけどあなた変わってる。みんなとずれてるから変わった方がいいんじゃない」と言われたことがある人

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるタパタパタパタパ胞子を振りまくよ! いいよねえ。いいねえ。筋肉少女帯好きでしたか? 知ってる? 知らない? ぶれぶれぶれぶれの「人として軸がぶれている」の大槻ケンヂのバンドですよ。知らない? この話題をするともしやあの人から連絡来ちゃうからあんまりしないほうがいいかな。どうかな、怖いな、しらばっくれるか。
自分のことが気になって他人のことが気になって、春機発動のころヒトはどうも、一人悶々とするようなのだけれども、みなさんはどうやってあの心的熱風の轟く季節をやり過ごしてきましたか? エーまだ続いているって? 元気すね。お盛んすね。
私は、どうしていたんだろ、忘れてしまった。
あのころ。インターネットなんか無かったころ、まふまふさんで孤独を癒すなんてことはできなくて、あのバンド私の心を歌ってる私のことわかってるって深夜のラジオなんかで知った音楽家の歌詞に慰められたりした人もいたりしたものです。
結論、他人の心に振り回されているうちは他人の機嫌ばかり気にしなくちゃいけなくて、自分自身に独立した幸せなんてやってこないものなんですよ。他人軸じゃなくて自分軸で生きなさい。
って言う人いるけどさ。でもそれで得た心の平穏なんてしょせん、まがい物じゃない? 峻厳なきりたつ他人という理解不能のおぞましい絶対相容れぬ感情個体同士のカオスの中で見つけてしまったペアリングだからこそ、仲間、恋人ってニブく生々しく輝くんじゃない? それが未来永劫じゃなくったって、ほんの週末土日だけでも、ほんの一週間でもイイんだって。それが生命ってやつじゃないのか? 体バラバラになって魂焦げつかせても、ファイティングポーズとって戦っていたほうが、涙を流す苦しみのあるほうが。だってそれが人間じゃないのか。
体力精神力があるうちならば、当たって砕ける恋愛、集団行動、やったってくださいって思うが。ガハハ。
今回の無名人インタビューを読むあなたにも幸多からんことを。(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは.(ドット)さんです!

現在:考える葦

森逸崎:2回目ですね! ご参加ありがとうございます。
今回は、どんなインタビューにしていきましょうか?

ドット:前回はおそらく私が「就活に向けた自己分析」ってお願いしたので、その通りにしていただいたと思うんです。でもあとがきで「もっと深掘りしてみたい」って言ってくださってたので、それに沿って、普通に森逸崎さんが聞きたいなって思った通りに聞いていただけたら、今回は嬉しいなと思います。

1回目の記事はこちら。

森逸崎:わかりました。機会をいただき本当にありがとうございます。
いろいろ教えていただけると嬉しいです。

ドット:わかりました。

森逸崎:まずは改めて「今、何をやってる人ですか」って聞かれたらなんて回答しますか?

ドット:そうですね。属性としては「心理学部の学生」です。でも、なんとなくで選んだ学部じゃないので、「心理学部に入ったことを誇りに思ってて、心理学やってる大学生」かな。
でも、属性を抜きにしたら、「ひたすら考えている人間」だなとは思います。常に思考している大学生って感じかなって。

森逸崎:お。考えている中身でいくと、最近どんなことを考えました? 

ドット:以前のインタビューで、過去に「自己中心的になりかねなかった」というお話をしたと思うんですけど、おそらく今も自己中の部分っていうのは少なからずあって。それを直したいと思いながら、ひたすら覆い隠すようにして生きてきたのかなっていうのは、最近すごい思ってます。
たぶん隠し切れてはなくて、そういうところの片鱗が見えてしまう、特に自分と親しい人には見えてしまうと思っていて。そういうことが、前回お話してから今回までの間に、ちょくちょく自覚させられる出来事があったので。
その度に「自分はまだ治せていなかったんだな」とか「ボロが出てるんだな」ってすごい思って。だから、考えるというよりは、悩んでこの1カ月は過ごしてたかなって思います。

森逸崎:差し支えなければ、その自覚したときのエピソードを教えていただいてもよろしいでしょうか。

ドット:noteでも下書きで、ずっと書き進めていた話ではあるんですけど。
私には3年ぐらい付き合っている彼氏がいるんですけど、「好きかどうか、わからなくなった」ということを4月頭に彼に告げられて。
でも今までも、同じことはたぶん1-2回言われてたんですけど、その度に回復というか、戻ってきてはいたんですね。だから「今回も一時期のあれかな」くらいに思っていたんですけど。でも今回のは今までとは違って、「私のことが好きだからできてたようなことが、できなくなるかもしれない」とまで言わせてしまった。それをきっかけに、ひたすら「自分の今までの言動は、何がまずかったんやろう」っていうのを考えました。
そしたら、「その前に同じようなことを言われたときには、本当に向こう側の一時期の気の迷いというレベルだったけど、今回は明らかに自分がやらかした」って思えることが、少なくとも大きなことで2つ。細かいことも入れれば、たぶんもっとあったので。
だから今回はどういう結末になっても自分のせいだなって思って。その原因を突き詰めていくときに、完全に「自分が自己中だから起こった」というのが結論として出てきたっていう感じです。

森逸崎:具体的にどんなことを「やらかした」と思ったのでしょうか?

ドット:2月に、彼氏とは別の、仲良くしてる男友達と遊んだ日があって。前提として彼氏は「別にいい」ってずっと言ってるんですよ今でも。男子と2人で会っても、「別に一線を超えなければ、それで」っていう。普通に飲み飲みに行くのもいいし、遊びに行くのもいいし。ただ、連絡だけはして欲しいし、隠さず言ってほしいし、何時に帰るかとかも教えて欲しいって言われて。
自分ではできているつもりだったんですけど、結論として「何時に帰ってこれるのか」っていうのを向こうは聞きたくて連絡してねと言っていたのを、私は「(スタートのタイミングで)連絡さえしてればいい」と思っていたので。「今から夜ご飯食べるよ」って言えば、大体何時ぐらいになるか、大体これぐらいかなっていう目処は立つと思っていて。それに合わせて、じゃあこのぐらい余裕あるんだったら、その間、自分のことやっとこうとかっていうように。もちろん自宅の最寄駅や家に着いたら連絡入れるつもりでしたし、正直向こう的にはそんなに困ることじゃないのかなって思ったんです。自分的には大まかな予測はできるだろうから連絡していないことにはならないし、大丈夫かなって思ってたんですけど、どうやらそれが駄目だったみたいで。

森逸崎:ほうほう。終わりの連絡を入れなかった。

ドット:はい。そしてまたそのタイミングがすごく悪くて、向こうが体調崩してたときだったんですよね。いつもはそんなことでたぶん何とも言わないんですけど。体調崩してたときにそれやらかしたっていうか。まあ、やらかした自分が悪いので。
それでおそらくあーあってなって、そのときは「もう別れよう」って1回言われました。

森逸崎:あれま。

ドット:3年ぐらい付き合ってきて、自分が大きなことでやらかしても、それぐらいなんですよ。お互いのタイプと価値観の違いが目立つ関係ではあるので、細かいことはたくさんあると思うんですけど、「誰が見ても明らかにお前が悪い」って言われるようなことは、たぶんその1回ぐらい。それだと自分は思っていて。
初めは「その1回だけでそこまで言うか?」って思ったんですけど、まあ、自分が悪いので。
まあ、次の日ぐらいに、「さすがに『別れる』は言い過ぎた。まあ、いいや」みたいに言われたんです。

森逸崎:うんうん。

ドット:それで、自分的にはそれをまだ引きずってるタイミングで、この間の東京の話(詳細はこちら)があって。あのときは彼も「いいよ」って言っていたんですけど。でも、客観的にみると、多分、私を心から許したいっていう気持ちと、許せない気持ちを天秤にかけたときに、それによって疲弊したという出来事ではあったので、許せない気持ちに許したい気持ちが追いつかなくても仕方ない状況だったとは思うんです。
とはいえ2月の出来事に3月の出来事が重なって、、すっごい些細なことだけど、なんかイラってすることがあったという中でその言葉を彼に言わせてしまったっていう流れがあったので。
それで、1個1個分解したときに、なんでそれが起きたかっていう原因を突き詰めたら、やっぱり自分が自己中だからなのかなって思って。
どうやったら治せるか、あのときどうすればよかったかは内省すればいくらでも出てくるんですけど。今度、どうすればいい、どうしていけばいいのかなっていうのを、頭ではわかってても、いざそういう状況になったときに、正しい判断ができる自信がなくて。
っていう状況を、1カ月の間ずっと繰り返していました。

森逸崎:そうだったんですね。

ドット:でも結局、今は別に。「好きかどうかわからない」というのは、向こうが自覚できるまでまだ溜まってないというか、自分に対するプラスの感情が溜まり切ってないだけ。私への気持ちを満たすことができるまで溜まりきってないだけだと思っていて。
とりあえず自分が横にいて「こいつ、本当に私に愛想を尽かしたんだな」と思うようなことはなくなっていて、正直「好きかわからなくなった」と言われる前と、特に変わりはない。

森逸崎:ほー。

ドット:もう恋愛感情がなくなっただけで、でも「ただの情」に変わったわけでもなくて、他の人と比べて特別であることにたぶん変わりはなくて。
向こうは私のことを、「大切にしたい人ではある」というのはずっと言っているので。大切であることに変わりはないんだったら、今までと何も変わらないじゃないかって私は思って。
向こうが別に別れを望んでるわけでもないんだったら、このまま別に続いていくんじゃないかなっていうふうに思って、今は特に険悪になることなく続いてます。

森逸崎:ぐるぐると思い悩んでいたんですね。
ちなみにドットさんにとって、その彼はどういう存在なのでしょうか? 

ドット:どうなんですかね。自分は。
たぶん、彼にとっての私と同じ位置づけだとは思います。「大切にしたい人」。それこそ一番仲がいい男友達とか女子の友達、幼馴染でも、大切にしたい人は何人かいると思うんですけど、その中でも彼は特別。それこそ、好きかどうかわからなくなったって言われてからも簡単に手放そうとしない程度には、大切なのかなって思います。
だって普通、自分は大切だと思ってても、向こうから大切にされない可能性があったら切ると思うんですよ。お互いのためにならないと思って関係自体を切ると思うんです。
向こうは、「私が振らないのなら自分から切るつもりはない」という意味も込めて、告げてきたんだと思うし。こっちはこっちで同じことを思っていて、向こうが切るつもりはないんだったら、よっぽど「あ、こいつもう無理だ」と気づくまでは一緒にいてやろうって、そう思うので。

森逸崎:なるほど。ドットさんの中では、その彼との関係はどういう状態でいたい、という理想はありますか?

ドット:うーん。自分は、専業主婦にはなるつもりはないんですけど、結婚して子供が欲しいと思ってる人間なので。今の彼は、それに値する人だと思っていて。だから形式的に答えるのであれば、たぶん「将来を見据える関係性」。結婚できればいいな、人生のパートナーとして、これからも一緒にいれたらいいなっていう関係ではあります。
でも、自分の言葉でいい感じに、どういう関係でいたいかって答えがすぐ出せないですね。
今の人は自分と似ているから一緒にいるんじゃなくて、本当に、「一緒にいたい」と思う感情だけ。一緒にいたいと思わなかったら、一緒にいる要素が全然ない人で、本当に似てないんです。価値観も違えば、似ているところを探す方がたぶん難しくて。だから正直、なんで惹かれ合ったかわかんないんですよ。

森逸崎:うんうん。

ドット:逆に、大学の男友達が自分とすっごい似てるんです。なんでこんなに似てるんだっていうぐらい似ていて。それこそ大学の時間割とかも。普通そこまで被ることってほぼないじゃないですか誰かと。
それが去年1年間、その男友達とは、必修の授業で割り振られるクラスが違うぐらいで、他の教科は全部かぶったり、それぐらい似ていて。そういう人だったら、たぶん世間一般的に考える、特別な関係性の意味がわかると思うんです。「惹かれ合う」という状態が。でも別にその友達とは、別に恋愛として惹かれ合っている間柄じゃない。
そんな中、正反対の今の彼と恋愛として惹かれ合ってるっていうのが、すごい不思議だなっていつも思いますね。

過去:スキャン、トリミング、インストール

森逸崎:前回お話していて、人に対しての関係の築き方だったり、あとは人をラベリングするところであったりとかいう部分が「年齢のわりに大人びてるな」ってすごい思って(笑)

ドット:(笑)

森逸崎:大人って表現は失礼かもしれませんが、普通に「達観してるな」と感じる部分があるなと。そしてそれは、どこから来るんだろうなって思ってたんですよね。
ご自身で考える・内省するができるようになったのは、なぜだったのでしょうか?

ドット:小中高、人間関係でつまづいたって大まかには言ったと思うんですけど。やっぱりそこなのかもしれないです。前回お話していないかもしれないんですけど、実は中学のときは、女子校にいたんですよ、中学受験して。
女子校は、本当に合う人には合うと思うんですよ。自分の帝国を築き上げられる人には、いい環境だと思うんですけど。逆にそこに入りきれない人には、本当に地獄のような場所。「女子校すごくいいよ」とはとてもじゃないけど言えないですね。

森逸崎:へえー! 具体的に、どんな感じだったのでしょうか?

ドット:本当になんていうか、理屈がまかり通らないんですよ。いや、本当は細かいことはいろいろ忘れてるんですけど、「嫌だった」という感情と、「はぶられた」とか「浮いてた」っていうその状況だけは、すごい鮮明に、それこそ言葉のラベリングとして残ってるので。いい思い出が全然ないんです。
水泳部だったんですけど、先輩とか後輩とか先生とかには、本当に可愛がってもらったり、懐いてもらったりして、そこは恵まれてたなって思います。それでも「なんでこんなにうまくいかないんだろう」っていうのを考える出来事はたくさんあった。人間関係につまづいて、どうすればうまくいくかっていうのを考え続けてる間に中学時代は終わったんだと思います。

森逸崎:うんうん。

ドット:そこから人間観察をよくするようになったんです。うまく人間関係を回せている人、それがいい子とか悪い子とか抜きにして、人間関係回せてる人の観察をひたすら繰り返して、自分にも取り入れられそうなエッセンスを見つけて、実際に試して。
その結果、今大学ではなんとかうまくやれてるのかなっていう感じですね。
だから本当に、「なんでその考え方ができるようになったのか」という問いに対しては、もう、その経験から考え続けた結果なのかなと思います。

森逸崎:実際「上手くやっている人」ってドットさんの中でどんな人でしたか?

ドット:うーん、相手を見極められる人と、あと言葉を選べる人、ですかね。
実際に「自然体で人から好かれる人」の真似を自分がするのは難しいと思っていて。自分は、少なくとも「そうじゃない」から嫌われ続けたと思ってるので。
これは持論ですが、例えば相手がノリを重視する人だったら、自分が素のままの状態でその人に接しても合うわけがないんですよ。前回のインタビューも今回のインタビューも、たぶん聞いててお分かりになると思うんですけど、自分のタイプが「ひたすら考える人」なので。何かを伝えるときに、その考えにいたった経緯をセットで伝えたくなる。本当に思ってるんだっていうのも、証明をしたくなってしまう。それをノリが軽い人にそのまま全部ぶつけたら「重っ」てなるじゃないですか、今はそんな雰囲気じゃないんだよみたいな(笑)

森逸崎:うんうん。

ドット:でも逆に、真面目な人というか、そういう人には、上辺だけの言葉じゃ信用できないって言われると思うんですよ。「本当にそれ思ってるの?」とか、「『そう考えるようになったのはなんとなくだよ』という人とはあまり仲良くなれない。」ってなるかもしれない。
だから相手がどっちのタイプかっていうのをちゃんと見極めた上で、自分の出し方を変えられる人は、強いと思います。
あと、言葉を変えられる人というのは、表現方法の話ですね。それこそ、さっき言ったみたいに言いたいことを全部セットでぶつける人と、その中の「ひと言で言えば」の部分だけをぶつけられる人っていう、その違いもあるんですけど。
時にはノリも大事かな、と。冗談っぽく言えるというのが、すごい大事なんだろうな。素で面白い人は考えなくてもいいんだと思うんですよ。
でも自分は、素で面白いタイプではないと思う。ノリで「ギャー」って騒ぐときに、本当に騒げる人だったら、こんなことに悩んでないと思うので(笑)
その中でも、空気を崩さずに周りに無理に合わせようとせずに面白くなるには、自分特有のユニークな表現って大事だと思って。

森逸崎:ほー。

ドット:普通の人と、ちょっと視点変えて言葉を発してみるみたいなことが自然にできれば、自分を変えずに面白くなれるんじゃないか。自分のまま、自分の性格のままでも、この人と一緒にいて楽しいな、面白いなって思ってもらえる人になれるんじゃないかなって。
だからこそいろんな人を観察して、自分にも取り入れられそうなエッセンスがあるんじゃないか、と。それは常に意識していました。

森逸崎:観察したあとの、実行までのプロセスというか、考え方の材料って、何かありますか?

ドット:考え方の材料は全然意識したことなかったです。本も普通に読むし、小説も好きだけど、小説だけじゃなくて、自己啓発とかビジネス本とか、そういうジャンルも好きなので。そういうのが知らず知らずの間に影響を受けてる部分って、たぶんあると思うんですけど全然意識して取り入れようとしたことはなかったですね。
というより、読んだら忘れてしまうので(笑)意識しようにも、「あれ? なんだっけ?」ってなることが多いんですけど。

森逸崎:なるほど。
人と話すのはお好きですか?

ドット:そうですね、好きです。
それこそ意識してやってることではあるんですけど、今みたいに対話できる時に、実際に試す感じかもしれません。
仰る通りで、人を観察してそれを自分が意識したからって、すぐ実行できるものじゃないし、もちろん所構わずできるものでもなくて。
でもそれに気づいたのが本当に高校時代で、クラスメイトから一回付いた印象は覆らない。「真面目」って烙印を押されたら、頑張って自分が変わろうと、そういうおかしなことを言ったりしてみても、受け入れてもらえないと思うんです。「急に何なん?」みたいに思われてしまうので。
だからクラスとか環境が変わるタイミングで試すっていうのと、自分が親しい人から試すのと、あとは何も考えなくてもそばにいてくれる人から試すっていうのは大事だなってずっと思っていました。

森逸崎:ありがとうございます。
前回は過去の人間関係がネガティブに影響した面を伺いましたが、逆に今の人格形成にポジティブな影響を与えた面って何かありましたか?

ドット:もちろんポジティブなこともありました。
実際いつ不登校になってもおかしくない人生を歩んできましたが、実は一度たりとも、学校をずる休みというか、「もう行きたくないから行かない」って状態になってもいないんです。
そう思えた理由の1つは、「自分は間違ってない、何も悪いことしてない」と信じる気持ちを持てたから。もう1つは、自分のことを受け入れてくれた人がいるからっていうのがあって。
例えば中学のときは、それこそ、先生と先輩と後輩ですね。同じクラスの中には居場所がなかったけど、部活には居場所があったし、先生は自分のことを認めていると言ってくれて。

森逸崎:へえー!

ドット:その中でも、中学のときの国語の先生がすごい変わった人で。カリスマだったんですよ、ひと言で言うと(笑)
私はその先生にすごく惹かれたんですけど、その要素の1つが、普段どんなに「うざい」と生徒から言われていても、授業になるとみんなを虜にしてしまうほどの分かりやすさと伝わりやすさ。それだけじゃなくて、人のモチベーションを高めるのがすごい上手で、いい意味で、私が今まで見たことない授業だったんです。
授業の途中で雑談し始めちゃうし、それで授業終わったこともあるし。今でいうアクティブラーニングもすごい取り入れる人で、ただひたすら教科書読んで終わらせる、みたいなことはすごく少なかったし。期末や中間テストの前には補講をやってくれたりして。そこで「テストにこれは出すよ」みたいなことを教えてくれたりもしました(笑)それさえできれば確実に点数は取れるって分かって、みんな一生懸命勉強する。その結果、点数上がって嬉しいから、もっと勉強するみたいな、プラスのサイクルを回すのがすごい上手な人でした。
それこそ、当時の私は、自分のマイナスを直すためのことばかりを考えていたんですけど。「自分がよりプラスになるにはどうすればいいのか」ということを考えるきっかけをくれたのが、その先生でした。

森逸崎:そうだったんですね。

ドット:その女子中学校を出て、高校受験をまたして公立高校に入ったんですけど、実際そこではクラスの人間関係、先輩とか後輩とか先生は、すごい上手くいっていたんです。でも唯一、その水泳部の同学年の子達との関係がうまくいってなくて。これも何回か、noteに書いたりもしたんですけど。
中学のときより、高校のそのときの方が引きずってますね、今はずっと。それが理由で大学で心理学部に入ったっていうのは1つあるんですけど、まあ一旦置いといて。

森逸崎:うんうん。

ドット:結局水泳部も辞めることなく最後まで続けたんですけど、結構周りからも言われていたんです。高3の総体を目の前にして、親にも「そんな部活やめなさい」と言われたり、クラスの担任の先生にも保健室の先生にも「そこまでのことをされといて、なんで辞めないんだ」って言われたんですけど。
そのときも、「自分は何も悪いことしてない。ただ水泳が好きで入った部活で、一番水泳に対してやる気があって、水泳が好きな自分が辞めなきゃいけない理由がわからない」っていう気持ちが自分の軸としてあって。
あとはその時も、「そこだけが全てじゃない」と思えた。それは、部活以外の環境で、生徒会があって、そこで自分がちゃんと受け入れてもらえるっていうのもあるし。高校ではクラスの中にも自分と仲良くしてくれる人がいたので。

森逸崎:お差し支えなければ、高校時代その水泳部で何があったのかお伺いしてもいいでしょうか?

ドット:全然OKです。
自分の学年は、簡単にいうと部活崩壊みたいな状態になっていて。最初は「水泳が好きだから」といって集まったはずなのに、だんだんと「泳ぐ」っていうより、「みんなと馴れ合いたい」みたいな感じになってきて。勉強も傍らだし、みんなに会うためだけに来てるだけで、別に泳ぎは必要ない、みたいな状態になっていっちゃったんです。部活中なのに、プールサイドでサボったりとか、「勉強に集中したいから部活ちょっとセーブするわ」みたいなことを言って勝手に無断欠席するのに別に勉強しているわけでもなかったりするっていうのが目立ってきて。その日の練習メニューで決めていたことすらもできない状態が続いていました。

森逸崎:うんうん。

ドット:私的には、「別に、馴れ合いたいなら自由に馴れ合ってくれていいんだけど、真剣にやりたい人の時間まで奪うのは、違うんじゃないか」って思って。本来そうあるべき場所なのに、おかしいなとずっと思っていました。
先輩はみんな真剣にやる人たちだったので、先輩がいる間はどうにかなってたんですけど。自分たちの代になった瞬間、もう崩れ去って。
最初は「自分、もうこんな場所にいれん」と思って、冬場は泳ぐ日だけ、それこそ週末だけ部活に行って、あとはもう行ってなかったんです。ちょうど生徒会も忙しい時期だったので、「もういいや」と思って行ってなかったんですけど。でもさすがに、夏の最後の大会ってなると、4月ぐらいから部活に本格的に戻らなきゃいけなくて。

森逸崎:ほー。

ドット:自分の中で決定的だったのが、そのときの、リレーですね。
大会でリレーがあるので、4人選出しなきゃいけなかったんですよ。その時は部員としてそのリレーに出られる状態の子が6人だけしかいなかった。
でも、その6人中の2人がすごい強くて、兵庫県代表で別の大会に出なきゃいけなくなって、実質自分の学年からは4人、下の学年も含めたらあと数人って感じで、本当にリレーのメンバーがギリギリでカツカツで。
3枠まで決まって、最後の1枠の選手を出さなきゃいけない。でもその枠を4人で争うって状況の中、そのうち2人が怪我して出られない状態だったんですね。だから残り2人に対して「どっちか出てくれんか」って話になったんですけど、その子らがこともあろうに「嫌」って言ったんですよ。そこで私「は?」って思って。

森逸崎:ほうほう。

ドット:いや、「全国行く瀬戸際でプレッシャーも半端ない、自分の責任で行けなかったら申し訳ないから出られない」みたいな、そういう場面だったらわかるんですけど。そんな切羽詰まった状況でもないのに、なんでそれもできないんだ、と思って。
結局、怪我してる子がとりあえず出たんですけど、その子も泣いてて、「さすがにこれはないだろう、なんだこれ」って言って。

森逸崎:うんうん。

ドット:先輩にもずっと、「あんたの学年にまともなのはあんたしかいないから、どうにか周りのメンバーを説得してくれ」ってずっと言われていて。その中でその出来事があったので、最後の大会までにどうにかしないとなって思って、説得に回ったんですけど。説得も全然効かなかったですね。
で、その次の日ぐらいに生徒会で残って仕事してたんですけど、そしたらわざわざその子たちから呼び出しをくらって。「3年の女子だけでミーティングやるから来てくれ」って言われて行ったら、もう向こうはズラリと6人。6対1の状況でした。

森逸崎:ほげー!

ドット:そこでは、ひたすら自分に対しての悪口ばっかりぶつけられる時間でした。最初は「お互い言いたいこと言い合おう」みたいな感じで来たのに、私には何も言わせてもらえなくて。1人1つずつ、私の嫌いなところを言っていく、それも、こじつけみたいなことばっかり。
例えば、欠席連絡のLINEグループに「生徒会の仕事があるから今日休む」って入れたら、「仕事あるからみたいな理由、言わなくていいじゃん。そういうところに自己顕示欲が見えるから嫌なんだよ」みたいな。
欠席連絡って、欠席の理由言うためのものやんと思うんですけどね。他にも「『自分はこんなに頑張ってるのに、なんでみんなは着いてきてくれないの』みたいな悲劇のヒロインぶってるところも嫌」みたいなことも言われたし。
説得の時にみんなの前で言ったことに対しても、「結局、自分はハブられてて、自分の思う通りに行かないのが嫌なんでしょ」みたいに言われたし。
仲良くしていた友達にも「本当に友達だと思ってんの?」って。「自分のことを利用して、みんなと仲良くなろうとしてない?」みたいなこと言われたし、。「自覚してないかもしれないけど、あなた変わってるよ。みんなとずれてるから、変わった方がいいんじゃない」みたいなことも言われたし。
さらにある子には「誕生日プレゼント、なんでくれなかったの?」とか言われました。そいつが主犯だったんですけど、普通に「あげるわけないやろ」とは思ったんですけど(笑)

森逸崎:(笑)
でもある種、理不尽な悪意をぶつけられ続けた。

ドット:はい。私は今でこそ当時を思い出して「何だったんだ」と思ってイラつくことができるんですよ。でも、そのときは本当に、とにかく自分が人間関係で上手くやれる人間でありたかった。みんなと仲良くできるならしたい。でも、向こうがそれをする気がないなら、自分が受け入れるしかないと思ってしまった。向こうの思う通り自分が動くしかなくて。多分バグってて、自分が。
「今までそんなに不快にさせてたんだったら、自分が好かれるわけないよね、申し訳なかったな」と思って、ひたすら泣いて謝っていました。今なら「なんで」って思えるのに。
その時は軽くうつみたいになりました。でも2日くらいだけだったんですけど。

森逸崎:2日だけ?

ドット:それが2日で済んだのは、やっぱりそのとき、1番仲良くしてくれてた高校のときの親友がその話を聞いて、私を心配して怒ってくれたからだと思います。「あなたは何も悪くない」ってハッキリと言ってくれた。
あとは、今の彼も。当時はまだ付き合う前だったんですけど、その話をしたときに、同じように「君は何も悪くないでしょ」って言ってくれたんです。
彼、愚痴を聞くのは今でも下手くそなんですけど(笑)その代わり、前を向かせるのはすごい上手。私に寄り添って愚痴聞いて癒すのは下手でも、私に前を向かせるのはすごく上手くて。「そんなことより、もっと楽しいことを考えようよ。楽しいことしようよ」って感じで。そんなことって言われることにいつも腹立つんですけど。でもそのときは、ひたすら話聞いた後に、スタバを一緒に飲んで。その話を忘れて、普通に一緒に喋って。そしたら、知らない間に開き直ってたんですよね自分が。「この部活は見捨てよう」って心の底から思えた。この2人の存在が大きかったかな。

森逸崎:そこから前回仰っていた、自分の気持ちの言語化だったり、相手の「心」についてとても興味を持つようになったということなんですね。「考え続ける人」になった。

ドット:そうです。

未来:今の関係を、もっと大事に

森逸崎:ちなみになんですけど、5年後とか10年後とか、もしくは死ぬ間際かな。どんなことを考えていたいですか、この先。

ドット:うーん、考えずにいられたら、一番いいなと思います。
今は幸せになるためにも、メンタルを維持するためにも、考えなきゃいけなくて。別に考えることは苦じゃないんですけど、自分の弱さを直視しなきゃいけないときは、やっぱり苦しいので。自分の弱さを直視しなくても済んだらいいなって思っています。
「何も考えなくてもこの人は絶対自分から離れていかないし、この人さえいればいいんだ」って思える人と一緒にいれば、もしかしたら他のことなんか、多分どうでもよくなるかもしれない。だから、そういう人と一緒に生きて、何も考えずに「あー幸せだね」って、「いろいろあったけど幸せだったな」って、最終的に思って死んでいけたらいいなって思います。

森逸崎:うんうん。
ちなみに恋人でも家族でも友人でも、ドットさんが「一緒にいたい」と思う人は、どんな人ですか?

ドット:今一緒にいる人と、できるだけ最後まで仲良くいることができたらいいなっていうのあって。
というのも、長い付き合い、関係の深さと長さは完全にとは言いませんが、少なからず比例する部分もあると思っているんですね。なんでかって、長いこと一緒にいるってことは、それだけ見離さずにお互いがいれた時間がある。ってことは、それはもう完全に「安心感」があると思うんですよ。
出会ってすぐの短い期間でも、フィーリングが合って、お互いの深いところまで理解し合えるっていうのも素敵だと思うし、そういう人と今後出会って、その後もずっと仲良くいられる可能性もあると思うんですけど。
やっぱり、古くからずっと仲いいっていうのも、理想なんだろうなと思って。今仲いい人を、できるだけ手放さずに。それが恋人としての人であれ、友人としての人であれ、いられたらいいなって思う。

森逸崎:いいですね。
それでは、前回「もしもの未来」って質問したの覚えてます?その時は「就活がなかったら」と聞いたんですが、今回は、「もしもドットさんが、小中高、友人関係でつまづいてなかったら」、どんな人生を歩んでいたと思いますか?

ドット:えーどうだろう。
少なくとも、前回お話したようなビジョン、VRに携わるお話をしたと思うんですけど、その理由も含めて、そんなビジョンは絶対に考えてないと思います。あれは結局、自分が人間関係でつまずいた結果、生まれたものなので。つまずいてなかったら絶対そんなこと考えない。
だって、人間関係が上手くいくのが当たり前の人生だったら、自分のせいで傷ついてる人がいるっていうのも、傷つけられるっていう感情も知らないと思うので。少なくとも、人の「心」に対して興味を持ったり、深い関係の居心地の良さを知らずに生きてたんだろうなと思うんです。
あと、絶対、パリピになってたと思います(笑)

森逸崎:パリピ!(笑)

ドット:自分、元来、調子乗りだと思うんで。調子乗りだし、パリピの素質は全然あると思う。

森逸崎:パリピになったら、何をやりたいですか? 

ドット:何も考えずにインスタに画像載せてみたいですね(笑)
だって、その類の人って、何でもかんでもすぐ載せるじゃないですか。「それ見て、誰か楽しいんかな」って思うようなところ、すぐ載せるじゃないですか。

森逸崎:(笑)

ドット:それで誰かが傷つくことは、別にないと思うかもしれないんですけど。
少なくとも「自分は自慢しても許されるだろう」という自信がないと、自分をオープンにはできないと思うんですよ。
わーって騒げるのも、最低限自分に自信があるからだと思うし。そうやって、すぐにインスタとかで自分をさらけ出せるのも、自分に自信があるからだと思うので。
自分に自信があるからこそできることをやってみたいと思います。

森逸崎:うんうん。自信。

ドット:別に本当にパリピになりたいとは全然思わないですけど、でも「羨ましいな」ってそう思うのは、それだけ、自分に自信があることに対してですね。自分に、自信が欲しいです。
あとは、どうなんでしょうね。制服でディズニー行くとか、それをインスタに何も考えずに載せるとか。やりたいって思わないんですけど。
いや、でも、「思わない」っていうのすら、「本当はやりたいと思ってるけど、それやったら調子乗ってるって言われそうで嫌だ」とかなのかもしれないですね。自覚はないですけど。本当はやりたいけど、それができる器じゃないって自分で思ってるから、やりたくないって変換して、”こんなことやる必要ないんだ”って言い聞かせてるから、やりたくないと思ってるんだろうなって思う側面もあります。

森逸崎:あはは(笑)
一方的に質問してしまったんですけど、今回、何か、言い残したことは何かありますか?

ドット:「言葉」って、自分が意識してないと出てこないじゃないですか。だから、聞いてもらったことで、そのテーマに対して初めて意識を向けて、その結果、出てきた言葉を、今日はたぶんお届けできたと思います。
そういうのを、もっとテーマとか話題とかを変えて、いっぱいまだまだ聞いてもらう機会があったら、まだまだ、もっともっと、自分について知れるんだろうなって思うし。自分について知ったら、もっと人に対して寛容になれるのかなって思うんです。
だから、自分にもっともっと聞いてほしい。何がって具体的にないんですけど、もっともっと自分の話聞きたいって思っててもらえたらうれしいなって思うし。自分を知って、本当に自分の中で、ああ、もうこれで大丈夫だなって、人に寛容になれたなって思ったときに、次は自分が森逸崎さんの話を、全部聞けたらなって思います。

森逸崎:おお、それは嬉しい。

ドット:やっぱり、聞いてもらうばっかりだと申し訳ないなって思ってしまうので。基本的にインタビューなんて、普通の人はする機会ないので。でも、思ってしまうからっていうだけじゃなくて、自分がこれだけ人に対して関心を向ける人間だからこそ、1人1人に対してもっと深く知りたいっていう気持ちもあって。
だからこれから先、出会う人のことはできるだけ深く知りたいと思って、森逸崎さんの話を聞く機会をちゃんと作りたいですこんな最後にちょこっとだけじゃなくて。いつかっていうよりか、次の機会にでも、話を聞く側に回れたらなって思います。

森逸崎:ぜひぜひ!無名人インタビュアーも募集中なんで、良かったら応募してみてください(笑)

ドット:はい。

森逸崎:今日も、ありがとうございました!

あとがき

2回目のインタビューが終わったとき、思わず「可愛らしいなあ」と呟いてしまった私。
前回は就活の話をして、少し達観している側面を見せてくれたドットさんでしたが、今回は彼との関係性や、友達との関わり方、自分の中での情報処理の仕方を、等身大で教えてくれた気がします。その都度一生懸命「向き合う」ということをする彼女に脱帽です。
とはいえこちらもまだ一面。立体的に捉えるにはまだまだいろんな角度から聞いてみることが必要だなあ、と改めて思うインタビューでした。
ちなみにインタビューとは全く関係ない相談をドットさんに持ちかけたところ、その場での回答プラスアルファで後から参考になる情報をメール長文びっしり!送ってくれました。なんというホスピタリティ。人柄出るなあ。
引き続きよろしく頼みます!

インタビュー担当:森逸崎 海

編集協力:有島緋ナ

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #恋愛 #人間関係

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