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自分のやりたいと思ったことは絶対に曲げない方が自分のためにもなる。人

三軒茶屋に今住んでるので下北沢が近いので安易に俳優インタビューでもするかと思いついたことがあるが、ぜんぜん実現していないし、
そもそも演劇絡みでなんかしたくて、こういうインタビュー切り抜きテキストを読み上げてもらおうとかお知り合いの役者の人に相談したりしてたけど、

なんかそういうハマり方しなくて、ダメのだめだめだったかもしれない。
あるいは俳優の人にインタビュアーになってもらって、顔面どアップでインタビュー中の表情の変化を楽しんでもらおうと無名人インタビューのカメラオフのポリシーねじねじまげまげしてしまう企画まで考えてたりしたけど、そうだね何も前に進んでいないのよね。
手を広げすぎなのよ。
そもそも、舞台上で無名人インタビューするとかね。
いやあ。でも顔を見せてない集中力っていうのがあるからな。
悶悶として無名人インタビューゴッ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 今乃 奏音(こんの かなね) さんです!

x:https://twitter.com/kanane_perform
instagram:https://www.instagram.com/kanane_konno


現在:ずっと本当にやりたいことから逃げてて、遠回りして今に至るって感じていて。やっと本当の意味でいろいろ始まったなっていうふうに思ってます。

qbc:今、何をしている方でしょうか?

今乃奏音:役者活動をしています。
活動自体は2019年からやってるんですけど、コロナ禍でちょっと色々あったので、表舞台にちゃんと出てくるようになったのは2023年の6月からです。

qbc:役者業って、具体的にどんなことをされてるんですか。

今乃奏音:基本的には、舞台でたりとか、朗読劇でたりとか、そういった活動をさせてもらっていて。
あと他にも、まだあんまりやってないんですけど、ラジオドラマだったりとか、ボイスCDみたいなのに出させてもらったりとかもします。

qbc:どんな気持ちでやってます?

今乃奏音:「1人でも多くの人の心に残る役者になる」っていうのが私の生涯目標なんです。
例えば、作品だったりとか舞台を観てくださった方に、「この役、すごい共感した」とか、「この役がすごい好きだった」って、言ってもらえるようになりたいなとは思ってます。

qbc:役者をされている理由というか、きっかけってなんですか?

今乃奏音:理由は、自分がやりたいと思ったからっていうのもそうなんですけど、元々あんまりばーって前に出ていけるタイプじゃなかったので……。んー、なんだろう。

qbc:役者さんって、やろうと思わなければやらないことだと思うんですよ。会社員とか、フリーターは自然になると思うんですけど、役者はそもそも業界の仕事だと思いますし、そこに参入しなければなれないと思うんです。
そこに至った流れとかって、何かあるんですか?

今乃奏音:私、実は会社員やりながらやっていて。何か人と違うことをしたいって思ったのがきっかけかもしれないです。
人と同じことをしてるって言ったら、ちょっと会社やってる方に失礼に当たっちゃうかもしれないんですけど、同じことをしていても正直、自分の人生って面白くないかなっていうふうに感じたのが、多分一番最初のきっかけで。最終的に何年生きられるかわからないですけど、一生の間にやりたいと思ったことは全部やりたいなって、ふとしたときに思って。
今まで、自分でこれやりたい、あれやりたいって思ってやったことがなかったんですよ。

qbc:はい。

今乃奏音:それこそテレビドラマだったりとか、舞台とかでお芝居を見て、私もやりたいって思ったのかな、とは思います。

qbc:演劇自体は身近にあったんですかね。

今乃奏音:逆になかったのかなと。ドラマをみるようになってから役者やりたいと思うようになったので。
役者やりたいって漠然と思い始めたのって12歳とかの頃なんですけど、そのときは基本的に、さっきもちょっとお伝えした通り、表に出ていけるタイプじゃなかったので、やりたいっていうことを周りに伝えられなかったんですよ。自分に自信がないので。

qbc:うん。

今乃奏音:それを、隠しながら生きてきたんですかね。学生の頃は。年をどんどん重ねるにつれて、といっても20歳過ぎてからぐらいですけど。自分のやりたいことをちゃんと伝えられるようになってきてから、じゃあ本格的にやってみようかなって思って、やるようになった感じだと思ってます。

qbc:そういう文脈で言うと、今どんな気持ちで役者に取り組んでらっしゃる?

今乃奏音:今は自分が演じる役が、少しでも共感してもらえたりとか、こういう子いるよねって思ってもらえたりとかしたらいいなって思いながら、あとはもう正直、感覚で演じてる部分が結構大きいなと思ってます。

qbc:自分の人生の中でやりたいことをやったっていう、文脈の中で捉えるとどうなんですか。今役者をやっているということは。

今乃奏音:あんまり考えたことないかもしれないです。

qbc:演劇を始める前は、自信がなくて自分を抑えていた。それを、演劇を始めたことで、ようやく出せたわけですよね。
加えて、コロナの関係で、スタートもちょっとずれて、実際しっかり活動できるようになったのが、おそらく2023年6月頃。
では改めて、それを自分の人生の中で捉え直すと、今、役者をやれている自分っていうのはどういうふうに感じられるんですか。

今乃奏音:今は、やっとやりたいことができ始めたなって思っていて。
私自身もnoteやってるんですけど、noteで「今年の漢字」について書いた記事があって。「始」って漢字にしたんですよね。

今まではやっぱり、やりたいことがあってもできなかった。やる勇気がなかった。あとは、逃げ続けたっていうんですかね。ずっと本当にやりたいことから逃げてて、遠回りして今に至るって感じていて。やっと本当の意味でいろいろ始まったなっていうふうに思ってます。

qbc:ありがとうございます。
趣味とか、演劇以外のことって何されているんですか?

今乃奏音:ないんですよね、それが。趣味ですよね?
普段やってるものは、本当にスマホでやるような、ソシャゲと言われるゲームだったりとか、一時期ダーツやってたこともありますけど、最近お芝居で忙しくて投げれてないので、趣味という趣味は、実は今まであまり持ったことないんですよ。

qbc:なるほど。とはいえ、ご飯食べに行ったり、旅行に行ったり、とかも特になく?

今乃奏音:趣味って言えるほどかはわからないですけど、年2
回はどっか行ったりしていて、友達とご飯は結構行ってます。

qbc:ただそれでブログが書けるぐらい、めちゃめちゃご飯屋さん巡ってるわけではないみたいな。

今乃奏音:そうですね。

qbc:性格について聞いていきたいんですけど。周りの人からどんな人だねって言われます? 具体的に言われたことがもしあればぜひ。

今乃奏音:最近「意外と繊細だね」って言われました。
ソシャゲで出会ったゲーム友達なんですけど、最初はガサツとか、大雑把とか、元気なイメージを持ってたらしいんです。
けど最近、ちょくちょく何か自分の内面的な部分とかを話すようになったら、すごい繊細だって言われました。
私自身をどう思ってたの?って逆に感じたんですけど、でも、周りから改めてそういうふうに言われると、そう見えてたんだ、みたいな感じで、私自身も驚きましたし、向こうも向こうで驚いてたんだとは思うんですけど、それが直近で言われたことですね。

qbc:なんでガサツだって思われてたんですかね。

今乃奏音:多分普段の言動はだったりとか、行動とか。プライベートでの話ですけど。
あとは、なんかうまく言えないですけど、でもそれ、その友達に直接言われたわけじゃなくて、共通の知り合いを挟んで言われたことだったんです。

qbc:繊細の方?ガサツの方?

今乃奏音:繊細の方です。

qbc:ご自身ではどう思います?

今乃奏音:どうなんですかね。両方あるのは事実だとは思います。
強がってるんですかね? わからないですけど。

qbc:強がってるエピソード、ありますか?

今乃奏音:今思ったのは、多分常に人前で泣きたくないっていうのがあると思います。
弱さを見せたくないみたいなのは常に思っていて、それって強がりなのかなとも思います。あとは、舞台の共演者の子に「やっぱ強がりだよね」って言われたことがあります。

qbc: それはなぜ言われたんですかね?

今乃奏音:その子にも似たり寄ったりの部分があるみたいで、似た者同士が寄ってくるみたいなことをその子は言っていて。その上で、強がりって2種類あると思うって。一つは、自分の見栄を張るため、もう一つは優しいが故に周りに気遣わせないように強がるタイプみたいなことを言っていたんですけど、「奏音は、後者の優しいが故に気を遣わせないようにするタイプの方だよね」みたいなことを言われました。
自分ではそこの自覚は全くないんですけど、そういうふうに見られてるんだと思った記憶はありました。

qbc:身近な人、例えば家族や恋人、近しい友人からはどんな性格だと言われます?

今乃奏音:なんでしょうね。ガサツとは言われるかもしれないです。あと、意外と何も考えてないって言われます。

qbc:ガサツって、どういう時にガサツになるんですか? あまりガサツな印象を受けなかったんですけど。

今乃奏音:どうでもいいかなとまでは行かなくても、なんていうんでしょう、それこそ家とかだったら片付けを少しおろそかにしてしまったりとか、洗濯物も結構適当に畳んだりとか、あとは直接的に害を及ぼさない範囲で、多少どうでもいいと思ったことは後回しにしがちかなって思います。

qbc:じゃあ何を優先してることになるんですかね?

今乃奏音:仕事とか、あとは近しい人。家族だったりとか、友人だったりとか、知り合いとかの対人関係に関しては優先するようにしていて。
後回しにするのは、自分自身だけに関することって言うんですかね。他の人から見えない範囲のものは後回しにしがちかなって思います。

qbc:そうなんですね。
では、好きな食べ物を教えてください。

今乃奏音:味噌ラーメンとハヤシライスです。


過去:私自身がそもそも「普通」じゃなかったって、そう考えたら、なんか、なるべきものになったみたいなところもあるのかなって今思いました。

qbc:子供の頃はどんなお子さんでしたか?

今乃奏音:自分が覚えてる限りは、めちゃくちゃおとなしい子供だったと思います。
自分から人に向かっていけるタイプじゃなかったので、グループ組むときとかに苦労したりとか。小学生とか中学生のときとかは特に。
あとは、やっぱ受身だったなって思います。常に。周りに合わせるっていう感じだったのかな。
でもやっぱり、ずっとクラスの端っこで、本読んでるような、典型的なおとなしいタイプだったんじゃないかなと思ってます。

qbc:どんな遊びをしていましたか?

今乃奏音:一輪車やってましたね、小学生の頃は。小1、2ぐらいから、学校の倉庫にある一輪車を、ずっと昼休みとか練習して。あとは誘われたりしたら、ドッヂボールとかサッカーとかはやったりしてました。

qbc:記憶がある限りで一番昔にしていた遊びって覚えていたりしますか?

今乃奏音:やらなかったものは、お絵かきとかなんだろうなとは思ってます。小さい頃から絵を描くことだけはあまり好きじゃなかったので。今でも絵描けないですし。
なので、強いていうなら遊具で遊んでたり、積み木だったり、おままごとしたりとかっていうのはやってたんじゃないかなあって思います。

qbc:小学校の頃はどんな人でしたか?

今乃奏音:小学校の頃は、楽しかったですけど、周りになじもうと頑張ってたんじゃないかなと思います。

qbc:中学は?

今乃奏音:中学は小学校の頃よりももっとおとなしくなってたのかなって思うんです。
それこそ、グループとかでき始めるじゃないですか、中学行くと。そのグループに入らなきゃいけないんだろうなって、勝手に思い込んでて、でもその輪には全然入れなくて。1人でいることに怖さを持ってたのかなって、今では思うんですけど。集団の中の1人にならなきゃいけないのに、なれない自分、みたいな。
なんでそういうのに入れないんだろうみたいなことを思ってた時期もあったんですけど、まあ正直今となっては何でそんなこと思ってたんだろうって。

普通って何って言われたらそれまでなんですけど、役者を志す人って「普通」の人ってあんまりいないと思っていて。当時、輪に入れなかったのも、周りからしたら「普通」じゃないって思われていたんだろうなとは思うので。私自身がそもそも「普通」じゃなかったって、そう考えたら、なんか、なるべきものになったみたいなところもあるのかなって今思いました。

qbc:1人で何してたんですか?

今乃奏音:本読んでました。
当時は結構、ドラマを見せたので、その原作をお小遣い使って買ったりして、それを学校で読んでたかなって。

qbc:どんなドラマを観てたんですか?

今乃奏音:私、『ヒガンバナ』っていうドラマが好きで。堀北真希さん主演なんですけど。そのドラマが個人的には印象に残ってて。その原作の小説、文庫本がなくて、単行本でちょっと大きくて重くてちょっと値段もする本だったはずなんですけど、どうしてもその小説版を読みたくて、買った記憶があって。
実家に帰って本整理したりとかしても、絶対に売ったりとかしないで手元に残してありますね。

qbc:何が良かったんですか。

今乃奏音:堀北真希さんのお芝居もそうだと思うんですけど、ストーリー性だったりとか、あとは人間模様っていうんですかね。なんかもどかしさもあったりとか、あとは、堀北さん演じた役が、超能力みたいなものを持っていて、その組織に馴染めないみたいな感じの役だったんです。で、自分の居場所みたいなものを見つけて、その中でのびのびとやりつつも、堀北さんが演じるキャラの過去の話とかが、結構いろんなところに絡んできて、その中で関係性もどんどん変化していくみたいなところが、個人的に惹かれたというか、良かったなって思ったんじゃないかなって思うんです。

https://www.ntv.co.jp/higanbana/

qbc:今でも思い出すことはありますか? そのドラマを。

今乃奏音:たまーに。久しぶりに見たいなと思ったりとか。

qbc:見返しましたか?

今乃奏音:当時はめちゃくちゃ見返しました。今は見返す手段がなくて。

qbc:あっ、日テレオンデマンドで観れるみたいですよ。機会があれば。

今乃奏音:そうなんですか? 観ます!

qbc:高校の頃はどんな感じでしたか?

今乃奏音:高校の頃は、自分から行かなきゃ行けなくなってしまったっていうんですかね。テレビドキュメントの番組作っていて、受身でいることに多分限界があったと思うんですよ。なので、嫌でも自分から行かなきゃいけなくなったっていうんですかね。
わりと中学までは、地元の交友関係が元々あったのでどうしようもなかったんですけど、高校は県外に行ったので。あえて誰も知り合いがいない環境に行って、そこで新たな関係を構築できたっていうのもあって、結構ガラッと変わったのかなって思います。
今のこの雰囲気も、多分高校の頃からできたものだと思うので。

qbc:今の雰囲気って、どういう雰囲気ですか?

今乃奏音:気持ち程度かもしれないですけど、ちょっと明るくなったかもしれないですね。昔はなんか、もうちょっと淀んでたというか。
高校もそんなに前に出て行ってたかって言われたらもちろんそうじゃない部分もあるんですけど、自分から話しに行ったりとか、自分から率先して前に出て行ったりするようになったのは、高校入ってからだったと思います。
クラスの委員長みたいなのはやらないですけど、修学旅行の班長とか、仲良いグループでのリーダーぐらいはやってたので、そういうのをやりだしたのは高校入ってからだった気がします。

qbc:さっき言ってたドキュメンタリー制作っていうのは何なんですか?

今乃奏音:これ部活の活動の一環で。番組を制作する大会があるんですよ。

qbc:何部ですか?

今乃奏音:放送部です。アナウンス部門、朗読部門、番組部門はラジオドキュメント、ラジオドラマ、テレビドキュメント、テレビドラマがあって。
その頃、正直アナウンスとかやりたかったんです。でも、アナウンスって毎日朝練で発声とかをしなきゃいけなくて、高校は家から1時間以上かかるところに通ってたので、毎日朝7時半に学校行くのって現実的じゃなかったんですよ。
っていうのもあって、番組の方にしたんですけど。番組も番組で結構学校行事とかに関わることもあったので、結果的にはどっちも変わらないっていうのが本音なんですけど。とはいえ、番組部門の中で一番人が少なかったのがテレビドキュメントだったんですよ。なので、言い方は悪いですけど、ライバルが少ないっていうのでテレビドキュメントにした記憶があります。

qbc:やってみてどうでした?

今乃奏音:やってみて、結果残せたのでテレビドキュメントにしてよかったなって思う部分もあります。ただ、元々テレビドラマが第一希望だったんですよ。でもやっぱりテレビドラマが一番人気で、人も多くて。
なので、自分のやりたいようにはできるかもしれないけど、結果として残すっていう意味では、やめた方がいいなと思って、逃げちゃったんですよね。これも。もしテレビドラマを作るっていうノウハウを持ってたら、もっと今の活動の幅が広がったのかなと思う瞬間はあります。
ただ、ここでテレビドキュメントを作ってなかったら、今のコミュニケーション能力とかは身に付かなかったのかなとは思います。テレビドキュメント作ってた時の役割がインタビュアーだったので、どんどん質問していったり、回答の内容を深掘りしていったりして。人と話す上で絶対に欠かせない部分を高校生のうちに経験できたっていう意味では、テレビドキュメントを選んでよかったのかなと思います。

qbc:高校の後の進路選択はどうされたんですか?

今乃奏音:進路は、全く芸術に関係ないところを選びました。
最初、芸術系のところに行こうとはしたんですけど。学力が足りないっていうのと、専門学校っていう選択肢が親の中にはなかったので。
高校が附属校だったんですよ、大学の。なので、法学部に進学して、法律の勉強をしてました。

qbc:大学時代はどうでしたか?

今乃奏音:大学時代は、不思議な時間だったなと思う部分もあります。良い出会いもあれば、悪い出会いもあって。
でも、思った以上にいろんなことできたかなと思っていて。それこそ、ラジオドラマをサークルで作ってたんですけど、テレビドキュメントを高校で作って、大学でラジオドラマを作って……その二つってある意味対極にあると思うんですよ。
映像で一つの事実を追っていくものと、音声だけで、創作物というか、フィクションを作っていくものと、目の前にあるものを追っていくものと。そういう意味では正反対のことをしていたなと。
そういう経験をしたからこそ、だいぶ視野は広がったと思います。芸術を極めるっていう意味ではそういうところに行くべきだったのかなとも思いますけど、全く違うものを経験したことによって、ちょっと芸術を俯瞰して見ることができたのかなとは思います。

qbc:大学卒業後はどうされたんですか?

今乃奏音:大学卒業後は、今もなんですけど、普通の会社に就職して、平日昼間はOLやりながら、平日の夜だったり、土日祝の休みの時間を使って、役者活動をやらせてもらってるって感じですね。

qbc:企画制作とかはやっていらっしゃるんですか?

今乃奏音:去年は全然できなかったんですけど、今年からは自分のやりたいこと、やってみたいなって思うことに近づくために、自分の創作にも力を入れていけたらなとは思ってます。

qbc:どんなことをやってみたいんですか?

今乃奏音:やってみたいのは、音声、映像、舞台の、演出方法とか、作り方が全然違う3種類の媒体で、同じ作品を作ってみたいっていうのがあって。
一つ作品を作って、それをラジオドラマだったらどうするか、映像だったらどういうふうな映像を撮って、どういうふうなカット割りにするか、舞台だったら、生物(なまもの)なのでどういう風にしたら、時系列がうまく繋げられるかとか。表現の仕方が三つとも異なると思うので、それぞれの媒体の違いを出せるようにやってみたら面白いんじゃないかなって、漠然と思ってたりはします。

qbc:会社自体はどんな感じですか。会社員として働いている自分っていうのは。

今乃奏音:でもやっぱり、「普通の人」じゃないんだろうなっていうのは、すごく感じる瞬間があって。
同期とはめちゃくちゃ仲いいんですけど、女の子は特に前に出ていくタイプの人たちがそんなにいるわけでもないんですよね。なので見方によっては悪目立ちしてしまってるかもな、と思う瞬間もあって。あとは、同じ部署の先輩方と話していても、なんていうんでしょう、「もっと頑張れば、もっとできるから。大丈夫だから、1回やってみようよ」みたいなこと言われた時、その先輩にはすごく申し訳ないんですけど、全然心に響かなくて。私のために言ってくれてるのに、なんか申し訳ないなみたいな。

普通だったら、そういうふうに先輩から言われたら「そうですよね。いや、頑張りたいです。もっとやってみます」みたいに本当に思うんでしょうけど。もちろん、私も返事としてはそういうふうに返事はしてるんですけど、内心、心から思ってそう言っているわけじゃなくて、そう思うべきなんだろうなみたいな気持ちで返事してるなって思うので。

そう考えると、やっぱり本当にやりたいことじゃないんだなっていうのは、その瞬間にすごく感じました。

qbc:家族関係はいかがですか?

今乃奏音:うち共働きなんですけど、母は、なんか甘い部分もあれば、時たま、めちゃくちゃ厳しい部分もあって。父もそんな感じではあるんですけど、父の方が、厳しいときが本当に厳しいかなみたいな。典型的な昭和の父親って感じです。
例えば、大学の頃に、彼氏がいるだろうみたいな話になったときに、うちに来ることがあったら、カップ麺のお湯ぐらいはくれてやるよみたいな。そういうよくわかんないこと言ってました。

qbc:ご兄弟はいらっしゃいますか?

今乃奏音:兄弟はいないです。一人っ子です。

未来:私が私でいるためのピースだと思うから。

qbc:未来についてお伺いしたいんですけども、5年、10年、30年、最後死ぬっていうところまでイメージしていただいて、どんな未来を思い描いていらっしゃいますか。

今乃奏音:正直全く想像ができないんですよね。
でも、可能な限り、役者活動はちょっとずつでもやっていきたいなとは思っていて。難しいのは承知の上ではあるんですけど、生涯役者ではいたいなと思ってます。

qbc:なぜですか。

今乃奏音:なんか、あんまりキザなこと言いたくないんですけど、ストレートに言うならば、私が私でいるためのピースだと思うから。
役者である自分、お芝居を続けている自分が、一番好きな自分というか、一番自分らしくいられるのかなと。

qbc:役者って自分じゃないものを演じるわけじゃないですか。その上で、自分らしくいられるっていうのはどういうことですか?

今乃奏音:そうですよね。私も今喋ってて思いました。
でも、自分じゃない自分でいられる瞬間って、個人的にいいなって思っていて。多分私のお芝居のやり方にもよるとは思うんですけど、その役の心情と、自分の心情が同化する瞬間が何回かあって。そのときに、「生きてる」って感じがするというか。その瞬間を1回体験したら、もっと突き詰めたくなるっていうんですかね。うまく言えてるかわかんないですけど、そんな感じです。

qbc:音声、映像、舞台ってメディアですよね、メディアって、演者の立場とか、企画脚本みたいな裏方の立場とか、結構いろいろな角度があると思うんですけども、将来的に、例えば「音声で企画がやりたい」とか、「舞台で演者が一番」とか、そういうイメージって何かありますか?

今乃奏音:自分が企画主催した作品をやりたいっていうのももちろんあるんですけど、5:5か、役者6:企画4でやりたいなと思ってます。割合は難しいところなんですけど。

qbc:関わりたいんですね。制作の方にも。

今乃奏音:関わりたいです。

qbc:一つの舞台の中で?

今乃奏音:はい。やっぱり他の方が企画したところに客演とかで少しでも関われるんだったら、ぜひ関わりたいなとは思うんですけど。
それは、その企画をされてる方のやりたいことにできる限り、役者が沿ってやっていくっていう感じになるのかなって私は思っていて。その中に自分らしさだったりとか、自分がやりたいことをお芝居の中で詰めていくっていうのはもちろんありますけど、100やりたいことが叶うわけではないと思うので。
自分がやりたいことを100やるにはどうしたらいいかって言ったら、自分が企画立案した方が早いって私は思うので。仕事やりながらっていうのは変える予定はないので、もちろん、年に何回できるって言われたら限度はあるんですけど、それでも、お芝居も作品制作も、やれる範囲の中で、いろんな角度で物事を見ていたいなとは思います。

qbc:もしも、キャリアとして、大学の時点から芸術系の学校で教育を受けるとして、会社員として生きなくてもいいよっていうチャンスがあったときに、どうされますか? 専業できるって状況になったら。

今乃奏音:めちゃくちゃ悩みますね。実際役者友達に「専業でやったら、もっといろんなことできるから。絶対専業のがいいよ」っていう話は結構言われてるんですよね。私自身も専業の方がいいよなと思う瞬間、何度もありましたけど。でも、専業ではできない分、会社員やりながらっていうのを逆に武器にしてやろうかなって思っていて。
親がそもそも2人ともお堅い系というか、一つの会社にずっと転職なしで働いているので、正直私がこれから先転職するってなったときに、え?って絶対言うと思いますし、そもそも役者活動してることに対しても良く思われてないんですよ。何なら反対されていて。学生の頃からずっと。

でも、今って自分の収入の範囲内でやっていて、親には迷惑かけてないはずなんですね。なので、言い方はあれですけど、親を黙らせるための手段が会社員で、正社員で働いてることかなって私は思っていて。
この年になって「親が……」っていうのは正直私自身も嫌なんですけど、結局、一番身近な人たちの賛成というか、賛成とまではいかなくても、気持ち的な意味での協力なしでは活動を続けられないと思うので、正直、専業になって、それだけで食べていくっていうのは、正直考えてなくて。役者とは別に、何か一つ、軸となる収入を持っていたいなとは元々思っていたので。

そういう意味では、専業になれるチャンスがあったとしても、一発目では食いつかないのかなとは正直思ってます。

qbc:なぜ人と違うことをやりたがるんでしょう。例えば、役者をしたいと思う理由もそうですよね。インタビューの中でも、「普通」っていう言葉が何度か出てきたんですけど、なぜ「普通」ではない方向へ行きたいと思うんでしょう。何がそうさせるんですかね。

今乃奏音:内心、目立ちたがり屋なのかもしれないですね。
人と違うことをして、めちゃくちゃ目立ちたいと思ってるわけではなくて、人と違うことをすることによって、誰かに認めてもらいたいのかな、とも思ったりします。
それこそ会社やりながら役者やってるっていうのも普通じゃないとは思うので、世間一般の普通に、常識に逆らっていく中で、飲み込むところは飲み込みつつ、それでもやりたいことっていうのは、芯を曲げずにやっていきたいなとは常に思っています。

qbc:ありがとうございます。
では、最後の質問です。遺言みたいになってもいいし、インタビュー記事を読んでいる人へのメッセージでも構いません。最後にいい残したことがあれば、お伺いします。

今乃奏音:両方でもいいですか。振り返りと、読んでいる方へのメッセージと。

qbc:大丈夫です。

今乃奏音:振り返りとしては、人と違うことをして生きてきて、もちろん全部が全部楽しかっただけではなくて。大変でしたし、学生の頃から番組作ってて、大変じゃなかった瞬間ってあんまりなかったし。でもやっぱり、生きてる実感はすごくあったなって思います。
なので、これからももっと自分のやりたいことを極めていけたらなとも思いました。
それに、回り道をしてきたからこそ得られた経験ってすごくあると、私自身も思ってて。私は10年くらいかかりましたけど、やっとやりたいところに戻ってきた。戻ってきて、いろいろ始められたって言うのが2023年だったので、2024年は、もっとそのやりたいことに注力して突き詰めていけたらなと思います。

記事を読んでくださる方へのメッセージとしては、今、人と違うことをしたいとか、人と違うことをしてるなって思っている人の中に、この道を選んで本当にいいのかなって思う人って絶対いると思うんですよ。
でも、自分のやりたいと思ったことは、絶対に曲げない方が自分のためにもなるっていうのは、伝えたいなって。私自身、自分のやりたいことを10年ぐらい周りに伝えられずにいましたけど、それを伝えられるようになってからは、自分にもどんどん自信がついてきて、こうやっていろいろと話せるようにもなりましたし。多分そうじゃなければ今回こういう形でインタビュー受けるっていうことをしなかったと思うので。
いろんなことに挑戦して、自分のやりたいこと、好きなことに全力を注いでいく。もちろん、挑戦するのが怖いと思ったら立ち止まって、考える時間を作ってもいいとは思います。回り道をしたとしても、自分のやりたいことみたいなのは、1本軸に持った上でいろんなことに挑戦してみてほしいなと思います。

qbc:ありがとうございます。

あとがき

クリスマスに、スパゲッティ作ったんです。確か。
ミートソースの。家族に。
おいしかった。ちゃんともっとクリスマスっぽいことしたほうが良かったのかもしれないのですが。
でも、苦手なんですよね。そういうイベントごと。
恋人がいたときは必死でモテようとしてがんばってたんですけど。
プレゼントをコインロッカーにいれといてとか。学生のときですけど。
でもやっぱり演出は金にまかせると楽ですよね。お金なくたってできますよ。
でもお金使ったほうが早く済む。
心がなくても、形があればね。
なんとかなるのでは?

【インタビュー・あとがき:qbc】

【編集:toki】

#無名人インタビュー #インタビュー #演劇 #放送部

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